YuMi なら安心! ABB のコラボレーション ロボットは気の合う仲間

by Drew Turney
- 2016年12月1日
コラボレーション ロボット YuMi
YuMi [提供: ABB]

TV や映画に登場するフレンドリーな「お助け」ロボットは、長年に渡る人気者だ。その一方で多くの人が、ロボットに関する「あること」に気付いていない。そう、ロボットは、実際には重機なのだ。

そして、工場にある他の機械同様、安全性が最大の検討事項となる。現在使用されているロボットとしては、組立ライン用が最も一般的だ、車からコンピューターまで、ありとあらゆるものを組み立てており、重厚かつ機敏な動作が可能だ。人間の労働者の安全を守るため、これまでロボットは安全柵によって人間と分離されてきた。

ロボットが単純で反復の多い大きな動作に優れているとはいえ、特定のタスクでは人間の組立作業員の方がはるかに優れている。製造業者が抱える現行の課題は、専用の動作区域からロボットを解放し、コラボレーション ロボットとして人間と協働させることにある。能力をブレンドして、工場で安全に、より高いスピードとクオリティを実現するには、どうすべきが重要だ。

電力とオートメーションの世界的企業 ABB は、双腕組立ロボット YuMi (ユーミィ) で、この難問に取り組んでいる。ずんぐりとした形、滑らかで親しみやすい外観の YuMi は、安全な協働ロボットのデザインを具体化したもので、既に各業界で話題だ。

人間と協働するコラボレーション ロボット YuMi
YuMi は人間の組立作業員と一緒に作業するに相応しい安全性を有した初めて産業用ロボット [提供: ABB]

YuMi の多関節双腕とグリッパーは、このサイズとクラスの他のロボットに比べ、幅広い範囲にわたる自由な動きが可能だ。また、ABB の想像の範疇を超える用途にも、独自のカスタマイズができるようになっている。

ABB のイノベーション部門を統括するアンダース・ヘルゲソン氏によると、人間との協働が可能なコラボレーション ロボットは、既に産業ロボットの主脈 (だが捉えどころのないもの) となっている。「業界全体がロボットを用いた、自動化された組立ラインの導入を進めてきました。それは悪戦苦闘の歴史でもあります」と、ヘルゲソン氏。

ヒューマン スケール
ロボットが自動車を組み立てる姿を目にしたことがあれば、その仕事ぶりが全く違う種類のものであることは明らかだろう。ロボットは人間の作業員より動作がはるかに大きく、重たいパーツを扱うことができ、ずっと素早く動くことができる。

小荷重用のロボットも存在するが、タスクによっては、人間の組立作業員の方が優れた結果をもたらす。工場におけるタスクの多くに、人間の筋肉や指、向かい合わせにできる親指、鋭敏な視覚の方が適しているのだ。人間には、問題の解決や臨機応変な対処、変化への適応ができる。そうした処理はロボットには不可能だ。

だが、ヒューマン スケールで動作するロボットですら、人間の安全を確保するために安全柵や分離ゾーンが必要とされてきた。つまり工場労働者は、組立の次の段階へ進むために、コンポーネントをロボットに直接渡す (あるいはロボットから直接受け取る) ことはできない。こうした人間とロボットの分離が必要とされるため、工場の操業に相当の時間と費用が追加される。

コラボレーション ロボット YuMi アーム
YuMi のデュアル アームには精密な視覚機能と安全機構が搭載されている [提供: ABB]

YuMi は、このギャップを埋めるために作られた。「YuMi の荷重は最大 500 g と、極めて低く制限されています」と、ヘルゲソン氏。「こうした荷重制限は、アーム制御同様、安全面への配慮によるものです。ジョイントの間に指が入らないので、ガードも不要です。何かに触れると自動的に停止します。衝撃エネルギーを吸収するためのパッドもありますが、行く手に何かがあることをシステムも感知するようになっています」。

無限の用途
ロボットである YuMi は、無限の持久力を持ち、迅速かつ正確に反復タスクをこなせる筈だ。ヘルゲソン氏は、確かに理論上はそうだが、重要なのはそこではないと話す。

「大量生産するようプログラム可能なロボットを望むユーザーもいれば、工程の最初から最後まで、人間の作業員と協働できるロボットが必要なユーザーもいます。私たちは基本的にあらゆるスケールのロボットを扱っています。システムの柔軟性を高めることが目標ですが、動作が安定していなければなりません」。

例えばロボットが、CAD の描画に基づいて、特定の動作を行うようプログラムされているとしよう。現実には、製造環境における変化が製造業者のツールの能力へ完全にマッチすることはなく、調整のため全ての再プログラムが必要な場合もあり、それには高いコストがかかる。ほぼ範囲制限なく動作でき、パラメーターで調整できるカスタマイズ可能なグリッパーを持つ YuMi のようなロボットが、製造ワークフローの救いとなるかもしれない。

だが、YuMi を素早く展開する手段として、別の妙案もある。このシステムには、オペレーターがロボットのアームとグリッパーを次の位置に置き、ボタンを押すとYuMi のメモリーにアクションをコミットできる独自のプログラミング技術が包含されており、シーケンス全体のアルゴリズムを臨機応変に生成できる (必要に応じて、そのシーケンスをより高速に再生することも可能)。

YuMi が ABB にもたらす、他に例の無いユニークなアプローチは、このロボットが万能型ソリューションであることだ。大抵の重工業ロボットでは、その機能が、タスクを繰り返し正確に実行することに集中されている。YuMi は、人間の組立作業員を複製できるよう、可能な限り柔軟にデザインされているとヘルゲソン氏は言う。「YuMi はロボットの新世代を提示する、従来のロボットとは意識的に一線を画した決断なのです」と、ヘルゲソン氏は話す。

collaborative robots YuMi grippers
YuMi の手は大抵の組立作業向けにカスタマイズできる [提供: ABB]

事実、YuMi はユーザーの想像力とニーズ以外には何の制限も受けない。ヘルゲソン氏は YuMi が、ABB が予想もしなかったような業務に使用されていると話し、それを ABB は誇りに感じているようだ。そしてこれは、システムをより優れたものにするため、 ABB が今後の反復に取り入れることのできる、貴重なフィードバックが得られることを意味している。

YuMi と未来
ヘルゲソン氏は、YuMiはIoTスタイルのアプローチにより、全く異なる収益もあげられると話している。費用のかさむ問題で大惨事になる前に、ソフトウェアがレポートや生産性予測、警告を製造業者に通知するのだ。

事実、ハードウェアとソフトウェアの完璧なバランスを見出すという方向性を追求しているのは、ABB だけではないとヘルゲソン氏は言う。「つい先日、新世代のマイクロプロセッサーに関する情報を見ました」と、ヘルゲソン氏。「機械学習の実行や、多数の特殊なアルゴリズムを実行させたりすることが可能です。今後人々の手にわたるハードウェアとソフトウェアには、とても興味深いバランスが存在します」。

YuMi は市場で成功を収め、注目度も高いが、これは ABB と業界にとっての、新たな道の第一歩だとヘルゲソン氏は話す。「数年前は、かなり安全性にフォーカスされていました。YuMi は、安全性の問題を解決するひとつの方法だと考えています」ヘルゲソンはこう話す。それが安全性のためであれ、生産性の向上のためであれ、ひとつ確かなことがある。YuMi は製造業におけるコラボレーション ロボットとして、興味深い未来を先導する存在であるということだ。

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