テクノロジーが実現するコラボレーションが、エンジニアリング エコノミーを合理化

by Michael Gustafson
- 2017年9月25日
engineering economics graphic

ファブリケーション カンパニーの仕事が、スタジアムや超高層ビル、都市のバックボーンを形成する。そうした事業が直面する本当の課題は、ますます複雑化するデザインの、パズルのピースを作成してはめ込むことだけではない。そこには、工場のスループットで複数のプロジェクトのピークや浮き沈みを管理し、キャッシュ フローを最大化してエンジニアリング エコノミー (経済性工学) を合理化することも含まれている。

ファブリケーターにとって、サプライ チェーンとキャッシュ フロー管理のディスラプション (崩壊、混乱) は常に困難なものであり、プロジェクト変更がその問題の発端になることが多い。非常に小規模な架設から、大規模で技術的にも高度な連動装置に至るまで、変更が必要となった場合にその責任を負うのが自分たちだと、ファブリケーターは心得ている。

しかし、シェアリング エコノミーを製造業へ応用することは、建設プロセス特有のデザインのディスラプションに対し、ファブリケーターがその規模に関係なく、より手際よく対処するのに役立つ。クラウドの採用と情報管理、機械学習、ビッグ データの新たな進化によって、ファブリケーターと製造業企業はよりアジャイルになり、サプライ チェーンをよりうまくコントロールして予測できるようになる。ここでは、シェアリング エコノミーがファブリケーションと構造工学の未来を向上させる方法を幾つか紹介しよう。

エンジニアリング エコノミー スタジアム

ディスラプションの最小化、利益の最大化

製造、設置、現場への材料納入のスケジュール調整は、どのような状況においても困難なものになり得る。デザイン変更は、それがどんなに小さなものでもディスラプションとなり、ファブリケーターの利益に影響を与える可能性がある。材料の購入単位を最大化しつつ在庫を最小化し、また作業員への賃金支払が滞ることのないよう取り組むマネージャーは、わずかな変更により突如ワークフローが変更され、タスク残務の変動、予定外の人件費、予期せぬ材料搬入へとつながることを理解している。デザイン変更に対してファブリケーターが受け取る一般的な追加料金も、こうしたサプライ チェーン全体に伝搬する中断による実際の追加コストの埋め合わせにはならない。

キャッシュ フローのディスラプションが生まれると、小規模ファブリケーターや複数の業務を引き受けるファブリケーターは、より大きな経営上の問題にさらされることとなる。厳しい経済環境のもとで、企業は新たな案件を断ることはできない。貴重なクライアントとの関係を維持するため、企業はできる限りのことをせざるを得ない。こうした状況では、過剰な仕事に追われ、パンク寸前になりがちだ。

こうしたデザインの中断を最小限に抑えることは、プロジェクトをより迅速に完了させるだけでなく、利益と潜在的損失の差ともなる。これこそ、シェアリング エコノミーが大きな違いを生み出す可能性を持つ部分だ。ファブリケーターにとって非常に有望な可能性のひとつが、デザイン チームと製造チームによる共通基準とベスト プラクティスの共有だ。もちろん、企業はそれを今すぐ実行できる。だがクラウド テクノロジーを使用すれば、複数の工場や外注先企業、エンジニアリングなど、より大型のチームや大人数のコラボレータが並行して完全に同一の基準に従い、データの連続性をずっと簡単に確保することが可能だ。

アジャイルなチーム管理

ファブリケーターはこれまで、特定のプロジェクトに割り当て可能な製造キャパシティによって制約を受けたり、スケジュールを守るため仕事の一部を外注せざるを得なくなったりすることがあった。より正確でリアルタイムなコラボレーションを活用することにより、ファブリケーターは数名のチーム メンバーを特定のタスクへ割り当て、製造基準やエンジニアリング基準を外注チームと共有して、スケジュール通りに作業を進め、予算内に収めることができる。新入社員をより素早く訓練し、いち早く戦力として活用することも可能だ。業務の分担は、殺到するタスクへの対処を容易にする (また、リスクの分散にもなる)。複数のチームを管理する場合、必ずある程度の固定コストがかかるのだが、シェアリング エコノミーの発展により、投資がより多くの報酬をもたらすようになる。

このプロセスがファブリケーターのディテーリングに、どれほどの影響を及ぼすか想像してみてほしい。複数の企業を、入念な標準化なしに同じプロジェクトのディテーリングに取り組ませることは、重大な課題となり得る。デジタルでコネクトされたチームと工場により、鋼接合部の詳細基準や製造基準、マーク番号、ラベリングや追跡の手法、さらには調達とロジスティックスまで、さまざまな基準をより簡単に、かつ首尾一貫した形で共有できる。

エンジニアリング エコノミー 標準化

コンピュテーショナル デザインは既に、エンジニアリング チームと製造チームが内部 QA/QC プロセスといったルーチン作業を自動化したり、データ相互運用性の課題を克服したりすることを可能にしている。こういった品質管理基準の共有は、コラボレーションを向上させ、ディテーリングをより迅速で明瞭なものにする。

この新たなモデルにおいて、小規模ファブリケーターは、不規則なプロジェクト パイプラインの管理で苦境に立たされることなく、いつ業務が発生しても継続的に受注できる。必要なとき、またそれが利益を生むものであるうちに、簡単にディテーリングのキャパシティを拡張可能だ。

こうしたコンセプトは、ファブリケーターがスタジアムなど大型のプロジェクトを、よりスムーズに実行するのに役立つ。超集合体の鉄骨トラス構造や屋根構造、一般的な鉄骨の骨組、手すりなど多岐にわたる製品の製造など、大きなタスクのひとつひとつを、複数のオフィスや作業場間で委託、調整、レビューすることがより簡単になる。クラウド テクノロジーを使用してプロジェクトをより小さなタスクへと分割することで、チームはレビューを並行処理できるため、前段階の作業完了を待つ必要がなくなる。設置担当は、ワーク パッケージを事前に計画し、より優れたデジタル情報を利用して、比較的小さな作業を実行することができる。

BIM にコネクトされるクラウド ソリューションは、ファブリケーターがその品質管理プロセスを向上させるのにも役立つ。例えば、ファブリケーターは Autodesk BIM 360 Layout などのテクノロジーを使用して、鉄骨の設置前に柱のアンカー ボルトの設置位置を検証できる。コラボレーションとシェアの全てが、より簡単になるのだ。

コラボレーションの障壁を下げる

デジタル対応のコラボレーションが拡大し、プロジェクト チームがグローバル化するに従って、シェアリング エコノミーは文化や世代の違いに直面する。この課題が成長を抑制すると考える者もいる。だが適切な見通しを持てば、これは強みとなる。チームのグローバル化は、エンジニアリングやディテーリング分野のプロフェッショナルから成る、より豊富な人材へのアクセスを可能にする。テクノロジーがルーチン タスクを自動化し、ファブリケーターがベスト プラクティスを標準化するにつれ、コラボレーションの障壁は下がっていくだろう。ソフトウェアは、この製造基準の維持を確保し、ファースト レベルの品質管理機構として機能し、スペシャリストたちにより大きな市場を開くこととなるだろう。

エンジニアリング エコノミー コラボレーション

テクノロジーはまた、若年層の労働人口を人手不足に直面している製造業や生産業に取り込むツールともなる。より優れたコラボレーションにより、専門学校や大学を卒業したばかりの新世代の初心者が、熟練者から学ぶことができる (逆もまた同様であり、作業場で数十年の経験を持つエキスパートが、デジタル ネイティブ世代から技術スキルを習得できる)。

良好なデジタル コラボレーションにより労働者のネットワークが成長するにつれて、他のディスラプティブなテクノロジーが製造業に影響を与えるようになるだろう。ゆくゆくは機械学習デバイスが下層レベルのタスクを引き受けるようになるが、これを労働人口削減の手段としか見ていない人が多い。だが、このテクノロジーは、より優れたワークフローと効率性を約束するものだ。また、その結果として、製造業企業により多くの職をもたらす。

エンジニアリングに精通した Amazon Alexa が、より多くのデザインの選択肢を模索するエンジニアや、一企業内で構築された数十年間もの経験を活用する若いディテーラーをサポートすることを考えてみよう。この種の技術支援は、連携し、コミュニケーションを取り、重要なタスクに集中し、他のプロジェクトに取り組むことができるよう、労働者を解放する。

プロジェクトがより専門的で複雑になるにつれ、エンジニアとディテーラーは、より価値の高いタスクに重点を置きつつ、テクノロジーを使用してより価値の低いタスクを自動化したり外注したりするようになるだろう。ファブリケーターはより多くの機会を得るようになるだろうが、しかしそれは、ファブリケーターがその能率を上げ、反応性を高め、動作を高速化することで、ワークフロー管理の迷路にはまることなく、変化するデザインに遅れず付いていくことができればの話だ。テクノロジーは、製造業の浮き沈みを、安定した上向きのトレンドラインへと変えることができるのだ。

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