建築家のキャリアパス: 別の道から成功へ到達するには

by Taz Khatri
- 2016年3月17日
Section CutとBoston Architectural Collegeによる"Let's Spoon!”ワークショップの成果。学生はCNCルーターと3Dスキャナーを使い、建築学校で身に付けたスキルのリストに製作者を追加する。 [提供: Section Cut]

E.B.ミン氏は初めての建築の仕事で不快な経験をしたため、博士になることにした。「建築学の修士号を得た直後に就いた仕事は全く私に合わないものだったので、学位を取ろうと応募しました」とミン氏。「でも幸運にもその仕事をレイオフされました。あれは過去最高の出来事でしたね」。

建築からの脱出は、それほど長くは続かなかった。予科プログラムの入学許可を待っている間に、ミン氏は仕事を得る。景観設計・建設会社に雇用され、最終的にはその仕事を好むようになった。それが建築家としてのキャリアパスへと戻らせ、サンフランシスコにある自身の Min | Day 建築事務所で成功を収めることができた。

ミン氏の当初のキャリアは、それほど風変わりなものではない。AIA San Francisco の Equity by Design (EQxD) 委員会が建築業界で働く女性の問題に焦点を当て調査を行った「Equity by Design: Knowledge, Discussion, Action!」レポートによると、職業に就いた人の 1/3 が 4 年未満で退職している。

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Min | Day のデザインによる The Chartboost Parklet [提供: Cesar Rubio]

建築の世界に入ると、バスルームの立面図の下図を作るなど、表面上つまらない仕事に従事させられ、クリエイティブ面では不満を抱くことが多い。こうしたキャリアの第一段階は何年も続き、それは必要な下働きだとされる。

コンサルティング建築家であり、デザイン職向けプロオンライン・リサーチ・リソース、著名な学術研究機関とのワークショップの場所である Section Cut の共同設立者ロバート・ユアン氏によると、建築業界全体に進歩が不足している。「この職は、ミレニアム世代が十分に参加できる容量までには素早く進化していません。その結果、若いデザイナーたちは成長の限られたポジションへと移っています」。

だがこの難しい期間に欲求不満を抱えて職を去るのでなく、パラレルな代替パスを追求することで、クリエイティブ面の満足を得ることが可能だ。代替の道が伝統的な建築の実地には沿っていないように見えても、両者を接続することは可能であり、並列な代替パスへの興味が、建築家としてのキャリアの成功においては貴重な財産になる。

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ボストンで行われた Section Cut Live イベント [提供: Section Cut]

ミン氏は景観デザイン事務所で仕事を始めるとすぐに、クリエイティブな意味で熱中でき、刺激を受けていると感じた。「素晴らしい勉強になりました。材料と製造について、そしてクライアントをデザインのアイデアへ同意させる方法を学びました。そこで働くことで、興味深いデザインの作業を行うことが、当たり前のことになりうることを教わったのです」。

このポジティブな体験が、ミン氏をデザインの分野に留まらせた。やがて、この景観設計事務所の幹部の一人がプロジェクトを彼女のものだと呼び、それが 13 年前に彼女自身が事務所をスタートさせることに繋がった。

ミン氏は、彼女が景観設計の仕事に就いた際、友人の何人かはその決断に疑問を呈したと言う。その仕事が、建築家としてのキャリアを重ねることになる可能性を感じられなかったのだ。だがミン氏は自らの選択を信じた。「従来のプロセスに従わないことで、通常では想像し得ないような機会が提供されることも多いのです」。

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E.B.ミン氏、ジェフリーL.デイ氏と石のテーブル [提供: John Lee]

ミン氏は自らの経験を家具のデザインにも拡張することで、再び代替パスを採った。この最近の「脱線」により、景観設計事務所での体験同様、彼女の建築作品が力強いものとなった。「家具デザインは、建築プロジェクトとプロセスの一部です」と、ミン氏。「家具を理解することが、建築の機能を洗練するのに役立ちます」。

ミン氏同様、ユアン氏のキャリアも型破りなパスの好例だ。彼は卒業後、3人の友人と Section Cut をスタート。このウェブサイトは建築とデザインに関連するリソースを共有する方法として始まり、当初は学生をターゲットにしていた。その後アカデミアと実務の両方で利用される、より大規模な運営へと進化する。

Section Cut を発展させながら、ユアン氏は自身の建築家としてのキャリアも磨いた。ミシガン大学を卒業後、そのまま大学に残って 1 年間、建築におけるロボット工学を学んだ。その後、シカゴへ移ってスキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリルに勤務。そしてサンフランシスコへ移住すると、Blu Homes というプレハブ会社でデザインの仕事を見つけた。現在は設計・建設会社の顧問を行いながら、1/4 程度は Section Cut の仕事をしている。

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Min | Day のデザインによるオカボジ湖の家 [提供: Paul Crosby]

ユアン氏は先日、“your friend in the cloud”とうたう、Big Fluffy という新たなベンチャーも始めた。これは 1 万ドルのスーパーコンピューターのパワーをクラウド上で活用して、コンパクトなラップトップ上でリモートに作業できる環境を提供することで、建築家とエンジニアにとってのプロフェッショナルな意味でのワークステーションを再定義する手助けをする。

ユアンは若い建築家たちへ、建築家としての仕事に加えて何か他のことの追求にも興味を持っているなら雇用主と話すよう忠告しており、またそれがメインの仕事を阻害する心配は無用だと保証する。「追加のことを行うのに怖れを抱く人は多いのですが、従来の習慣に沿ったものでなければ問題ありません」。

結局のところ、多少の回り道が、建築家としてのキャリアをより充実したものとすることも多い。実際、ジグザグのキャリアパスが、建築家を成功へと導くには最速のルートであることもある。

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