最新の建築テクノロジー : 利益の到来、無駄の排除

by Amar Hanspal
- 2015年7月23日
Micke Tong

配管工と塗装工が、同日に現場へ登場。

私道を掘削中に、ドライウォールが配送。

基礎工事が始まる前に、スチールが到着。

オーナーや現場監督、建築家を問わず、建設中には本当に多くの問題がある。そして、皆それに我慢できない。

その理由はとてもシンプルかつ明白だ。無駄だからだ。時間の無駄。労働の無駄。材料の無駄。金の無駄。

その大きな金額が、さらに増えようとしている。世界的な建設費は、2020 年までに約 864 兆円から 1,440 兆円へと、70% も増加すると予測されている。

建設におけるゴミ

建築業界は、常にリスクとコストを下げようと懸命になっている。確かに産業革命がもたらしたテクノロジーの向上によって大地が動かされ、より高く歴史的な構造が作られ、材料を迅速かつ効率的に製造できるようになった。しかしスタンンフォード大学の研究によると建築の生産性は、1960 年以降下がり続けている。しかも業界の多くで実証されているように、あらゆるプロジェクトにおいて、20% から 30% は常に無駄なのだ。

最新の建設テクノロジーにより、それがようやく変わろうとしている。Uber が運送事業に大打撃を与え、Amazon が小売を全く別のものに変容できたように、2015 年は建設業界にとって崩壊の年となる。読者の近くの現場(とポケット)に、オートメーションがやってくるのだ。

建築のデジタル化の世界へようこそ。これはデザイナーやエンジニア、建設会社が、より多くの金額を手にし、無駄を省く真の機会となる。

さよなら、クリップボード
建設業界は専門の役割に断片化しており、無駄は風土病のような存在だ。その問題の中心になっているのは、全てコーディネーションとコラボレーション、コミュニケーションに関することだ。

大規模プロジェクトの建築用クレーン建設は、作業を自動化し、タスク (とタイミング) を正確に予測するには優れたプラットフォームとは言えなかった。その要因として 2 つの要素が挙げられるだろう。まず、大抵の建設プロジェクトは一度きりのものと考えられており、ひとつのプロジェクトのためだけに高度なオートメーションを実現するメリットは無いということだ。また大抵の建築現場は離れた場所にあり、それら同士はコネクトされていない。工場やオフィスが集約されている製造とは異なり、建築は常に異なる場所で行われる。

それと同時に、建設業界はテクノロジーの採用に前向きでないという、大きな誤解も存在する。これはまるで正しくない。彼らは、携帯電話が登場した際にはアーリーアダプターであり、テクノロジーに前向きでない訳ではない。実験には反対するが、すぐに使えるものを欲している。つまり、実践的であることが必要なのだ。

モバイルの普及、クラウドのアクセス性、さらなる自動化への要求、より増加するデザイナーとエンジニア、建設員の間の親密なコミュニケーションを完璧なタイミングで実現するにはアプリがキーとなる。現場で様々な人を観察してみると、測量技師や建設業者、見積もり担当者やスケジュール担当者、プロダクション プランナーなどがタブレット上で独自のアプリを使い、作業内容のコミュニケートやデータの共有、見える化の実行、お互いの作業と納期の状況アップデートを行うようになってきた。クリップボードは、使われなくなるのだ。

建築現場でモバイルコラボレーションconstruction_collaboration_mobile重要なテクノロジーの多くが、既に建築の新たな崩壊とデジタル化を推進する位置付けになっている。ビルディング インフォメーション モデリング (BIM) は、“何が”建設されているかを明確に解説するための、重要な部分を占めている。ソフトウェア業界は、それが“どのように”建築されるかを重視するようになっている。

最初に BIM を推し進めたのは、「より優れた、効率の高い成果が必要だ」と要求するオーナーだった。建築と優れた成果に関する、次代のデジタルトレンドをドライブするのもオーナーなのだ。だが、それ以上のボーナスもある。誰もが透明性を享受できるのだ。オーナーは、何が行われているかを理解できる。配管工は効率的に、より多くの仕事を入れることができる。コンストラクション マネージャーは RFID や QR コードを使って納品状況をトラッキング可能。時間や材料も節約できる可能性がある。素晴らしい!

アプリだけではない。ハロー、ロボットとセンサー付き安全帽
アプリが建築のデジタル化と共にあるというだけでは、あまりに傍観的だ。真に最先端を行く 21 世紀の機材とテクノロジーが登場しており、さらに素晴らしいイノベーションが間もなくやってくる。

ドローンはピザの宅配などでメディアから大きな注目を集めている。しかし、特に建築のプライムタイムにはシリアスな用途も多数存在しており、ドローンが提供する新たな効率と洞察には凄まじいものがある。現場を毎日スキャンして、クルー達の進捗レポートをリアルタイムで作成したり、新しいマップを作成してサポートしたりすることが可能。それ以外にも複雑なチャレンジをシンプルにできる。例えば $700 のドローン 1 機が円を描いてそのエリアを撮影し、Autodesk ReCap を使ってイメージをつなぎ合わせることで 3D モデルを生成。ドローンの登場以前、クレーンで同様のことを行うには膨大なコストが必要で、かつ非常に困難だった。ドローンを使った新たなテクノロジーロボット化されたトータルステーションも、より頻繁に目にするようになってきた。これは視覚を持つミニロボットのようなもので、常にオンサイトのカメラがあるかのようだ。例えば写真を撮影し、比較して、ビルがどれだけ完成したかを視覚化する作業がフィールドからできてしまう。こうしたトータルステーションは、全く新たな支払い方法へのシフトも実現する。視覚化により 9% の作業が完了しているとされた場合、10% に到達した時点で自動支払いが行われる。全ての面に置いて、新たなアカウンタビリティとなるのだ。

それほど遠くない将来、作業現場全体のデジタル 3D モデルを投影したイメージを、好きな場所で見られるようになる。レーザーを使い、作業現場に送られた 3D モデルを、周辺の環境と相互作用させることが可能。これは既に小規模では実現しているが、それでも非常にインパクトのあるシナリオだ。

例えばエアコンのダクトと、その支持ハンガーを例にしてみよう。通常は作業員がスキャンと巻尺を使い、あちこちに点をスプレーしてコミュニケーションを行う。「ここと、ここと、ここにインストールする」という具合に。最近行われた病院のプロジェクトでは、作業員はこの新しいレーザー技術を使い、天井へ 990 個のハンガーのプロジェクトとインストールを行った。一般の作業では、その誤り率は 10% 前後だ。だが今回の計算間違いは 4 箇所だけで、誤り率は 0.4% となる。素晴らしい成果だ。

建設におけるウェアラブルそして、ウェアラブルと IoT の出現。安全、位置のトラッキング、時間など、建築のプライムタイムはまさにその使用例だ。人間が安全帽とグラス、トランシーバーを身に付けて現場を歩く。安全帽に付けられたセンサーやゴーグル、さらには何か手首に付けた何かが、作業を完全に統合して環境を構築する。

建築の問題を解決
長年に渡り、建築はヘルスケアと同様に見られてきた。誰もが頭を振って「これは絶対に良くならない」と言ってきたが、ヘルスケアに関する状況は好転してきた。建築にも全てのピースが揃ったのだ。

いまや可能性から実践的なものへと変わった。実現可能となり、それを行っている人がいる。デジタル化と最新の建築テクノロジーは、業界が常に達成しようとしてきた、何も無駄にするな、欲しがるなという希望を携えている。

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