2017 年に掲載された「未来のロボット」のストーリー 6 選

by Mark Smith
- 2017年12月26日
future robots 2017

イーロン・マスクやスティーヴン・ホーキングなどのビジョナリーが、シンギュラリティ (技術的特異点) の到来に伴う人類の危機について警告を発している。その一方で、昔から存在する、そして今後も存在し続ける人類の問題をロボットがどう解決できるのかに、多数の優れた人々が集中的に取り組んでいる。

機械学習を使用した産業用ロボットの改良から、老人介護へのロボットの登用まで、デザイナーたちはその方法を問わず、挑発的な質問を投げ掛けている。果たして人類はロボットとの関係を、人間に対する悲劇的な影響を回避しながら、途方もない利益を得る可能性を秘めたものへ再考することができるだろうか?

この記事では、人類が今後のデザインの課題を乗り越えるのに未来のロボットが役立つであろうことを示唆する、 2017 年の 6 つのストーリーを紹介しよう。

1. 「Dancing With Robots」が示す、人間とマシンのリアルなパワー ダイナミクス
映画「エイリアン」シリーズに登場する二枚舌のロボット (正確にはアンドロイド) から、「ブレードランナー」の残忍なレプリカントまで、これまで SF 作家や映画監督は未来の人間とロボットの関係を、実存的な恐怖と脅威として描きがちだった。だが、Brooke Roberts Innovation Agency (BRIA) は異なるアプローチを採った。ロンドン・コンテンポラリー・バレエ劇場と連携し、人類とロボットの関係性を、産業用ロボットが人間のパートナーに反応するダンス インスタレーションという形態で表現したのだ。BRIA の共同ディレクターを務めるブルック・ロバーツ=イスラム氏は「私たちは、ロボットが人間に対して脅迫的であったり威圧的であったりするような関係ではなく、互いを補完し合う関係に成り得ることを示したいと思ったのです」と話す。「人間ではなく、ロボットに対する共感を喚起したいと考えました」。

ヒュー・ハー ロボット義足
ヒュー・ハー氏とロボット義足 [提供: Matthew Septimus]
2. バイオニック マン: ヒュー・ハー氏が次世代のロボット義肢で前進する未来
MIT のバイオメカトロニクス研究グループと BionX Medical Technologies を率いるヒュー・ハー氏は、ロッククライミング中に凍傷で両脚を失った際、義肢の選択肢が不十分であることを知った。より快適で反応の優れた義肢を望む強い気持ちが、BiOM 義足足首の開発につながった。この義足には人工の腓骨筋を制御する数々のセンサーと回路がびっしりと搭載されており、装着者を自然な足取りで前進させる。彼自身の生活の質を向上させる目的でスタートした研究が、あらゆる人々のためにカスタマイズされた、より優れたデザインの誕生につながるかもしれない。ハー氏は信じている。「建築環境と我々人間の身体との間のシームレスな融合、つまり全てがうまく機能し、苦痛を与えず、深刻なフラストレーションを生じさせることのない世界」が生まれることを。

3. ケン・ゴールドバーグ氏とともに「つかみとる」機械学習とクラウド ロボティクス
ロボットは、予測可能で常に変わらない物体を扱う生産ラインのタスクには秀でているが、未知の物体を検知してつかむなど、より高度なスキルを開拓するのは難しい。ロボット工学分野の経験豊かなケン・ゴールドバーグ氏 (カリフォルニア大学バークレー校 の AI リサーチ ラボの共同設立者) とそのチームは、クラウドでつながるネットワーク上の合成データ セットが、ロボットのより迅速かつ相互的な学習にどう役立つのかを研究している。「十分に多様なマシンの集団は、単体で働くマシンよりも、より優れた決定を行うよう学習するようになるだろうと、私は確信しています」と、ゴールドバーグ氏は話す。氏は自らを「スケプティミスト」と称し、シンギュラリティの懸念やユートピアの夢については確信的ではないとしているが、未来のロボットが人類の生活を向上させるであろう点については楽観的だ。

ロンドンのデザイン・ミュージアムで Mimus のブースに近づく子供
ロンドンのデザイン・ミュージアムで Mimus のブースに近づく子供

4. 人間とロボットの共存の未来は「共感」にあり
ロボット工学の発展が従来の労働市場に破壊的な変化をもたらしつつある中、メデリン・ギャノン氏のように前向きな思考を持つ人々は、人間とマシンとの関係を定義する新たな手法を模索している。熟練の建築家であるギャノン氏が開発した Mimus は空間知覚ロボットで、ボディ ランゲージを使用して人間への共感を表現する (「ターミネーター」とは正反対の、子犬のようなロボットを想像して欲しい)。人間の能力を衰退させるのではなく、強化するようなロボットをデザインすることは可能だろうか? ギャノン氏とその同志たちは、それを解明するつもりだ。

5. ヘルパー、話し相手、仲介者 - ヘルスケア ロボットが変える介護の世界
2050 年までに世界人口は 100 億人近くに達し、その約 20% が 60 歳以上だと予測されている。この事実は、特に、日本やドイツなどの出生率が低い国では、経済的にも社会的にも非常に大きな問題を突きつけることになる。社会は、高齢者が豊かで自立した生活を送るのに必要な物理的、精神的ケアを受けられるよう保証できるだろうか? OhmniLabs や Intuition Robotics といったイノベーティブな企業は、ロボットがそのカギを握っているかもしれないと考えている。在宅支援ロボットから、高齢者が家族や世界とつながる手助けを行うロボットまで、多くの人の生活の質が向上するカギとなる種が蒔かれている。

6. Robo Challenge が芸術性とエンジニアリングでクラス最高のボットを構築
人間サイズのクモ型ロボットを目の当たりにすること、ましてやそれを製作してコントロールすることは、大抵の人にとって心底恐ろしいことだろうが、Robo Challenge のジェームスとグラントのクーパー兄弟は違った。イギリス・バーミンガムを拠点に活動するクーパー兄弟は、3D プリント、CNC マシン、Autodesk Fusion 360 を使用して新たなデザインを開拓し、世界各地のクライアントのためにカスタム ロボットを作る。最先端のテクノロジーに注力することは、イヌ型ロボット Mack (Xbox のゲーム「ReCore」に登場) であれ、競争で圧倒的な強さを見せる戦闘ロボットであれ、クーパー兄弟が美しく、かつ機能性に優れたロボットを作成するのに役立っている。

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