企業向けの C-FACT

サステイナブルな企業向けの温室効果ガス(GHG)削減目標の設定

オートデスクの革新的な C-FACT(Corporate Finance Approach to Climate-Stabilizing Targets、気候安定化目標のための企業財政によるアプローチ)手法は、ビジネスや環境に優しいモデルであり、サステイナブルな企業による温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標設定をサポートします。

オートデスクでは、グローバルな科学的目標と経済的目標に沿って、企業のカーボン フットプリントを削減するために、このオープン ソースのアプローチを採用し、構築することをさまざまな企業に働きかけています。最近になって、オートデスクは、都市が気候安定化目標を作成できるよう、C-FACT 手法をさらに発展させました。

企業 GHG 排出量の削減目標の設定

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は先進工業国に対して、気候の安定化のために GHG 排出量を 2050 年までに 85% 削減するよう要求しています。C-FACT を利用すれば、企業はカスタマイズした GHG 排出量の削減目標を設定するとともに、次のようなこともできるようになります。

  • 企業の GHG 排出量削減目標を IPCC の目標に合わせて調整
  • グローバルな GDP(国内総生産)に対する企業の相対貢献度の調整
  • 前年のパフォーマンスに基づいて目標を毎年再計算

Reduce corporate carbon footprint with C-FACT

カーボン フットプリントを削減する企業のサポート(英語)

4 つの手順で構成される C-FACT プロセスを使用することで、企業の GHG 排出量を削減するための目標の設定がどのように簡単になるかを説明します。

すべての企業が無償の C-FACT アプローチを採用し、その手法によって定義した目標を達成すれば、民間部門の排出量が順調に進んだことになり、2050 年までの気候安定化という目標達成に貢献できるでしょう。

C-FACT ホワイト ペーパーをダウンロード(英語)


実際のサステイナビリティ

オートデスクは 2020 年までの間、次の C-FACT アプローチに取り組みます。オートデスクは、各年度(FY)末に年間目標に対する実際のカーボン フットプリントの削減状況を公開しています。2014 年度は、2009 年度のベースラインと比較して、排出量の絶対量を 38.1% 削減しました。これは C-FACT 目標の 23.4% を超える数字です。

オートデスク サステイナビリティ レポート(2014 年度版)をダウンロード(英語)


C-FACT の詳細についてお知りになりたい場合や、ご意見やご質問をお持ちの場合は、c-fact@autodesk.com にメールでお寄せください。


C-FACT に関する質問と回答

1. C-FACT の独自性は何ですか?トップ

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気候安定化を実現するためには、先進工業国がそれぞれの GHG 排出量を 2050 年までに約 85% 削減する必要があると報告しています。C-FACT は、企業に対してこれらの科学的な気候安定化目標に沿って、企業の経済に対する貢献度に応じて GHG 排出量を削減するよう求めています。C-FACT の独自性は次の 3 つの方針より成り立っています。

 

  1. 検証可能性。C-FACT は公的に利用可能な財務情報および GHG 開示情報のみを使用することで、100% の検証可能性と、測定、判定基準、パフォーマンスの透明性を実現しています。
  2. 柔軟性。C-FACT 手法は変化する経済的な条件、ビジネスにおける変化、実際のパフォーマンスと財政目標および GHG 目標との間に必ず生じるずれにも対応できます。
  3. 公平性。C-FACT アプローチは、企業の貢献度は企業の既存のサイズや企業のカーボン フットプリントに対してではなく、経済に対する相対的な関与に比例するとしています。基本的に GDP 成長は排出量の増加と相関関係があるとされ、GDP における割合が大きくなった場合(市場シェアを獲得したような場合)でも企業がペナルティーを受けることはありません。
  4.  

オートデスクは最近、同様に都市が気候安定化目標を作成できるようC-FACT 手法をさらに発展させました。それにより、グローバルな科学ベースおよび経済ベースの目標に沿って、都市の GHG 排出量削減計画を作成できるようになりました。

 

2.C-FACT 手法はどのよう仕組みになっていますか?トップ

C-FACT 手法では、次の 4 つの手順により、ビジネスと環境の両方に公平な、企業の GHG 目標を簡単に設定できます。

  1. 計算。企業の GHG フットプリントをGDP への貢献度と 2050 年までのおおよその成長率で割って算出します。この貢献度は世界の GDP で割って得た粗利(または非営利、立ち上げ間もないなどで企業が収益を上げていない場合は EBITDA + 営業費)から測定したもので、これを使用してアナリストや社内の財務予測専門家が炭素強度削減率を算出します。
  2. 実行。タイム フレームを選択し、目標を実際に実行します。
  3. 年間計算。二酸化炭素強度削減目標を、企業レベル、部門レベルの絶対目標に換算します。実施期間中の GHG の削減目標を年間目標に変換し、短期間での算出から生じる脆弱性をなくし、年間削減目標とします。
  4. 調整。年度末には、GDP の新たな数値、実際の財務パフォーマンス、実際のカーボン フットプリントを考慮して、調整を行います。年間の固定数値に GHG 目標からの正または負の偏差を拡散します。

C-FACT ホワイト ペーパー(英語)では、実際の数値を使用してこの手法を紹介しています。C-FACT の理解に役立つ無償の Microsoft Excel テンプレートをご希望の方は、c-fact@autodesk.com にメールでお問い合わせください。

 

3. オートデスクはなぜ C-FACT を開発したのですか?トップ

二酸化炭素削減量算出や目標設定に関するベストプラクティスなどのサステイナブルなビジネスの取り組みをモデリングすることで、オートデスクは関連企業やビジネス パートナーにサステイナブルな企業としてのリーダーの役割を担うことを奨励しています。詳しくは、企業のカーボン フットプリント、企業の環境管理システムとガバナンス、排出量削減プロジェクト、ベンダーとの協力、排出量を測定/削減するためのオートデスク製品の使用など、オートデスクのサステイナビリティの取り組みについてのページをご覧ください。

 

4. C-FACT の開発は何にヒントを得たのですか、オートデスクとともにこの手法の開発を行った企業はありますか?トップ

C-FACT の開発にあたってオートデスクは、米国の環境保護庁(EPA)、Climate Group、世界資源研究所、Clear Carbon Consulting から助言を得ました。英国の電気通信会社 BT の Climate Stabilization Intensity model(英語)(気候安定化強度モデル)にヒントを得て、C-FACT 手法では企業の二酸化炭素排出量を企業の経済的な付加価値に応じて追加するべきであるというコンセプトを簡略化し、より柔軟なものとしました。

 

5. C-FACT はどういった種類の組織を対象としていますか?トップ

大企業から中小企業までの 100 社を超える企業が C-FACT 手法スプレッドシート (英語)をダウンロードし、現在テストを行っています。EMC や SAP といった主要な企業はそれぞれのニーズに合わせて C-FACT をカスタマイズしています。

 

6. C-FACT は EPA Climate Leaders の目標設定プロセスを満たしていますか?トップ

C-FACT 手法を使用すると、企業は選択した期間に応じた絶対的な削減量を予測することができるため、EPA Climate Leaders(英語)プログラムの要件を満たしています。

 

7.C-FACT は気候変動の緩和のための科学的な目標にどのように関係していますか?トップ

IPCC は先進工業国に対して、気候の安定化のために GHG 排出量を 2050 年までに 85% 削減するよう要求しています。この問題に対処するために、オートデスクは C-FACT 手法を使用して企業目標を作成しました。最初に、広く普及している気候科学に基づいて初期の道筋を設定し、次に科学コミュニティが策定した 2050 年の気候安定化目標を達成するのに必要な強度削減率を逆算しました。この目標に対して企業の環境パフォーマンスを毎年測定し、このプロセスから逸脱していないか確認し、していればこれに対処します。

8. C-FACT は財政面での予測の変化にどのように適応しますか?トップ

C-FACT 手法は、財政面での予測と環境面でのパフォーマンスを考慮して、二酸化炭素強度を計算します。企業がその財政目標を誤って見積もることがあるように、GHG の削減目標も上回ることもあれば下回ることもあります。このような状況で C-FACT モデルを使用することで、時間が経過するに従って実績と排出量目標の間にどれだけ誤差が出ているのかを企業は知ることができます(この処理を「誤差分散」と呼びます)。このアプローチには、次の 2 つの利点があります。

  • 企業は適切な投資計画を立てることができます。たとえば、企業は、設備投資を必要とする新しい GHG 削減技術(太陽光パネルなど)に投資することもできます。この場合、誤差拡散はさらに後の工程での削減にも役立ちます。
  • これにより企業は表明した目標に対して引き続き責任を負うことになり、短いタイム スパンで達成できなかった目標を相殺する義務が発生します。結果として、気候安定化のプロセスを損なうような、企業が長期間目標を達成しないという事態は発生しません。

 

9. 二酸化炭素強度の方法と絶対的な削減の手法の使用にはどのような利点がありますか?トップ

気候科学者と政策のエキスパートは、先進工業国が排出量削減の主導的な立場に立ち、2050 年までに先進工業国で GHG の絶対量を約 85% 削減するよう推奨しています。

ただし、善意を持って、最善の測定方法や予測があっても、2050 年に目標の絶対量を達成することは、今後 40 年での個々の企業による試みが偶然任せで不正確なものとなる可能性があります。結果として、多くの企業が収入や社員数を基準として考えることで、単純な強度目標を設定しています。

対照的に、C-FACT の強度基準を使用する企業は、世界の GDP の割合と比較してではありますが、企業の収入の増加に合わせて、企業のカーボン フットプリントを拡大させることができます。ある会社が経済全体の成長よりも速いペースで成長した場合、他の企業の割合が小さくなると言うのが基本的なロジックです。

すべての企業が 2050 年までの排出量の絶対削減量の割合に対して責任がありますが、その負担は経済の公平なシェア(と排出量の公平な割合)に基づいて 40 年間のうちにいくつかの企業間で移動することができます。より詳細な差異を認識できるアプローチを強度基準に適用することで、収入に基づく単純な強度基準よりも、買収や分離を通じたビジネスの変化により対処できるようになります。

 

10. C-FACT 手法を使用することで、気候安定化を擁護しつつ、二酸化炭素排出量の増加を正当化することもできます。この点について説明してもらえますか?トップ

気候安定化を達成するために、気候科学者は 2050 年までに大気中の二酸化炭素濃度を 350~450 ppm とする必要があると表明しています。この目標を達成するために、科学者たちは世界経済全体に対して GDP の成長には関係ない絶対的な排出量削減目標を設定しました。そして、先進工業国は 2050 年までに GHG 排出量を 85% 削減し、開発途上国は排出量を少なくとも 50% 削減するよう提唱しています。

ただし、安定した状態で成長している世界経済の内側を見てみると、個々の企業の成長(や縮小)率は非常にさまざまであることが分かります。したがって、急速に成長する企業は経営が傾いている 1 つまたは複数の企業にとって代わることになります。世界の経済の中で今後 10 年に各企業が成長するか、縮小するかを予測する方法はないため、個別の企業それぞれに絶対目標を設定することは意味がありません。

極端な例として、急激に成長し、2050 年には世界全体の経済を支配するにいたった企業があるとします。その 2050 年のカーボン フットプリント(これは世界全体の企業によるカーボン フットプリントと等しくなります)が、気候安定化を実現して全体で 85% 削減されても、その企業のベースラインのカーボン フットプリントの何倍にもなるため、増加したように見えます。したがって、C-FACT 手法は、世界の GDP に対する企業の相対的な貢献を、排出量削減目標を設定して対処するものです。

 

11. C-FACT 手法ではどのような種類の排出を対象としていますか?トップ

C-FACT は GHG 目標設定のための手段であり、特定の GHG を考慮に入れるものではありません。これは、世界資源研究所と持続可能な発展のための世界経済人会議が作成した GHG プロトコル(英語)が定義する、スコープ 1、2、3 排出量に適用されます。

サステイナビリティのベストプラクティスをモデル化する取り組みの一部として、オートデスクではスコープ 3 排出量(専用施設、飛行機やレンタカーによる出張、社員の通勤、イベント、データ センター ベンダー)などの企業のカーボン フットプリントに広範なビジネス活動を取り入れており、ビジネス活動がベンダーのカーボン フットプリントにどのように影響し、ベンダーによる環境への影響を改善するためにオートデスクの影響をどのように拡大していけばいいかをさらに把握していこうと努力しています。

 

12. C-FACT は収入と GDP 成長率に対して「実価」と「額面上の値」のどちらを使用していますか?その理由は何ですか?トップ

財務面での予想のほとんどは「額面上の」値であるため、C-FACT は財務面の予想や IMF 世界経済見通しデータベースによる GDP の現在の値に対して額面上の値を使用しています。「実際の」ドルへの変換は、財務面のモデル化を複雑にし、各企業は異なる基準年を使用するため、業界や企業間の比較が困難になります。企業間の GHG フットプリントには標準となる基準年はありません。