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東急建設の渋谷 UiM が支援する東京メトロ銀座線渋谷駅の移設工事
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東急建設の渋谷 UiM が支援する東京メトロ銀座線渋谷駅の移設工事

by Yasuo Matsunaka
インフラ - 2018年8月6日
銀座線 渋谷
ヒカリエの方向から見た 2017 年秋の段階の銀座線渋谷駅。中央奥が現在の駅で、新ホームは手前の方向となる。

東京都心の主要な繁華街、ビジネス街を網羅するように走る東京メトロ銀座線。現在は 1 日平均 100 万人以上の輸送が行なわれ、2017 年末に上野、浅草駅間が開通 90 周年を迎えたこの歴史ある地下鉄の、大規模なリニューアル工事が進められている。

東京の西の玄関口として 1 日約 21 万人が利用する銀座線渋谷駅は、75 年前の開業以来、大きな改修は行われておらず、安全、サービス面が課題となってきた。この状況を改善すべく、今回の銀座線のリニューアルは全駅の改装、車両の更新、ホームドアの設置に加えて、渋谷駅街区基盤整備と連携した渋谷駅の移設工事が含まれている。

「100 年に一度」という渋谷の大規模再開発が行われる中、銀座線渋谷駅の移設工事は 2009 年の着工以降、周辺の事業との調整を行いながら進められてきた。現在の場所から東へ130 mの位置に誕生する新ホームは、計 5 回もの線路切り替えを行う複雑な移設工事が必要だが、CIM による問題点の洗い出しと業務のフロントローディングが効果を発揮している。

銀座線 渋谷
銀座線渋谷駅付近を三次元化したモデルで構台面、軌道面、地表面の位置関係を視覚的に把握可能 [提供: 東急建設]

2016 年 11 月、週末の計 4 日間を使い、一部区間を運休して最初の切り替え工事が実施された。銀座線の改良工事は構台面、軌道面、地上面の三層に分かれているため、平面図だけではその上下関係が把握しづらく、ステップ図を作成したとしても膨大な数になるが、それを見ながら施工を行うのは難しい。だが、三次元モデルを活用することで、その過程の理解を深めることが可能だった。

2012 年に国土交通省が提言した CIM (Construction Information Modeling) は、既に建築分野で進められていた BIM 同様、関係者が三次元モデルをベースに情報共有を行うことで建設生産システムの効率化、高度化を図る取り組みで、建設業務が効率化される。現在、CIM はマネージメントを含めた Construction Information Modeling/Management と定義されている。

銀座線渋谷駅の工事を JV で行っている東急建設株式会社 土木本部土木部 ICT推進グループ グループリーダーの小島文寛氏は、このマネージメントとは施工者となる大手ゼネコンにとって、品質 (Quality)、コスト (Cost)、工期 (Delivery)、安全 (Safety)、環境 (Environment) からなる QCDSE を、うまく工夫して進めていくことだと述べる。「CIM を使う目的は、三次元モデルを作ることではなく、それをツールとして使い、マネージメントの高度化を図ることにあります」。

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渋谷ヒカリエ方向に移設される銀座線渋谷駅の新ホームのイメージ [提供: 東京メトロ]

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乗り換え利便性の向上、バリアフリー設備の整備などが新ホームの断面イメージ [提供: 東京メトロ]

「Town Value-Up Management」というメッセージを掲げる東急建設は、個々の建物でなく、街全体の価値をマネージメントするという考えを持っている。こうした包括的なマネージメントを実現すべく考え出されたのが、BIM と CIM を統合した同社独自の「UiM (Urban Information Modeling/Management)」というコンセプト/ワークフローだ。

「当初は、社内でも建築本部と土木本部で BIM と CIM に分かれていました。都市と土木を一元化し、まるごと三次元化することで、効率化や施工の見えないところも見えてくるのではないか、ということで始めたのが UiM です」と、小島氏。「その UiM の実証の場を渋谷とする「渋谷 UiM」を 4年前から続けていますが、最初からそんなにうまく行ったわけではありません」。

その理由を、氏は「建築と土木では、文化の違いがあり、それぞれ譲らないところもあります」と説明する。「例えば、土木の世界では公共座標系を使うのが当たり前だし、建築の世界では、設計図書などでも通り芯などのローカル座標系が使われます。そのため、お互いのモデルを合わせるときに、どこを原点にするか、時間軸をどう管理するかという点は相当議論を重ねて、社内で「渋谷UiM」の管理マニュアルを作りました」。

この UiM を実現するため、建築部門が 2011 年に導入した BIM ソフトウェアの Autodesk Revit、翌年には土木部門が導入した CIM ソフトウェアの Civil 3D のデータを、インフラ設計ソフトウェアの InfraWorks や建設プロジェクト レビュー ソフトウェアの Navisworks で統合。BIM と CIM のモデル データをスムーズに連携させることで、大規模な 3D モデルを実現している。

線路切り替えの工事は短期間に、一気に進める必要があるので、工事の当日のみ、通常は他の現場を担当している社員も加わることになる。その綿密な計画、検討と情報共有のため、AutoCAD で作成された 3 次元モデルでの空間把握と Navisworks で作成したアニメーションのビデオが、発注者や現場を応援する社員とのイメージの共有に役立てられた。

計画行程表を Navisworks を使って、実際の動きとして再現。工事の理解度が飛躍的にアップした。[提供: 東急建設]

現場での施工検討会には、各自の現場から、多くの社員が集まることになる。「現場の施工検討会で見てもらうことで、応援の一般社員も、工事のイメージを一発で共有できます」と、小島氏。「短時間で自分のやることを理解できれば、それも生産性向上につながります」。最終的には 15 分ごとの緻密な計画行程表が作られ、Navisworks のモデルで、実際の動きとなるアニメーションが作られた。複数台のクレーンを使った場合の動きなども再現され、その理解度も非常に高いものとなる。

施工検討会では、CIM の三次元モデルを見ながら検討が行われており、そこでは皆が頭の中で描いているものが一致していると言う。「当社の社員は、CIM によって仕事の仕方が変わり、もう後戻りできなくなっていると思います」。このところの AI ブームで注目されるシンギュラリティ (それにより人間の生活が後戻りできないほど変ってしまう技術的特異点) 同様、この状態は土木技術者にとっての「CIM ギュラリティ (シムギュラリティ)」ではないかと、小島氏は笑う。

銀座線 渋谷
Autodesk University Japan 2017 で講演を行った東急建設株式会社 土木本部土木部 ICT推進グループ グループリーダーの小島文寛氏

「こうして CIM により高度化、効率化した検討を行えることで、問題発見のフロントローディングができます。その問題の対策を練ることができるので、施工におけるリスクが減り、それによって心配が減ることになります。心配が減れば、楽しくなります。CIM を使って施工検討をすることで、楽しい建設現場が作れるのではないかと思っています」。

銀座線渋谷駅は明治通り上空の新駅として、2019 年度には一部の供用を開始予定。その後も渋谷再開発の完成に向け、その利便性はさらに向上していく。

#ビジュアライゼーション - #プロジェクト管理 - #土木工学 - #運輸

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