未来の工場を形作るトレンド: 機械とツールの向上から IoT まで

by Eureka Magazine
- 2018年1月16日
工場 未来 IoT
典型的な工場は、先進的なマシンを同時進行で稼働させ、マシン データをフル活用し、工場の資産を管理する機能に欠けていることが多い。だが、それは変わりつつある。

BIM (ビルディングインフォメーションモデリング) が建設計画へ、スマート デバイスがエネルギー分野へ影響を与えているように、技術革新によって従来の産業は一変しつつある。製造業も独自の変革を遂げようとしているが、その工場は、1920 年代のフォード・モデル T の製造ラインから本質的には変わっていない。

それから機械は劇的に変化しているものの、工場はその流れに全くついて行けていない。例えば典型的な工場は、先進的なマシンを同時進行で稼働させ、マシン データをフル活用し、工場の資産を管理する機能に欠けていることが多い。だが、重要な 3 つのエリアに新たなテクノロジーが到来しつつあり、それがメーカーによる工場経営の転換に役立つだろうと考えられる。ここで紹介する 3 つのトレンドは組み合わされ、未来の工場の根幹を成すものとなるだろう。

工場 未来 IoT

1. プログラマブルな製造機械

消費者市場に普及したカスタマイゼーションというトレンドは、工業生産における新たな方向性を奨励している。消費者は、良質でカスタムメイドのパーツに、より高い代金を支払うことを厭わず、メーカーはそのことを生かすことなる方法を模索している。また、それをメーカーが実現するのに、5 軸 CNC マシンやロボット、アディティブ マニュファクチャリングが役立っている。

5 軸マシンを使用することで、メーカーは複雑な形状を、他の一般的な CAM ソリューションよりも迅速に作成可能だ。メーカーはデザイン ソフトウェアを使い、事前にクオリティの高いツール パスをプログラムして、生産ラインを夜通し稼働させることもできる。従来は手動で、かつ肉体的にも重労働であったタスクを、機械を使ってさらに効率的に行えるようになり、より複雑で独創性が要求される仕事に時間を割くことが可能となる。例えば工作機械メーカーの Formaplex は、5 軸マシンを使用することで納期を厳守しながら質を維持し、効率を向上させている。これは、将来的にはエンジニアの役割が変わり、人間とマシンが協働して 24 時間稼働する工場で、従来は想像できなかったような製品が作られるということを示唆している。

マシンとコラボレーティブに働くことで、ものの製造方法に大きな影響を与えている技術を、さらに促進できる。ここで重要なのが、アディティブだ。複数の材料を使用してプリントされるパーツを用い、材料の特性を組み合わせることで、単に部品を組み合わせるより優れたものを生み出すこの技術では、航空宇宙業界と自動車業界が先導者的役割を担っている。将来的には、回路基板全体をプリント可能となり、それがインダストリアル IoT (IIoT) の発展に不可欠なものとなるだろう。

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2. 工場施設の計画、管理向けの改良されたツール

メーカーの多くにとって、生産計画とはライブな体験であることが多く、カスタムかつ複雑で、土壇場での要求により、通常のスケジュールは破壊される。高度な基準を継続的に提供するため、メーカーはアジャイルな工作とデザインのプロセスに投資を始めている。これは生産時間を大幅に削減可能だが、資産活用のプランニング ツールを完成させるには、さらに多くのことを行う必要がある。

メーカーは、工場施設の管理と同じテクニックを応用することで、デザイン プロセスにシミュレーションを統合する利点から学ぶことができる。こうしたツールはまだ利用できないが、メーカーは間も無く、シミュレーションされたデジタル版工場を作成できるようになるだろう。それにより障害や非効率性を除去し、稼働中の工場を向上させられるのだ。

建設業に大変革をもたらした BIM のアプローチを考えれば、こうした展開も、そう先の話ではない。製造プロセス全体のシミュレーションも、すぐに行えるようになる。それにより、デザインから製造までのワークフロー全体を、実際の製造が行われる前に予め推測して、申し分のないものに仕上げることが可能となって、メーカーとデザイナーは、よりタイトに連動できるようになるだろう。

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3. つながるデバイスと IoT

コネクテッド デバイスは産業革命の次なるステップの柱であり、未来の工場は、この領域のイノベーションに先導されることになるだろう。これを顧客需要により加速されており、自動車業界のように早期の導入に踏み切った業界は、既にその成果を得つつある。メーカーは、ものの製造手法の最適化、監視にセンサーを使用しており、さらにコネクテッド デバイスを最終製品に組み込んで、その性能の追跡も行っている。

これは、実現可能なことの、ほんの一部に過ぎない。そのデータ全てを最大限に活用するには、デザイナーとメーカーが団結し、未来の工場では何が可能かを検証する必要がある。またデザイナーとメーカーは最初からコネクティビティを考慮し、ソフトウェア開発チーム、データ分析チームと密接に連携する必要もある。こうした緊密な連携と新たな取り組み方法無しには、IoT とファクトリー 4.0 がそのポテンシャルをフルに発揮することもないだろう。

未来の工場を生み出すため、メーカーがこれら 3 つのトレンドを組み合わすことを目指せば、本当の意味での利益を享受するようになるだろう。ここで紹介したツールやテクノロジーは、既に存在するものも、現在開発中のものもあるが、未来志向のメーカーであれば、これらの可能性を考慮する必要がある。今年と来年は、工場を改革する最初のステップを踏み出す時なのだ。

この記事は、オートデスクのワールドワイド デジタル製造セールス担当副社長、ピート・バクスターによるものです。本記事の別バージョンが Eureka Magazine に掲載されています。

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