アイデアを製品に: デザイン販売で成功を収める 5 人の建築家

by Archipreneur
- 2017年3月23日
デザイン販売 建築家 製品コラージュ

プロダクト関連のビジネスを考えるには、良い時代だ。相互接続性やスマートかつセンサー駆動のデザイン、ホーム オートメーション、クリーンエネルギー、共有知識、効率の優れたソフトウェアなどの出現によって、数多くの機会が生まれている。そこには、デザインにより様々なビジネスモデルへの関与を行えるスキルを持った、建築家も含まれている。

建築デザインのサービスの、自動化や製品化。このアイデアは議論を呼ぶものであり、建築の定義そのものにも影響する。だが、建築家という専門職のビジネス的な側面を見れば、現在名声を得ている建築家の成功が、自身のサービスを製品化するというアイデアに基づくことは明白になりつつある。

デザイン販売 建築家 Bullenberg デスク
[提供: Bullenberg]

そうした建築家たちは、新規クライアントと共に毎回新たな作品を生み出し、同じプロセスを繰り返すことに膨大な時間を費やすのでなく、自身のビジネスを製品作りへ適応させている。顧客主導のビジネス戦略と競争力維持の必要性により、AEC (建築、エンジニアリング、建設) 業界のプロたちは、より迅速かつ効率的になって、顧客に最も簡単かつ明確な方法で作品を提供することを強いられる。この後者は、特に建築家に関連するものだ。建築家という職業は、サービスを顧客が認識できる有形の価値へと転換できない事実に長い間悩まされてきた。建築関連のサービスは、長きに渡って価値ではなくコストだと考えられてきた。

20 世紀末の大幅な技術的進歩により、建築家が取り組むことのできる「問題」の範囲は広がった。こうして得られた自由により、建築家は仕事上の関心分野を広げるだけでなく、新しく、より効率的なビジネス モデルを選択できるようになっている。製品開発に参入する建築家にとって、プラン セットのデザインと販売、アプリの作成、BIM コンポーネント ライブラリの生成、ソフトウェアやプロジェクト管理ツールのデザイン、製造工程の最適化、セルフパブリッシング、オンライン コースの作成などは、最も一般的な手法となっている。

アルブレヒト・フォン・アルフェンスレーベン (Bullenberg 設立者)
アルブレヒト・フォン・アルフェンスレーベン氏は、建築家であり、ベルリンを拠点とする家具ブランド Bullenberg の設立者だ。Bullenberg は、アルフェンスレーベン家がベルリンに近いザクセン州内に所有する土地で伐採された木材を使用し、ハンドメイドの木製テーブルを製造している。ビジネス創出のアイデアは、小さなことから始まった。友人がオーク無垢材の天板を探していたのだ。

デザイン販売 建築家 Bullenberg デスク
[提供: Bullenberg]

熟練した建築家であるアルブレヒトは、ウェブサイトのデザイン、完成した製品の写真撮影など、さまざまな作業を自身で行うことができる。Bullenberg は現在、直販から小売店経由による販売への移行と、ブランドの製品拡大を計画中だ。Bullenberg に関する詳細は、オンライン マガジン Archipreneur のインタビューにて。

セス・グリズル氏とジョナサン・ジャンカー氏 (Graypants 設立者)
建築家のセス・グリズル氏とジョナサン・ジャンカー氏は、完全再生段ボール製のペンダント ライト (吊り下げ型の照明器具) 製作に特化した会社、Graypants を立ち上げた。主力商品の Scraplights は、資源の再利用と環境への責任を意識したデザインに対する、チームの関心を具現化したものだ。2012 年、彼らはアムステルダムにヨーロッパ オフィスを設立し、ここから 40 カ国以上への販売を開始。またシアトル スタジオは、北米向けの現地生産を行うほか、プロトタイプ ショップとしても機能している。

デザイン販売 建築家 scraplights
[提供: Scraplights–White Series]

そのポートフォリオには、公共展示向け芸術作品、建築的インスタレーション、世界各地で販売されている照明、家具、パッケージ デザインの製品ラインが含まれる。初の建築プロジェクト Garage は、誰もが熱望する AIA シアトル支部名誉賞 (Award of Honor) を 2013 年に受賞している。

マイケル・コーン氏 (Stickyworld 設立者)
イギリスを拠点に活動する建築家マイケル・コーン氏は、建設のプロセスで全ての関係者が、より緊密かつインタラクティブに連携する必要性を感じていた。建築家としての活動を辞して、Stickyworld を開発した。Stickyworld はウェブ/モバイルベースのツールで、ユーザーはプロジェクトやマルチメディアを共有でき、画像に直接コメントやメモを残すことも可能。このソフトウェアにより、設計や建設のプロセスで、より多くの意見に耳を傾けることができるようになった。

デザイン販売 建築家 Stickyworld

このビジネスを立ち上げるに際し、コーン氏は顧客から意見を集めて、解決が必要な問題を正確に捉えた。オーガナイザーには「ルーム」と呼ばれる、インタラクティブ コンテンツのウェブサイトの準備や公開を行えるツールが提供される。このツールは、アイデア フォーラムや専門家による助言、デザイン評価など、さまざまなフォーマットで使用できる。オーガナイザーは、参加受付の時間枠を設定したり、招待を自動送信したり、設定時間に参加受付を終了したりすることが可能。画像や地図、360 度パノラマ、ビデオ、PDF、PowerPoint プレゼンテーションなど、インタラクティブなコンテンツを使用できる。

エドウィン・ヒースコート氏 (Izé 設立者)
建築家エドウィン・ヒースコート氏は 2001 年に、デザイナーや建築事務所と連携する、様々な豊富なドアの取手や建具のメーカー、Izé を設立した。ヒースコート氏は、建築、デザイン分野の評論家としてファイナンシャル・タイムズ紙に寄稿しており、建築とデザインに関する数冊の著書もある。

デザイン販売 建築家 Ize

Izé は、リナ・ボ・バルディ財団から使用許諾を取得し、ツノのような形をした著名なドアの取手のデザインを商品化する権利を得た。デザインの発表から 62 年が経過してのことだ。ヒースコート氏は Dezeen 誌に「ドアの取手は、私が製造できるものの中で、建物に最も大きな影響を与える部品だということが分かりました」と語っている。

イゴール・シッディーキー氏 (ISSSStudio 設立者)
イゴール・シッディーキー氏も建築家からプロダクト デザイナーへと転身したひとりで、建築家として経験を積んだのち、2006 年に自身のオフィス ISSSStudio を立ち上げた。この事務所はデジタルの技法と製造技術を使用し、製品プロトタイプから単一家庭向けの住宅まで、ありとあらゆるものをデザイン、製作している。このチームが追求するのは、材料特性、柔軟性、可動性、性能主導型のデザインだ。

デザイン販売 建築家 ISSSStudio
[提供: ISSSStudio]

このチーム氏が手掛けた Tessellated Floorscape (モザイク模様の床) は、マスカスタマイゼーションされたラグマットのプロトタイプで、元は Aronson’s Floor Covering のために製作されたものだ。デジタル アニメーションがベースになっており、この作品が新たに発注されたり販売されたりするたびに、異なるキーフレームが抽出されるようになっている。材料は、各モザイク タイルの輪郭形状ができるだけ複雑になるよう、また製造による無駄がなるべく生じないように裁断されている。

Protoplastic は、生分解性プラスチックとアクリル製の型枠から作られている。Ceramic Tesssseltile タイルは従来型の大量生産手法で製造されているが、その形状は、広い面積で複数が使用された場合に最大限の変化を生み出すよう考案されている。

これら 5 つの例は、製品創出にその取り組みを捧げているデザイン チームや建築家を紹介したものだ。主流の建築サービスの提供を継続したいと考える人々も、既存のサービスに製品を加えることでスタートできる。アイデアを製品に変えるのは、楽しく、クリエイティブなことであり、また優れた拡張性のあるビジネス モデルにも成り得る。

製品の開発や副収入源の創出について詳しく学ぶには、こちらの オンライン コース (英文) で。

本記事はリディヤ・グロツダニックによるものです。元記事は Archipreneur.com に掲載されています。

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