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建築デザインのトレンド: 建築家が数値をアートとして表現する方法を発見
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建築デザインのトレンド: 建築家が数値をアートとして表現する方法を発見

by Jean Thilmany
建築 - 2015年7月28日
Centennial Chromagraph [提供: Variable Projects]

ミネソタ州セントポール中心街に5月に開場したばかりの新しい CHS Field で行われた、セントポール・セインツの試合を見た初めてのファンのひとりがアルヴィン・レアリー君 (9歳) だった。

レアリー君 (とその両親)は長年のセインツ・ファンだが、彼を驚かせたのは新球場のサイズと眺望だけではない。球場の入場口に置かれた芸術作品、Meander に大きな感銘を受けたのだ。この作品には最新の建築デザインのトレンドである「データ スペーシャライゼーション」が使用されて、セントポールを流れるミシシッピ川の 200 年以上にわたる歴史が描写されている。

データ スペーシャライゼーションにより、エンジニアや建築家、化学者やその他のプロフェッショナルが、ソフトウェアにより 3 次元でシミュレート、視覚化できるようになった大規模なデータセットを物理世界で実現する。3名のコラボレーター (ダニエル・ディーン、ジョン・キム、モリー・ライヒャート) とデザイン&ビルド会社 Futures North でプロジェクトを立ち上げた建築家兼アーティストのアダム・マーカス氏は、これはデータを芸術的に表現する、新たに新たに起こりつつある手法であると語る。

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ミネソタ州セントポールの CHS Field に設置された Meander [提供: Futures North]

「グラフィック デザインとテクノロジーの世界では、膨大な量の作業がデータ視覚化により実行されています」とマーカス氏は話す。「データ中心の枠組みは、今や至るところに存在します。アートという枠内にはデータ駆動型のアートという動きが拡大しつつあり、これが建築分野にどう広がっていくのかを探ることに興味を持っています」。

自身のスタジオである Variable Projects を運営し、またサンフランシスコのカリフォルニア美術大学で建築学の准教授を務めるマーカス氏は、その方法のひとつがデータ スペーシャライゼーションであると話す。

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[提供: Courtesy Futures North]

Meander はサイズと湾曲度の異なる15本のコンクリート柱から構成されており、それぞれの上部にLEDライトが点灯するガラス製のランタンが取り付けられている。湾曲は、1840 年代から現代までのミシシッピ川の河岸線を示している。

Futures North グループは 19 世紀の探検家の古地図、米国陸軍工兵隊による地図を現在の Google マップと比較して河岸線の変化を確認し、この変化を模した曲線を作成した。それぞれの柱の高さは、ミシシッピ川にかかる 15 の水門とダムの位置に対応している。高さだけでなく位置もそれぞれ異なり、これはニューオリンズにある河口に向かっての動きを表現している。

「最後の次元は照明で、過去10年間の水温、(窒素量に基づく) 水質、風速と3種類の異なる情報を示しています」とマーカスは話す。

Futures North は、ミネソタ大学のセント アンソニー フォールズ ラボラトリーにより提供された情報を使用している。環境学、進化学、行動学の准教授を務めるジャックス・フィンレー氏は、データ スペーシャライゼーションによりアートに「変換」することのできる、川に関するデータを分離する支援をアーティストに対して行った。マーカス氏によれば、データセットには視覚的興味を提供するのに十分な変動が含まれていなければならなかった。

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左から: 1.セクションごとの川の構造、2.時間経過に伴う川の構造の変化図 (1840 年、1963 年、2014 年の河岸線を含む)、3.湾曲により生まれる表面構造、4.水門位置ごとに柱を作成、5.Meander の光るランタンは川の深さを示す [提供: Futures North]

またチームは、球場を建設したデザイン/ビルド・ゼネコン Ryan Companies と連動して、Autodesk Revit 内でビルディング インフォメーション モデルにアートワークを統合させた。建造物の構造とランドスケープ・デザインにアートワークをコーディネートするには、この作業が不可欠だった。

「この自然地形をモチーフとして利用し、空間的にダイナミックでありながら、球場を訪れたり球場のそばを歩いたりする人々の心に訴える、地域環境への関心を育むアートワークを作成できないかと考えました」とマーカス氏は補足する。

作品のそばに設置された説明文を読まず、この作品が川に関する情報を表現したものであることを知らない人たちも、もっぱらその美しさからこの作品に称賛を送っている。

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[提供: Futures North]

「それがデータ スペーシャライゼーションの重要な部分です」とマーカス。「データ スペーシャライゼーションは、あらゆる面で現代の生活に広がるようになった量的データに根差しています。しかしこの作品は、必ずしも定量化が可能ではない抽象的で質的な体験を生み出すことを目指してもいます。これら2要素の緊張関係は非常に興味深いと思います」。

建築家としての「もうひとつの人生」も、数値、計算、オブジェの「押しと引き」に対する彼の興味に重要な役割を果たしている。

「データ スペーシャライゼーションは、オブジェやビルがどのようにして新しい方法で大衆とコミュニケートできるのかについて、それを検討する手段を建築家に提供します」と彼は話す。「人々とつながり関わりをもつための新たな手法を見つけることは建築家にとって重要であり、常時私たちを取り囲んでいる情報を視覚化することは、それを実現するひとつの方法なのです」。

マーカス氏が初めてデータ スペーシャライゼーションを使用したのはミネソタ大学で、彼が教える建築スタジオ クラスで学ぶ大学院生たちと、2013 年の建築学部 100 周年を記念する制作について模索を始めたときだった。

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Centennial Chromagraph [提供: Variable Projects]

結果として生まれ、名誉ある 2015 AIA Small Project Award を受賞した Centennial Chromagraph は、合板製の 100 個の肋材が 8,080 本のカラフルに彩られた HB 鉛筆で連結されている。肋材による曲線は、学部長の在任期間や学部用の建物など、学部の主要な歴史と時代を表現。鉛筆の色は、過去1世紀における学部の学位プログラムの構成の変化を反映している。建築学士 (Bachelor of Architecture) の学位は 1930 年代に始まり、1990 年代後半に建築修士 (Master of Architecture) に取って代わられるまで続いた。この 60 年にわたる時代は多数の赤鉛筆で表現されている。

「遠くから見ると、学部が当初のプログラムから現在の構成へと徐々に変化しているのが分かります」とマーカスは話す。「たとえば、建築学士の学位はラルフ・ラプソン学部長の 30 年にわたる在任期間と並行しています。建築学士から建築修士への転換、および現行の専門的なポストプロフェッショナル学位の数々は、建築教育におけるより幅広い全国的なトレンドを反映するものです」。

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[提供: Variable Projects]

学生たちは、計算ソフトウェアやさまざまなソフトウェア ツールを使用し、卒業生データベースからおよそ 5,000 名を分析した。

「人々がどのようなデータに興味を持っているのか、大規模なデータから何が分かるのかを理解することができました」とマーカス氏は話す。

思惑は成功したようだ。「皆、自分の卒業年の隣に立って写真を撮っていましたよ」とマーカス氏。

彼と Futures North のコラボレーターたちは、今後データ スペーシャライゼーション プロジェクトに取り組む予定であり、マーカス氏はこのテクニックを建築プロジェクトにも使用していくつもりだ。データを視覚的に表現する機会は、それがアートであれ建築であれ、毎日私たちを取り囲んでいる。新たな光に確証を見たマーカス氏は、意気込んでこのチャレンジに取り組むつもりだ。

#BIM - #ビジュアライゼーション - #ビッグデータ - #建築 - #教育

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