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卓球ロボット「フォルフェウス」の開発で目指す人と機械の融和した未来

FUTURE OF WORK

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Image courtesy of lorem ipsum

人と機械の新しい関係を体現するユニークなデモンストレーション

自動化が大幅に進められた未来の工場では、人の働き方も大きく変わることになるでしょう。そこは従業員にとって、退屈な職場になってしまうのでしょうか? ヘルスケア商品で知られ、制御機器、FA (ファクトリーオートメーション) システムなど産業用オートメーション機器を強みとしてグローバルにビジネスを展開するオムロンは、それとは異なる未来の姿を思い描いています。同社の展示会などで注目を集めるユニークな卓球ロボットは、人と機械の新しい関係を体現するデモンストレーションとして進化を遂げています。

提供: オムロン株式会社

ユニークな卓球ロボットの誕生

卓球ロボット「フォルフェウス」は、2013 年に中国で行われたプライベート展示会で初展示されました。このロボットの現開発リーダー、同社技術・知財本部の中山雅宗氏は開発のきっかけを「オムロンのコア技術“センシング&コントロール+ Think”を使い、中国で人気のある卓球をプレイするロボットにより、われわれが目指す人と機械の未来の姿を表現できる」と考えたことだったと述べています。

当初はボールを見る技術、それがどこに飛ぶかの予測、飛んできたボールに対してラケットをどうスイングさせるかなど、卓球のための要素技術の開発が重視されましたが、精力的な開発により対戦相手の位置やボールの動きの計測、ボールの軌道の予測、返球方向と到達点の予測なども高いレベルで実現。それらをロボット側からプレイヤーに示すことでラリーが継続しやすくなり、2016 年には「最初の卓球コーチロボット」としてギネス世界記録®認定を受けています。

オムロン株式会社 技術・知財本部 研究開発センタの中山雅宗氏

AI の導入と機構面の改良

その後の進化のターニングポイントのひとつに、中山氏は AI の導入を挙げます。「当初は卓球をしっかり行うことに注力していたのですが、第 3 世代からは卓球のボールだけでなく人の動きを見て、その人のレベルに合わせて動作させることで人の成長や可能性を広げる、“人と機械の融和”を訴求する技術に取り組み始めました。そして、プレイヤーの能力の推定などに初めて AI を導入しました」。

CES 2019 で発表された第 5 世代では、人間の肘に相当する機構を導入することで、ロボットの返球成功率が飛躍的に向上。その高い完成度により、展示会でも体験者が途切れないほどの人気を博すようになるが、新たな課題も見えてきた。「パラレルリンクの先に付けた、ラケットを支えるカーボンシャフトが一日中ラリーを行っていると磨耗してきて最終的には破損につながる、またその長さでは卓球台の中に届かないエリアもある、などの問題がありました」。

ジェネレーティブ デザインを活用して内部をラティス構造に

相反する要求への挑戦

問題の解決のため、シャフト部分を 10 cm 伸ばす一方で高い強度を保ち、かつ重量も維持した新しいアームを開発するプロジェクトを開始。その一員としてブレイクスルーできるソリューションを提案した株式会社KYOSOテクノロジの片岡氏は、「最新の第 6 世代のアーム部分も当社が設計しており、その際にもパラレルリンクの先端重量にはかなりメスを入れていました」と述べる。「通常のアイデアによる軽量化はやり尽くしていたので、さらに長さを伸ばしたり形状を変えたりしながらも重量を維持するのは、一般的な手法では難しいと思っていました」。

新しいアームの開発では MAKErs SENSE の中谷光男氏、応用技術株式会社、有限会社日双工業、EOS Japan とのスキームで方向性が詰められることになりました。

左から、3D プリントされた初期デザイン、金属 3D プリントによるアルミ、チタンでの出力

ジェネレーティブ デザインで壁を超える

モデリングとジェネレーティブ デザインに Autodesk Fusion 360、シミュレーションに Inventor Nastran を、3D プリントのための前処理やアディティブ マニュファクチャリングには Netfabb を使用。「ジェネレーティブ デザインの結果には、改めて驚かされました」と、片岡氏。

「軽量化にしても、いままでの設計手法では超えられない部分があるし、安全率を考えると、メカのエンジニアとして、私自身にも超えるのが難しい壁があります。それをジェネレーティブ デザインは、いとも簡単に超えていくことに驚かされました。国内ではアディティブ マニュファクチャリングの普及がまだ進んでいない状況ですが、専門性に長けた企業と我々が、水平統合型で取り組んだ我々の挑戦は、チタンでラティス構造を用いるなど市場の先を行くものになると思います」。

新たなテクノロジーで目指す未来のロボット

「学部で機械工学や材料加工学を学んだので、ジェネレーティブ デザインの有機的な構造で、より強度が保てる、面白いデザインが作れるということは把握していましたが、まだ夢の中の話だと思っていました」と、中山氏は続けます。「それが入社 4 年目で、目の前にリアルなものがあり、実際に自分の携わっている仕事にアドインできて、実際に卓球ロボットで返球もできるようになった。そこに技術の進化を感じますし、このリアリティは本当に面白いと思います」。

ジェネレーティブ デザインが活用された新たなアームは、EOS 社のサポートのもと、金属アディティブ マニュファクチャリング装置 EOS M400-4 によりチタン合金で造形。既にロボットへ装着してのテストが開始されており、今後ロボット側のパラメーターの微調整を経て、展示会などでの使用が検討されるということです。

“今後、アディティブ マニュファクチャリングやジェネレーティブ デザインが当たり前の世の中になると、ロボットが鉄の塊である現在の姿から、もっと人間らしい、有機的で生命感を持った存在に変わるのではないかと感じています。”

中山雅宗氏 [オムロン株式会社 技術・知財本部 研究開発センタ 画像センシング研究室]

フォルフェウスに装着されたチタン製のアーム

人と機械の融和に向けたソリューションの開発

また、AI に関する研究も着々と進められています。2019 年 12 月にはスクウェア・エニックスと、人のモチベーションを高める共同研究の開始を発表。将来的には、作業者の習熟度や感情に合わせた機械からの適切な支援など様々な分野への応用も期待されています。「人と機械の融和」に向けたソリューションの開発は、さらに加速していくでしょう。

「今後、アディティブ マニュファクチャリングやジェネレーティブ デザインが当たり前の世の中になると、ロボットが鉄の塊である現在の姿から、もっと人間らしい、有機的で生命感を持った存在に変わるのではないかと感じています」と、中山氏。「ロボットに対する警戒心を解くという意味でも、見た目は重要だなと感じます。こういうデザインは、心理的にも安心できると思います」。

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