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新生児の救援と切断患者の歩行支援 : D-Rev の日常業務
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新生児の救援と切断患者の歩行支援 : D-Rev の日常業務

by Cindy Glass
製造 - 2014年11月26日
提供: D-Rev

サンフランシスコを拠点とする2007年設立の設計事務所、 D-Rev はエンドユーザーの支援を重視した世界水準の医療機器の設計を核として組織されている。

さらに発展途上の経済圏、1日あたりの収入が 4 ドルを下回るカスタマーをターゲットとするミッションを掲げた、画期的かつ刺激的な目標を持つ会社だ。

D-Rev は、十分なサービスを受けていないが、そのニーズや制約に適した世界レベルの製品を得る資格があると考える市場向けに新たなモデルを生み出す、デザイナーと起業家のウェーブの一翼を担っている。

リスクを抱えた新生児のための画期的な治療のデザイン
去年 D-Rev は、放っておけば命に関わる重度の黄疸を患う新生児を青色光を利用して治療する光線療法システム、Brilliance をローンチした。治療法は単純 (新生児を青色光に当てるだけ) だが、インドのように設備の乏しい地域では状況は異なる。このような地域こそ、D-Rev が当面のターゲットとしている市場だ。

光線療法の設備は病院の多くに寄付されてはいたが、これらの機器は安定した電力供給が得られ、交換用電球が簡単に入手できる、発展した経済地域向けにデザインされていた。このような機器には通常 6 個の電球が必要だが、交換用電球は 1 個 15 ドルにもなり、その寿命はわずか 4 ヵ月だ。機器の保守管理施設も手が行き届かないため、結局こういったリスク新生児の治療も行き届かなくなってしまう。

D-Rev_Brilliance_Jaundice_LED
[提供: D-Rev]
D-Rev の設計エンジニアであるサム・ハムナー氏は、Brilliance に対するニーズが明らかになるとすぐ、この種の資源に乏しい地域でも持続的に維持可能な技術ソリューションを用いることで、チームは素晴らしい製品を提供できるはずだと素早く決断を下したと話す。彼は、3 つの事柄が一体となったのだと言う。「現場でニーズを確証し、技術がそのニーズに対処できるものであることを確認して、LED 技術の費用曲線を手頃なデバイスの設計に利用できるだろうと考えたのです」。

ハムナー氏は、ソフトウェアを利用した光学シミュレーションを活用することでユニットに使用されるパーツの数を最小限に抑え、光線療法に要求される光度基準を達成できると説明する。「この種のシミュレーションでは、例えば「最低限の LED 数で、レンズをこの方向に取り付ければ基準を満たすに十分な光面積が得られる」ということが分かるため、コストの低減にも役立ちます」。

こういった考え方は、社内業務 (主に研究開発活動からなる) の資金を寄付で賄っている D-Rev のハイブリッド・ビジネス・モデルにも刺激を与えている。ハムナー氏は、デザイン チームはニーズをもとに仕事にとりかかると話す。「本当にこういったニーズはあるのか?と自問するのです。ソリューションありきではいけません。まずニーズありきでなければならないのです」。

エンジニアは技術に心を奪われることがあり、ソリューションを生み出すための策を探し始めることがあるとハムナー氏は話す。「ニーズが何であるかを把握すること、そのニーズに関わる利害関係者は誰なのかを正確に把握するよう心がけています」。

チームも、アイデアを持続可能なものにすることに心を注いでいる。また、非営利と営利の原理を混合したこの新しいビジネス モデルにとって、持続可能性はさまざまな形として具現化される。

Brilliance_production_D-Rev
[提供: D-Rev]
Brilliance にとってのそれは、製造と流通のアレンジが可能なパートナーをインドに見つけたことだった。このパートナーは営利目的の組織で、ビジネスを存続させ、D-Rev の事業拡大を支援するために一定の利益幅を必要とする。D-Rev は、製品の実行可能性について判断する際、こういった利害関係者のニーズも考慮に入れている。ハムナー氏は、プロジェクトの長期的な持続可能性は極めて重要だと話す。「Brilliance の特徴として、D-Rev が存在しなくなっても、営利目的のパートナーを通じてデバイスの製造、流通、販売が継続されることが挙げられます」。

D-Rev の主な資金提供者のひとりである Mulago Foundation のケヴィン・スターは今年、この新興モデルに関するニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに答えている。「D-Rev は、これまで誰も行わなかったことに取り組んでいます」とスター。「ユーザーとその事情に焦点を合わせた設備デザイン手法を組み合わせつつ、それをいかにユーザーに届けるか、流通および市場戦略にも思慮しています」。

結果の手応えは強い。D-Rev によると、3 万 5,000 人を超える新生児が 9 ヵ国で Brilliance による治療を受けている。10 月時点のデータによると、この製品は新生児 454 人を死から救い、2 万 9,413 人に効果的な治療を提供した。

D-Rev が義足用の低コスト膝関節を開発
来年の販売開始が予定されているのは、D-Rev のReMotion Knee だ。スタンフォード大学の学生たちがグループ プロジェクトの一環として義足の膝関節を開発し、製品のライセンスをインド最大の義足提供団体 Jaipur Foot に無償供与した。それ以来、このクリニックは 6,000 名を超える患者に義足を提供している。

ReMotion_Knees_D-Rev
ReMotion Knees [提供: D-Rev] Courtesy D-Rev.
この取り組みは多くの人々の役に立っているが、オリジナルのデザインにおける問題がグローバルな拡大を困難にしていた。D-Rev は、6,000 人を超えるユーザーの経験から学び、デザインを改善し、低コストで高機能の義足を国際市場にもたらすこととなった。これだと患者 1 人あたり、わずか約 80 ドルで提供できる。

ハムナー氏は大量生産の実現、一般的な関節機構の利用、患者の経験のヒアリングなど D-Rev チームがいかにしてオリジナルのコンセプトに対処したかを、熱のこもった話しぶりで説明する。

「初期の段階で、プラスチックとプラスチックが接触する部分があるために、足を踏み出すたびにかちっと音がすることが判明しました。そこで緩衝装置を加えて、歩くときに大きな音がしないようにしました。また気になったのは、オリジナルのバージョンにはとがった角がいくつかあることです。最新バージョンは、洋服の上から見るとより自然な膝形状となっており、座るときや膝をつくときも、より自然な形に見えるようデザインしました」。

D-Rev_Amputee_ReMotion_Knee
[提供: D-Rev]
D-Rev は成功の定義を、業界で生き残れるかどうかという範疇を超え、人々の生活に与える効果の評価にまで拡大し、その活動成果の公開を始めた。ReMotion Knee について、ハムナー氏は、人々に動く手段を与えることが就職を可能にするという観点から、直接的な経済効果を感じていると話す。

ハムナー氏は、ある「スーパー ユーザー」の例を挙げた。新製品の実地試験に参加したインドネシアの土木作業員のことだ。ハムナー氏のチームは、ReMotion Knee を装着したこの作業員が、コンクリートの袋を担いではしごを昇る様子を目にした。「そこにいた全員が驚きました。「これぞ実地試験だ!」と思いましたね」。

このストーリーは、D-Rev の核となる信条の根底をなしている。

「世界に通用する製品を作りたいと思っています」とハムナー氏は続ける。「手頃な価格にするために (製品の) 機能を減らすことが重要なのではありません。要求される基準に関するこういった制約を利用して、人々が手軽に利用できる何かを開発することが重要なのです」。変化はこうして生き続ける。

D-Rev はAutodesk Foundation (オートデスク基金) の一員です。Autodesk Foundation は、デザインを用いて影響を与える人材および組織専門の投資に注力する初の財団です。

#シミュレーション - #プロダクト デザイン - #医療機器 - #工業デザイン - #製品開発

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