Autodesk Simulation CFD のおかげで、試作とテストに頼っていたときよりも、目標達成までの期間を 4 ヵ月短縮することができました。

Sechan Electronics 社主任メカニカル エンジニア Jim Smith 氏

Image courtesy of Sechan

Sechan Electronics 社


Sechan Electronics 社は、米国防総省から電子機器の製造を委託されている製造メーカーです。ペンシルベニア州リティッツを拠点とする同社は近年、パラディン自走榴弾砲用の新しいデジタル火器管制装置の開発を手掛けました。Sechan 社はこの兵士の命綱とも言える装置に長期の保証を付けることを決め、最大限の信頼性と性能を確保するために開発プロセスに Autodesk® Simulation CFD を導入しました。

このデジタル火器管制装置は、1 つのシャーシに 3 台のシングルボード コンピュータと関連ハードウェアを格納する必要がありました。重要なのは、シャーシ内のすべての機器の動作温度を安全な範囲内に抑えることです。シャーシは密封されており、また緩衝台の構造的にも、シャーシの冷却は外部からの自然対流と輻射に頼るしかありません。しかしファンが使えないため、どうしても内部の電子機器から発せられる熱が熱伝導によってシャーシに伝わってしまいます。

温度管理で重要なのは、浮力由来の対流と輻射熱伝導を正確に予測することです。そこで、Sechan 社の主任メカニカル エンジニア Jim Smith 氏は Autodesk Simulation CFD を使用しました。Autodesk Simulation CFD なら設計プロセスの早い段階で効率的にシミュレーションを行い、熱伝導、対流、輻射熱伝導を体系的に評価し、まとめてインタラクティブにビジュアル化できます。

Smith 氏は Autodesk Simulation CFD と MCAD システム Pro/ENGINEER のネイティブ アセンブリのパラメータの関連付けを利用して、複数の設計案を評価しました。「シミュレーションは何度も行いました。最初はシンプルなジオメトリとより包括的な条件でシミュレートし、それから段階的に詳細で現実的なモデルのシミュレーションに進んでいきました」と Smith 氏は話します。

「たとえば最初は輻射は無視し、Pro/ENGINEER のモデルもかなりフィーチャ数の少ないものを使用しました。そこから徐々に、モデルを実際のハードウェアや環境をよりリアルに再現したものに変えていきました」

さらに、ヒート パイプのアセンブリとパーツ、シングルボード コンピュータのフレームについてもシミュレーションを行い、構造的な強度を保ちながら重量を最小限に抑えました。「Pro/ENGINEER との統合はとにかく見事で、それを意識することさえほとんどありませんでした。きわめて複雑なジオメトリやアセンブリも何の問題もなく処理できました」(Smith 氏)。さらに彼は、Autodesk Simulation CFD を使えば「期待どおりのメッシュを簡単に作成できる」という点も高く評価しています。

Smith 氏によると、デジタル火器管制装置の設計プロセスの早い段階で CFD (数値流体力学)を導入したことで、Sechan 社は試作 2 回分のコストを削減できました。「Autodesk Simulation CFD のおかげで、試作とテストに頼っていたときよりも、目標達成までの期間を 4 ヵ月短縮することができました」

彼はまた、製品の実性能を詳細に予測できるのもAutodesk Simulation CFD の魅力だと語ります。「熱電対の設計をここまで正確に予測できるツールは他にはありません。環境試験室で CFD シミュレーションを検証した結果、温度データと密接な相関関係を持つモデルの精度が実証されました」