ロボットによる自動化が農業にもたらすメリット

農業 ロボット
[画像提供: Engineering.com]

産業用ロボットによる自動化は、人々から仕事を奪う存在で、よりレベルの高い効率と職場の安全性をもたらすとして、業界内で恐怖心を利用しようとする人や希望に満ちた人から注目を集めている。

自動化技術は、今や自動車やエレクトロニクスの世界から、食品産業や農産業へと波及しつつある。これは決して早急すぎる動きではない。

Yasukawa America (安川電機の米州地区における事業統括会社) の Motoman Robotics Division で Consumer Products Group (CPG) の営業部長を務めるジャック・ウール氏は、「Food just got faster (食品生産のスピードアップ)」という、説得力を持ったブログ記事 (英文) を公開している。

この記事で氏は、食品産業を自転車のタイヤに、自動化はスポークをまとめるリムに例えている。

ウール氏によれば、飲料生産工場では清涼飲料やワイン、牛乳、水を扱う際に、ほぼ 100% の率でロータリーフィラー (回転式自動充填装置) が使用されている。この装置は数百個単位の容器を一度に充填でき、これにより生産ラインは大幅にスピードアップする。そして、自動化が食品処理工場における汚染の危険を排除するために使用されており、人手を介さないことで感染の機会が生じない無菌状態の生産ラインを使用でき、それが数億円のコスト減につながっていると述べている。さらに、件費と、それに付随する医療費、つまり繰り返しが多く、極度な疲労をもたらすような危険な仕事で生じる負傷に関連する費用の問題を指摘している。自動化は、不屈の強靱さと回復力を持つ産業用ロボットによって、こうした問題を排除する。

農業経営者は、農地や農作物を見守るドローンやロボットの使用を期待できる。

ウール氏が指摘する上記の点はすべて極めて的確だが、その価値を減じている 2 つの重要なポイントがある。食品産業、農産業における自動化の台頭は不可避であり、既に始まっているのだが、これらの分野に従事する肉体労働者が、失業の危機に慌てる必要はない。

産業の自動化は、自動車産業においては爆発的な力となっている。これが労働者を屈辱的で骨の折れる重労働から解放し、より楽しくて励みと価値のある立場へと労働者の地位を高める産業用ロボットの誕生につながったと言える。

上のビデオは、1970 年代のフォード社の自動車生産工場の平均的な労働環境を示している。作業支援リフトの普及以降、産業用ロボットがより現代的な形態で自動化されるようになり、人間が危険度の高い作業に従事する機会は減ったが、生産は増加した。

平均的な食品包装工場では、PicknPack のようなシステムにより、生産ラインの生産力と衛生状態はさらに向上を続けている。産業用ロボットは、細菌を付着させるリスク無しに食品を素早く選別、配置でき、また人間よりも処理速度と耐久力に優れている。高度な画像システムは、食品生産物の外部だけでなく内部の不良をも検出する能力を持つ。

生産ラインへ送られた未包装の食品生産物は包装されて、サプライチェーンの次段階への準備が整えられる。農業にもロボットと AI の導入によるプラスの効果が期待されている。

来たるべきロボット活用の時代においては、農業経営者は、農地や農作物を見守るドローンやロボットの使用を期待できる。赤外線カメラを装備したドローンが散水パターンを監視し、土壌の変化をマッピングして害虫や病気を発見するようになる。こういったドローンは、上空から急降下し、昼夜を問わず農薬を散布することが可能だ。

Deepfield Robotics の Boniro などのロボットは、高度なセンサー ビジョン技術と画像認識技術に支えられた AI により、雑草の除去や育種を管理をはじめ、手間のかかる作業を実行するようになる。

食品産業と農産業における産業の自動化により、生産力は爆発的に増加する。それにより生産量と生産率の大幅な増加を見込むことができ、生産者のコストは低下するだろう。また、これが消費者にとっての価格低下と、世界人口への食物供給の向上につながることが望まれる。食料品の買い出しに何万円も支払うような時代に別れを告げよう。

この記事はケイガン・ピットマンが執筆したものです。 別バージョンのオリジナル記事はengineering.comに掲載されています。

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