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設計者とスプレッドシートの愛憎関係

Brian Sather

設計の効率化|製品設計

設計者にとって、避けて通るわけにはいかないもの。それはスプレッドシートです。部品表(BOM)からエンジニアリング上の式や計算、製品コストまで、スプレッドシートは日々の仕事の一部です。スプレッドシートにはいくつかのメリットがありますが、デメリットも多く、使いやすい反面、範囲が制限されています。長期にわたって最新の状態に維持するだけでも、かなりの規律が求められます。それでも、スプレッドシートに愛憎入り混じった感情を抱く人もいるでしょう。この記事では、スプレッドシートのメリットとデメリットを掘り下げ、いくつかの代替案もご紹介します。

普及の理由

エンジニアリングの世界においてスプレッドシートが支持される理由の少なくとも一部は、必要に応じて構成できることにあります。構造化されていないので、独自の構造を定義できるのです。

設計時には、ただアイデアを記録しておける方法があればよいときもあります。そして誰もがアイデアをうまく構造化したいと思っていても、ひな型を作り、それに合わせてデータを成形し直し、形式化するまで、それは実現しないでしょう。その一方で、スプレッドシートは最初の式、計算、コスト設定、その他の考慮事項を記録するのにうってつけの方法です。

また、関数を使用してカスタマイズできる、非常に複雑な式を作成する機能もあります。多くのエンジニアリング組織では、パフォーマンス、テスト、プロトタイプと関連付けられた独自の貴重な方程式を開発しています。

スプレッドシートのデメリット

構造化されていないという特徴は、スプレッドシートの魅力ではありますが、人為的なミスも引き起こします。自動化された組み込みのエラーなどはチェックを含めることができないため、1 つの小さなタイプミスが方程式を介して膨れ上がり、最終的に現場にまで影響を及ぼす場合があります。

スプレッドシートはファイルとして存在し、クラウド上で管理されているわけではないので、デスクトップ上で簡単に紛失する可能性があります。そのため、ラベル付けには何らかの命名ルールおよびバージョン管理システムを使用する必要があります。もちろん、組織にはこうしたファイルが大量にあるでしょうから、それをきちんと整理するのはフラストレーションのたまる作業となります。

このような種類のファイルは、更新の面で効率的ではありません。そのため CAD アセンブリを変更しても、BOM の管理に使用されているスプレッドシートは自動的に更新されません(逆の場合も同様です)。製品ライフサイクルの管理に必要なさまざまなスプレッドシート全体をすべて同期させておくためには、かなりの規律が求められます。

また、スプレッドシートを介した共有やコラボレーションにもデメリットがあるでしょう。もちろん、これらのファイルを電子メールでやり取りし、変更したりコメントを挿入するように依頼することもできます。しかし、ファイルを送信した個々の相手から、それぞれの変更やコメントが加えられた、最初のスプレッドシートとは違うバージョンのファイルが送られてくるので、それらを 1 つのファイルにまとめ、追跡しなくてはなりません。

さらに、プロジェクトに携わるメンバーの誰もが、それぞれ独自のバージョンのスプレッドシートを維持しがちです。たとえば、他の設計者たちは、それぞれ独自の方法で BOM を構築し、各自のスプレッドシートで管理しているかもしれません。これらの違いが、後工程でのエラーにつながります。

なお、スプレッドシートは複雑な方程式を解くことはできますが、その導き方を証明することはできません。スプレッドシートに表示される方程式は、設計者によって書かれたもののようには見えないからです。

他の魅力的な選択肢

幸いにも、スプレッドシートのメリットを提供しつつ、デメリットは排除するソフトウェアが利用できるようになりました。

  • 驚かれるかもしれませんが、選択肢の 1 つはクラウドベースのスプレッドシートです。一部のスプレッドシート アプリケーションは、ブラウザで実行できるようになりました。デスクトップベースのスプレッドシート ツールに搭載されたすべての機能は含まれませんが、いくつかの点でかなりのメリットがあります。まず、加えられた変更をすべて追跡します。ファイルのチェックイン、チェックアウトを心配する必要もありません。スプレッドシートを誰かと共有するのも、リンクを送るだけなので簡単です。アプリケーションがコメントを追跡し、さらには修正も同時に追跡されます。そのため、複数のユーザーがリモートでスプレッドシートにアクセスしても、常に最新の変更が反映された状態が保たれます。そして、すべてのユーザーが同じ、最新のドキュメントを使用します。
  • エンジニアリング計算ソフトウェアも、デスクトップベースのスプレッドシートソフトウェアに代わる選択肢の 1 つです。これもファイルベースのソリューションですが、エンジニアリング計算ソフトウェアを使用すれば、方程式が実際の式のように見えます。ソフトウェアには、数学表記、指数表記、工学表記が含まれています。
  • PLM または ERP システムは、スプレッドシートに代わる優れた選択肢です。これまでスプレッドシートに保持されてきた情報の一部は、実際には PLM (製品ライフサイクル管理)や ERP (エンタープライズ リソース プランニング)といったエンタープライズシステムに格納できる(あるいは格納すべき)ものです。結局のところ、これらは記録のためのシステムです。では、そのようなシステムで正式化する前に、作業中の案件を進めたい場合はどうでしょう? 幸いなことに、一部のエンタープライズシステムでは、正式化前の作業を行えるサンドボックスワークスペースが提供されるようになりました。そこでは、エンタープライズシステム内の最終バージョンに正式化されるまで、もとはスプレッドシートに格納されていた情報に手を加えたり、処理することができます。

スプレッドシートはこれからも引き続き、BOM の追跡、エンジニアリングの計算や式の格納を含む、仕事の多くの部分を管理するのに必要です。しかし、新しい選択肢もスプレッドシートの優れた代役を務めてくれます。そして、スプレッドシートとの愛憎関係に終止符が打たれることになるかもしれません。

スプレッドシートは好きですか、嫌いですか、それともそのどちらでもない? 会社ではスプレッドシートがどのように使用されていますか? 紹介したオプションの中で使用されているものはありますか? 別のオプションがありますか? スプレッドシート以外の、便利な整理方法や追跡方法は役立つと思いますか?