Asset 12 Asset 10 Asset 15 Asset 15 autodesk_icon_font_04_06_16_kl Asset 11 autodesk_icon_font_04_06_16_kl autodesk_icon_font_1_18_17_start_over-01

Keyboard ALT + g to toggle grid overlay

ソフトウェアの選定に ROI を活用するメリット

執筆:Robert Green

「どのソフトウェアを選ぶべきか」という問いは、あらゆるタイプの設計環境に共通の課題でしょう。私のもとには、ソフトウェア ユーザーから意思決定者に至るまで、自社に最適なソフトウェア ツールはどれなのかと異口同音に相談が寄せられます。「LT より AutoCAD の方が良いのか」、「本当は AutoCAD Architectural より Revit の方が適しているのではないか」といった疑問には、選択しうる 2 つのシナリオが含まれているため、「それぞれのツールにはコストがいくらかかり、そのコストに見合う価値はあるのか」といった問いかけを通じて分析する必要があります。ユーザーであれ、CAD マネージャーであれ、はたまたプロジェクト マネージャーであれ、これらの疑問には頭を悩ませていることでしょう。

しかし、よく考えてみると、これらの疑問はどれも 1 つの命題のバリエーションであることに気付きます。その命題とは「自社のユーザーと状況にはどのソフトウェア ツールを選ぶのが正しいのか」です。

この観点から疑問を見直すと、答えはいたってシンプルになります。選ぶべきツールとは、ユーザーの効率を最も高め、最も高い投資対効果(ROI)をもたらすツールです。

ROI とは

投資対効果(ROI)を一言で言うと、CAD プログラムの購入に関する複雑な判断をデータに基づく数学的アプローチで下す手法です。ROI を用いることで、願望や感情ではなく、確固たるビジネス ロジックに基づいてソフトウェア ライセンス購入の意思決定を下すことができます。

ROI では基本的に次のような計算式を使用します。

ソフトウェアの観点からこの計算式を見ると、購入費用やライセンス費用がそれに見合う価値をもたらすと言えるためには、ソフトウェア導入の結果としてコストを削減できなければならないことがわかります。この式で導き出される比率は、削減額をコストで割ったものであるため、ROI を最大化しようと思えば、コストを最小限に抑えつつ、削減額を最大限に増やす必要があります。

例として、基本的なシナリオを考えてみましょう。

ソフトウェアのライセンス 1 つを年間 500 ドルで取得し、それによって人件費を 2000 ドル削減できる場合、下に示すとおり、実に 400% の投資対効果を得ることができます。

なぜあなたが考えるべきなのか

あなたが組織で果たしている役割が何であれ、高性能な CAD プログラムを使用することで会社の時間短縮とコスト削減に貢献できれば、当然の結果として、あなた自身の雇用をより安定させることにもつながるのではないでしょうか。CAD と ROI をどう考えるかは、一般的に、組織内での役割によって異なります。ほとんどの企業では、役割は次のように分類できるでしょう。

CAD ユーザーと CAD マネージャー:どちらのグループも、新しい CAD プログラム テクノロジーの導入によってコストを削減できる機会を探そうとしている。

CAD マネージャーとプロジェクト マネージャー:どちらのグループも、新しい CAD プログラムの導入に伴うコストをコントロールしようとしている。

上級管理職:削減額とコストの見積もりが妥当であり、高い ROI を実現できるかどうかをチェックする役割を果たしている。

あなたの職務の本質に基づいて考えると、高い ROI を生み出すソフトウェアの利用方法を見つける上であなたが果たす役割は、主に次のような具体的アクションとして要約することができます。

CAD ユーザーと CAD マネージャー:作業の遂行に要する時間を短縮するための CAD プログラムの利用方法を見つける。

CAD マネージャーとプロジェクト マネージャー:新しい CAD プログラムが自社環境に適合し、予算内で導入できることを確認する。

上級管理職:あらゆる角度から疑問を投げかけ、全員の数字を検証する。

削減額:時間 = コスト

たいていの設計環境では、CAD ベースのタスクにかかる時間は、CAD ユーザーがタスクを開始して最後にマークアップするまでに要した時間数として計測されます。この時間数に CAD ユーザーの賃金率を掛けると、プロジェクトの合計コストが算出されます。計算式は次のとおりです。

プロジェクト コスト = 時間(時間数)x 賃金率(ドル/時間)

この式だけで、次の 2 つの結論を導き出せます。

  • 時間はプロジェクト コストと正比例しているため、時間は実質的にコストとイコールである。
  • 賃金率が高くなればなるほど、プロジェクト コストも膨らむ。
  • 賃金率が変わらないなら、プロジェクト コスト削減の唯一の手段は、時間の短縮である。

ほとんどの CAD ユーザーは、作図者からエンジニアに至るまで、賃金率が高いため、時間を節約できれば企業にとっては事実上のコスト削減となります。そのため、ソフトウェア ツールを性能の高いものに置き換えることで時間を節約できれば、プロジェクト コストが削減され、投資に見合う価値を得られる可能性があり ます。

そう考えると、問いは必然的に次のようなものになります。「自社の CAD 環境で最も大きなコスト削減の可能性が潜んでいる領域はどこか」

コスト削減の特定と数値化

自社の CAD 環境でコスト削減の可能性がある領域を洗い出すには、すべてのユーザーと CAD マネージャーが次のように自問する必要があります。

最も無駄なプロセスは何か。 最も頻繁に繰り返しているタスクを見つければ、そこは、自動化や高性能な CAD プログラムの導入が効果をもたらす可能性が最も高い領域です。

ミスをする原因は何か。エラーの多くは人の手による入力や計算のミスが原因です。これらのエラーは、インテリジェントな設計ソフトウェアを使用して解消できる可能性があります。土木、機械、建築の日常的な計算に使用している CAD プログラムを高性能なものに置き換えれば、エラーの修復に要する時間の短縮が見込めます。

他のユーザーが最もよく直面している問題は何か。自分だけでなく同僚にも影響を与えている問題を回避できる CAD プログラムを見つければ、削減可能な額はいっそう大きくなります。

もっとうまくできることはないか。時間だけに目を向けるのではなく、どうすれば成果物の質を高めることができるか、高性能な CAD プログラムをどのように活用できるかを考えてみてください。たとえば、マーケティング用のイラストレーションやレンダリングの作成にかかる時間を短縮する、建築設計における現場での干渉を洗い出す、土木設計で土地計画を向上させて施工に対するサポートを強化する、といった具合にです。

CAD を用いた日常業務でメモを手元に置き、時間の短縮、問題の軽減、タスクにおける品質向上について思いつくアイデアをすべて書き留めてみてください。いかに多くの名案が浮かんでくるか、きっと自分でも驚くことでしょう。そして、日々繰り返しているちょっとしたタスクが最も時間を浪費している場合があることにも気付くでしょう。

仮想の事例

コストを削減できる領域を特定して ROI を計算するというプロセス全体をもっとわかりやすくするために、仮想の事例を見てみましょう。仮想とは言っても、実際の事例がベースになっています。

サンプル企業:XYZ Steel Detailing。さまざまなクライアントにカスタム設計サービスを提供しています。同社のワークフローに組み込まれている鋼構造詳細設計者は、毎週、詳細な製造図面を多数作成する必要があります。このプロジェクトの件数は通常、詳細設計者 1 人あたり年間 150 件です。詳細設計者の報酬総額を平均すると 25 ドル/時間になります。

同社は現在、AutoCAD LT を使用していますが、その理由は、AutoCAD のフル ライセンスにかかるコスト(年間 1045 ドル)に比べて低いコスト(年間 360 ドル)で済むためです。

削減に関する考察:鋼構造詳細設計者の 1 人は、フル機能の AutoCAD を使用した方が LT を使用するよりも生産性が向上すると考えています。いくつかのパブリック ドメイン AutoLISP プログラム(LT ではサポートされていない)を使用して手間のかかるタスクを自動化し、1 件あたりの所要時間を短縮できるためです。

このケースを評価するために、次の手順を実施しました。

ベンチマーク調査:詳細設計者は、AutoCAD 2016 の 30 日間無償体験版をダウンロードし、プロジェクトを代表するサンプルに対して AutoLISP プログラムのいくつかを実行することができました。その結果、次のようなことがわかりました。

  • LT を使用した場合、平均的なプロジェクトを完了するのに 12 時間かかる。

  • AutoCAD 2016 と AutoLISP プログラムを使用した場合、典型的なプロジェクトを 10 時間で完了できた。これは、プロジェクト 1 件あたり 2 時間の短縮になる。

削減額の計算:詳細設計者の人件費は 1 時間あたり 25 ドルであるため、プロジェクトあたり 50 ドル(2 時間 x 25 ドル/時間)の削減を実現できます。小さな数字に見えますが、詳細設計者が 1 年間にコストを 7,500 ドル(50 ドル/プロジェクト x 150 プロジェクト)削減できると考えると、軽視できない額ではないでしょうか。

最初の結論:7,500 ドル/年という削減額を見れば、詳細な計算をしなくても明らかに、年間 360 ドルで LT のライセンスを取得するよりも、年間 1045 ドルで AutoCAD のライセンスを取得する方がコストに見合っているようです。確認のために、計算もしてみましょう。

ROI の計算:

ROI 活用の効果

上記の ROI の計算に基づいてソフトウェア ライセンスを要求する方が、ただ「新しいソフトウェアが必要です」と伝えるよりも、どれほど説得力があるか考えてみてください。ROI に基づく意思決定の効果がおわかりいただけるでしょう。

ROI の視点

上記の XYZ Steel Detailing のケースのように、高い ROI を達成できる領域を特定できれば、貴社の意思決定者もソフトウェアへの投資から得られるメリットを明確に理解でき、行動に移すことができるでしょう。ただ、一般的には、高い ROI につながる削減の機会を引き出すソフトウェア機能の見極めが課題となります。ソフトウェアの導入を通じてそのアイデアに取り組み、可能性を十分に活かすことも必要です。

ROI の手法で効果を上げている企業には、共通点がいくつか見られます。これらの特徴は、次のような戦略にまとめることができます。

ユーザーが削減のアイデアを提案する。毎日 CAD プログラムを使っているユーザー以上に、プログラムに潜む非効率を見つけ、コスト削減につなげることができる人がいるでしょうか。

CAD/プロジェクト管理部門が優先順位を付ける。ユーザーの提案を、CAD 管理部門やプロジェクト管理部門が評価し、コスト削減効果が最も大きい提案から実行に移しています。

上級管理職がコスト削減額を追跡する。ユーザーの提案が評価されて導入された後、コスト削減と ROI の数字が上級管理職に定期的に報告されています。

企業がインセンティブを用意する。ROI に関する優れたアイデアが見つかり、実装されたときに、その功績を評価して会社から賞や寸志が贈られています。

ROI の視点は短期間で根付き始めます。最前線の CAD ユーザーから最上層の管理職に至るまで、性能の高い CAD を使用することでどれだけのコストを削減できるかを全員が理解するようになります。長期的には、(ROI とコスト削減額による数値化をもとに)継続的に改善する文化が確立され、社内のだれもがさらなるコスト削減のために CAD をより良く活用する方法を探し始めます。

コストと ROI の細かい調整

鋼構造詳細設計者の例では、プロジェクトの時間短縮を達成するための AutoCAD と AutoLISP ユーティリティの使い方の習得が、すべての詳細設計者に必要になる点は考慮していませんでした。そこで、新しいソフトウェアの導入に伴うコストの総額を検討してみる価値があります。検討するべき点は、次のとおりです。

ソフトウェア コストの差額。新しいソフトウェアのコストは年間でいくら増えるのか。

導入にかかる時間。CAD 管理部門や IT スタッフは、新しいソフトウェアを導入するために、どれくらいの時間を割く必要があるのか。

トレーニング時間。ユーザーが新しいソフトウェアの使い方を習得するのに、どれくらいの時間がかかるのか。

ソフトウェア コストの差額は年間費用である(毎年発生する)一方で、導入とトレーニングに時間がかかるのは一般的にソフトウェアを使い始めた最初の年だけです。つまり、新しいソフトウェアを導入した初年度は 2 年目以降よりもコストがかかるため、ROI の分析は複数年をまたいで行う必要があります。

詳細な分析

これらを踏まえると、ソフトウェアの ROI の定義は次のように発展させることができます。

コスト 1 年目 = ソフトウェア コスト + トレーニング + 導入

コスト N 年目 = ソフトウェア コスト

複数年を対象として ROI の値を検討すると、次のような結論が容易に導き出されます。

  • ソフトウェアへの投資に対する 1 年目の ROI は、2 年目以降よりも低くなる。これは、1 年目にかかるコストが大きいためである。
  • ソフトウェアへの投資に対する 1 年目の ROI が高ければ、2 年目以降はコストが小さくなるため ROI は必ずさらに高くなる。
  • ソフトウェアの使用年数が長くなるほど、ROI はますます高くなる。

まとめ

どのソフトウェア ツールが自社のユーザーに最適であるかの判断は、推測に頼るべきでもなければ、うまくいくことを期待して最新製品を購入すれば済むわけでもありません。実績のある ROI アプローチを用いて時間短縮とコスト削減を分析することで、自社に役立つという確信を持って的確な判断を下すことができます。

もちろん、ROI を綿密に分析するという課題をクリアする必要はありますが、自社にとって正しい選択であるという確証が得られるのであれば、その労力に十分見合うのではないでしょうか。

AutoCAD 製品のお問合せ先

TEL:0120‐905‐641
営業時間:平日 10:00 ~ 17:30

サポートのお問合せ方法はこちら

AutoCAD 2018 体験版を試す

オンラインで下記より購入

Autodesk Japan 公式ストア

CAD 百貨CGiN

販売店から購入

AutoCAD/AutoCAD LT 最新情報メール配信に登録しませんか?

メール配信に登録すると、お得なキャンペーンや最新情報を受け取ることが出来ます。

今すぐ登録する
AutoCAD/AutoCAD LT 最新情報 メール配信申し込み
AutoCAD/AutoCAD LT 最新情報をメールでお届けいたします。

オートデスク株式会社 〒104-6024  東京都中央区晴海 1-8-10 晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワーX 24F

Autodesk、オートデスクのロゴ、AutoCAD および TrustedDWG は、米国およびその他の国々における Autodesk, Inc. およびその子会社または関連会社の登録商標または商標です。その他のすべてのブランド名、製品名、または商標は、それぞれの所有者に帰属します。オートデスクは、通知を行うことなくいつでも該当製品およびサービスの提供、機能および価格を変更する権利を留保し、本書中の誤植または図表の誤りについて責任を負いません。