BIM トレーニングへ全員参加! オフィス全体に役立つプログラムをデザインする 8 つのアドバイス

by Kate Morrical
- 2016年8月29日
BIM トレーニング 全員
Micke Tong

建築事務所や設計事務所が BIM トレーニングについて語る際、トレーニング対象にはベテランが想定されていることが多い。つまり Revit などの BIM プログラムを毎日使用し、スキルを磨いて技術開発の最先端に留まる必要がある人々だ。では、それ以外のオフィスに人たちは対象外なのだろうか。

エンジニアや建築家、プロジェクト マネージャーも、BIM のスキルを身に付けることで、デザイン チームの他のスタッフと効率よくコミュニケーションを行い、ピンチの際には締切を守つために手を貸せるようになる。だが、BIM スペシャリスト向けのトレーニングが、ライト ユーザーにも通用すると期待してはならない。ここではオフィス全員がスキルを習得できるような BIM トレーニングのプログラムをデザインするための、8つのヒントを紹介しよう。

1. 熟考: 明確なゴールを設定する
プログラムを成功させるには明確なゴールが必要だ。BIM に関して、何をデザイナーに求めるかを考えてみよう (この記事では、製図者やモデラーに対して、エンジニアや建築家、プロジェクト マネージャーを総じて「デザイナー」と表現する)。必要となるのは、専門の製図者が不要になるほどの総合的な知識なのだろうか。それとも、デザイナーだけでクライアントとミーティングを行えるような基礎知識を身に付けることだろうか。あるいは、デザイナーが自分でモデルを操作して基本的なモデリングとアノテーションを行える程度の、適度な習熟度なのだろうか。

Martin/Martin, Inc. でプロジェクト エンジニア兼 BIM マネージャーを務めるデジレ・マッケイ氏は、自身の勤務先の企業哲学を次のように説明している。「弊社の若手スタッフは、熟練した Revit ユーザーになることが求められています。主任クラスのスタッフの目標は、必要に応じて基本的なタスクを完了できるようになることです。また、Revit について自信を持って話すことができ、BIM が自社のワークフローにどう適合しているか理解していることも求められます」。目標を明確にすることで、それをもとにカリキュラムを構築できる。

 BIM トレーニング 議論

2. 重要な決断: トピックの選択は賢明に
行うことが山ほどあれば、その対処も非常に困難な課題となる。最も基本的な「Revit 入門」のクラスでさえ、その説明には丸 2 日が必要だ。そこまで時間が取れないこともあるし、契約や成果物、BIM 実行プランなど、特にプロジェクト マネージャー関連のトピックでは基礎知識以上をカバーしたい場合もあるだろう。大切なのは、トピックの中で重要なものと、ざっと説明するだけでいいもの (詳しい内容は補足セッションで説明すると伝えて、それへの参加を促す) を判断する必要があるということだ。

また言うまでもないが、経営サイドの信頼を得ることも重要だ。収入となる仕事を中断してトレーニングに参加し、プログラム開発への取り組みを支援するようチームを納得させるには、首脳陣からの指示が役立つ場合もある。

3. 準備: スケジュールを立てる
トレーニング セッションをいつ、どれくらいの期間で行うのかも決める必要がある。先日オフィスで「エンジニアのための BIM」トレーニングを実施した際は、週 1 回のグループミーティングと幾つかの宿題と読書課題を含む、8 週間にわたるプログラムとした。決定された内容が何であれ、全員のカレンダーに予定を入れ、参加を確認する必要がある。あなたがトレーニングへ真摯に取り組んでいることがデザイナー陣に伝われば、彼らが同調する可能性は高い。

BIM トレーニング 講義

4. バラエティが人生 (とミーティング) のスパイス: 手法にバリエーションを
常に講義形式ばかりのトレーニングでは、望むような効果は得られないだろう。学習を効果的なものにするには、参加者を関与させる必要がある。私のオフィスでは講義とディスカッション、ハンズオン セッションの組み合わせが最もうまく機能するようだ。概要や全体像の説明には講義、オフィス特有の課題や懸案事項はディスカッション、デザイナーに BIM プログラムの実地経験を提供するにはハンズオン セッションを、それぞれ活用している。

Gannett Fleming の BIM スペシャリストであるデイヴィッド・バッツは、参加者の年齢に応じて講義のスタイルを工夫する必要があるとも感じている。「若いユーザーは、ターゲットを絞った短時間のレッスンを好みます。単刀直入なスタイルですね。より経験を積んだデザイナーには、説明に視点を加えると有用なようです。それが何かというだけでなく、理由の説明を加えるのです」。

5. 全員の関与: クラスへの積極的な参加を促す
参加者にカリキュラム内容に関する意見を求めたり、グループ討論中に個別指名したり、全員に質問するよう促したりすることが、トレーニングの参加者へ当事者意識を与える。これがトレーニングの有効性を高め、参加理由の再認識にも役立つ。The Beck Group の BIM マネージャーであるアーロン・マラー氏は、「これは単なる Revit トレーニングではなく、以前働いていた会社では別の方法で行っていたことを、なぜこの会社ではこの方法で行うのか」を説明することを勧めている。また、社内基準のもとになっている論理を説明することは、コンプライアンスの推進にも非常に役立つとも言う。「ルールを理解するには、全ての理由を把握する必要があります」。

6. 習熟度: 予備知識を持った参加者に備える
トレーニング セッションには、予備知識レベルの異なる人々が集まる。ほぼエキスパート並の知識を独学で身に付けた参加者と、完全な初心者が同席することもあり得る。エキスパートが退屈せず、初心者が困惑しないよう、可能であればレベル別にグループを分けるといいだろう。

一斉にトレーニングせざるを得ない場合、内容を調整して対応することも可能だが、パワーユーザーに対しては、一部のトピックは復習になると伝えておく必要が出てくる。ただし、熟知しているテーマであっても、新たに学ぶべき点が毎回のようにあるものだ。あなたのオフィスでも、きっとそうだろう。パワーユーザーにはアシスタントとして、より経験の少ない他の参加者に手を貸してもらうという方法もある。

BIM トレーニング TIPS

7. 継続: 要求に応じたプログラムを作成する
BIM トレーニング プログラムの構築には相当の事前準備が必要だが、その努力の成果は、幸いにも短期間で得られる。カリキュラムを制定できたら、その繰り返しは簡単だ。PowerPoint プレゼンテーションやデータセットが準備できたら、技術的に可能であれば、オンデマンド視聴用にセッションを録画することもできる。大規模なオフィスでは、1 クラスが対処可能な人数に収まるよう、幾つかのグループに分けることになるだろう。また 1 グループだけでも、トレーニング セッションと仕事のミーティングがぶつかってしまう参加者が 1 人くらいはいるものだ。BIM ミーティングを継続的な取り組みにすることで、デザイナー全員が参加できる機会を最大限に増やすことができる。

8. 鋭敏さ: 継続教育を奨励する
職能団体や許可団体が継続的な教育を必要とするのには理由がある。常に触れていなければ、スキルが退化してしまうことがあると理解しているからだ。BIM にも同じことが言える。私は、それを外国語の知識に例えることが多い。しばらく話していないと、ボキャブラリーや流ちょうさが失われていくものだ。

BIM トレーニングが終わったら、ライトユーザーであっても社内ユーザーグループのミーティングへ継続的に参加するよう奨励しよう。基本的なトピックと上級者向けでトレーニング内容のバランスを取れば、それだけ参加者にも価値あるものになる。地域にユーザーグループがあれば、そのイベントへの参加も働き掛けよう。

デザイナーやプロジェクト マネージャーへ BIM トレーニングを提供することは簡単な仕事ではない、だが計画と努力を行うことで、BIM がもたらすものと、それがチームに与える利点について、オフィス全体の理解に一役買うことができる。

2016年9月8日に開催される Autodesk University Japan では、日本を含めた世界各国のさまざまな BIM 事例が紹介されます。

関連記事

Success!

ご登録ありがとうございました

「創造の未来」のストーリーを紹介中!

日本版ニュースレターの配信登録