工業生産におけるアディティブ マニュファクチャリングの 4 つの秘訣

by Andrew Wheeler
- 2016年3月23日

他の業種同様、産業機械メーカーにも競合が存在しており、その先端にいるためにはアディティブ マニュファクチャリングなど新たなテクノロジーに目を向ける必要がある。そして「先端」とは、投資のリスクも意味している。

mold_drillどんなリスクも、その潜在的な見返りが価値を決定する。アディティブ マニュファクチャリングの産業システムを採用した際の見返りとなるのは、高いカスタマイズ性を必要とする少量生産を行える能力だ。現在の産業においては、よりリアルなプロトタイプやその他のカスタマイズされたツール、鋳型、治具などがより重要になりつつある。こうした理由、そして形状の複雑さと機能デザインの可能性によって、ますます多くの会社がアディティブ マニュファクチャリング、3D プリントに注目するようになっている。

Stratasys Direct Manufacturing のグローバル製造ネットワーク担当ディレクター、ジェフ・ハンソン氏は「産業機械メーカーはこのテクノロジーを、試作の段階で積極的に採用しています」と、語っている。「それによって生産用具への投資を軽減できます。投資するのが早過ぎると、設計変更時のリスクとなってしまいます。少量生産の製品ラインでは、オリジナル機器メーカーが、その機器のコンポーネントとなるパーツを製作するためにアディティブ マニュファクチャリングを採用しているのも見かけますね」。

メーカーがアディティブ マニュファクチャリングの産業システムを採用する際には、基本的には 3D プリント・サービスへ仕事をアウトソースするか、社内用システムを購入するかの 2 通りのオプションがある。どちらを選択するかの理由は様々だが、いずれの場合もメーカーは現存の製造コストとプロセス、材料やボリューム、エンジニアとデザイナーのスキルなど、幾つかの基準をもとに検討を行う必要がある。

こうした検討を行っても、多くの産業機械メーカーはアディティブ マニュファクチャリングをどう始めたらいいのかすら分かっていない。幸運にもサービス&コンサルティング会社は、体系化され効率化されたサプライ チェーンの様々なポイントに 3D プリントを組み込んでいる。ここではアディティブ マニュファクチャリングの世界に入るための、幾つかの秘訣を紹介しよう。

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1. Senvol データベースを検索する
Senvol データベースは、この種のものとしては初めての、包括的なオンラインのアディティブ マニュファクチャリング データベースだ。この無料サイトには、サプライ チェーンのどの部分を最も高い費用対効果により 3D プリントされた材料で置き換えられるかを決定できるよう特別に作成された、非常にカスタマイズ性の高い検索ツールが用意されている。ユーザーは材料のタイプやサイズ、抗張力 (張力が加えられたときに破断に至るまでの最大の応力)、価格など 30 以上のフィールドで検索が可能。このサイトは扱いやすく、エンドユーザーやエンジニアからアナリスト、業界のバイヤーまで幅広い層をターゲットとしている。

それでも多数のデータフィールドで検索を行うのは、リサーチを始めたばかりの人の気力をくじくかもしれない。Senvol の共同社長、ザック・シムキン氏は「機械的に何が実行可能であるか、つまりテクノロジーに何ができるかと、経済的に何が実行可能であるか、つまり実行に費用効果があるかどうかの交点を見つけることが重要です」と、語っている。「会社がアディティブ マニュファクチャリングを採用すべきなのは、機械的、経済的な属性の両方がマッチしたときのみです」。

2. アディティブ マニュファクチャリングのエキスパートに意見を聞く
アディティブ マニュファクチャリングの世界が拡張するにつれ、コンサルティングに特化した会社の登場頻度が増し始めている。a href=”https://www.stratasysdirect.com/” target=”_blank”>Stratasys Direct Manufacturing は、トップクラスの国際的なアディティブ マニュファクチャリング サービスプロバイダーであり、そのプロジェクト技術者と製造スペシャリストのチームはハイエンドのアディティブ マニュファクチャリングを従来の技術、様々な仕上げプロセスと組み合わせている。同社はクライアント向けに生産を行うか、社内向けに Stratasys プリンターの購入を推奨する。

「我々はクライアントと、プロトタイピングから最終使用パーツまで、製品開発のライフサイクルを通じて仕事をします」と、ハンソン氏。そうしたクライアントのひとつである Curt G. Joa 社は、同社のトイレットペーパー製品の製造に使用する真空成形ドラムのプロトタイプのためだけに Stratasys Direct Manufacturing を訪れた。Stratasys Direct Manufacturing はデザインを確認するだけでなく、ドラムに別素材 (熱可塑性物質) の推奨も行い、それがマシンの製造効率の向上につながった。現在、Curt G. Joa 社は約 200 台もの Stratasysの FDM (熱溶解積層法) マシンのネットワークを活用して、オンデマンドによるパーツのボリューム製造を行っている。

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Curt G. Joa の最終的な熱可塑性パーツ [提供: Stratasys Direct Manufacturing]

Senvol もコンサルティングサービスを提供しており、GE など多数のフォーチュン 500 企業の仕事をしている。Senvol は当初、アディティブ マニュファクチャリングが十分に検討に値するものであることを示す 7 つのシナリオを提供することで人気を博した。

3. トレーニングと教育を受ける
アディティブ マニュファクチャリングと、それに関連するプロセスと履行、メリットを学びたいと考えているメーカーに向け、クオリティコントロールや安全性からデザイン、経済性まで、あらゆるトレーニングが提供されている。UL は世界的な第三者安全科学機関であり、家庭用品や HVAC (暖房、換気、空調) から配管、医療機器まであらゆる分野における教育とトレーニング、認証、検査、確認を提供している。この 3 年間、アディティブ マニュファクチャリングは同機関の戦略的な重点エリアとなっている。

UL でアディティブ マニュファクチャリングの革新性、戦略担当ディレクターを務めるクリス・クラムピッツ氏は、「我々はクライアントへ実に幅広いポートフォリオのサービスを提供しており、それは彼らが直面している問題次第です」と、述べている。「正式なトレーニングとプロフェッショナルな認証プログラムがあり、それによりテクノロジーをどう活用するかを理解しつつ、業界基準や規制、その他のあらゆる技術要件へと従わせることができます」。

UL はさらなる援助として、クライアントが製造施設とそのプロセスをセットアップし、その施設へ特定の用途向けに資格を与えるよう、様々な助言サービスを提供している。また、どの製品ラインやパーツがアディティブ マニュファクチャリングに最適かの助言も行っている。

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4. 社内、アウトソースの選択を行う
最も重要な検討事項は、もちろん 3D プリンターを導入するのか、それとも製造のためにデザインを送るかの決定になる。マシンが製造できるものは限定されるため、要素として最も重要なのはメーカーが何をプリントするかだ。金属が必要であれば、粉末焼結式積層法や粉末固着式積層法、バインダージェッティングなどに選択肢も狭められる。プラスティックが最適な場合は、造形物をモデルやプロトタイプに使うのか、機能するパーツになるのかが重要であり、後者では業界標準の素材特性が要求される。ニーズがシンプルで大幅な変化が考えにくいのであれば、社内用プリンターの導入が最良なオプションになることが多いだろう。

その場合も、マシンを購入してインストールし、翌日からパーツ製造を始めるというようなシンプルなプラグ&プレイではない。「エンジニアリングと製造のプロセスをデザインの段階へと大幅にシフトすることになります」と、クラムピッツ氏。「設計エンジニアと製造エンジニアが、アディティブ マニュファクチャリングではひとつになります。設計エンジニアとプロセスエンジニアは全く異なるスキルを持ち、その両方を一緒にしようとしているのですが、そうしたスーパーエンジニアは現時点では存在していません」。

業界は新しいエンジニアを必要としているが、メーカーは幸いにもサービスプロバイダーやサービス市場に頼ることができる。ただし工業メーカーは社内、アウトソースを問わず、アディティブ マニュファクチャリングは先進的な製造の未来において重要なコンポーネントとなることを肝に命じておくべきだ。

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