2050 年の都市: データとテクノロジーが刺激する未来のメガシティ

by Terry D. Bennett
- 2017年4月25日
メガシティ 未来

2050 年には、都市はどのような姿をしているだろう? 韓国のように、既存の社会をデジタルでつなぐことで従来の都市をバージョンアップされたものが中心だろうか? もしくはドバイやシンガポールのような輝かしい新都市のようになるのだろうか? それとも、地下や海中を移動可能な都市?

現在、ブラジル・クリティーバ市などイノベーティブな都市は自動運転車やドローンの構想に関する議論を重ねて、公共交通機関全体の戦略の見直しを行っている。インフラの最も基本的なニーズは、生活と移動の方法に関するものだ。

それは、モノの移動についても同様だ。FedEx は、e コマースが 2016 年から 2018 年までに 26% 増加 (英文資料)し、世界全体では 2.4 兆ドルになると見込んでおり、これは車両 (自動運転であるかどうかを問わない) が利用する一般道や高速道路、港/空港のインフラ改善に対する圧力となる。

さらに、センサーやビッグデータ、IoT などのテクノロジーにおけるディスラプションが、隣接した都市間の、大型機械に取り付けられた歯車のような連携を促進する。

それが重要なのはなぜだろうか? 都市計画の設計者たちは、ビルやインフラの能力を増加する余裕のないエリアに対して、都市化の圧力を考察してしてきた。その代替として、収集されたデータを分析して、近隣都市間の移動密度を高める方法を検討する策がある。公共交通機関を活用すれば、何百万人をも加えた大都市圏を生み出すことが可能だ。

世界各地の都市の課題は、どう成長するかにある。都市の機能を維持しつつ、同時に変容するにはどうすればいいのだろう?

データと未来のメガシティ

隣接する都市は、共有するインフラと、互いの経済に与える影響においては一体だと言える。送電線や道路、交通機関、水道網、安全性 (英文資料) に境界はなく、地方自治体はかつてないペースの変革に直面している。そして、今後の進め方を決めるのが誰であり、その展望がどのようなものであるかに関しては、様々な議論が行われている。

インフラのデザインに関して、確実に言えるのは、IoT により収集されたビッグデータが、2050 年のメガシティの成長に重要な役割を果たすようになるということだ。Black & Veatch でスマートシティ ビジネス開発ディレクターを務めるステフ・ストッペンハーゲン氏は「ビッグデータとは、私たちを取り囲む全ての情報であり、さまざまな流れから収集されています」と述べている。「地下鉄で IC カードを使うと、システムはユーザーがいつ乗車し、どういうルートを利用して、どこへ行ったかという情報を取得します。これが、どう役立てられるのでしょう? 例えば、地下鉄のサービスがうまく機能しているかどうかを評価できます。サービスが問題なく提供されれば、このサービスが繰り返し利用されるでしょう。これが人々の動きを観察し、よりスマートなモビリティを生み出すためにデータを活用する一例です」。

とはいえ、全てのデータが有益な、あるいは実行価値のある情報へ変換されるわけではない。変化を続ける都市に対応するには、情報自体がインフラのひとつの形態であり、さらに大きなシステムの中で都市と都市をつなぐ、より優れた都市計画に使えるものだと認識する必要がある。

出発点は人間であって、テクノロジーではない。計画やデザイン、投資の決定と、それを支える政策の策定の際には、インフラの視覚化やシミュレーション、分析を行うことで情報提供を行い、迅速化が可能だ。ビッグデータと高度なモデリング技術の発展は、より大きな展望によるインフラの投資計画と優先順位の決定、見込まれる結果に対する理解、そして優れた成果へとつながっている。

スマート シティの実現は、単に IoT を利用したサービスの最適化や、居住者との情報コミュニケーションを意味するものではない。都市変革に際して、地方自治体意思決定の骨子形成に用いられる、構成概念であるべきだ。2050 年はまだ先のことに思えるかもしれないが、都市としての機能と変容、新興都市との競合が要求される既存都市にとっては、かなり間近に迫った未来だと言える。都市は進化を続け、持続的に発展し、レジリエンスを向上させて、さらに高まる市民の期待に応え、投資やビジネス、才能を引き込む必要がある。幸いにもデータとテクノロジーがうまくつながったコミュニティを生み出すことで、仕事と生活をより良いものにしていくだろう。

だが、都市計画にとって賢明な投資と政策決定は極めて重要であり、(助成金ではなく) 長期投資への移行がカギとなる。それを実現するため、都市がつなげる必要があるのは…

  • プロジェクト: 統一された都市構想を目指して構築され、アクセシビリティ、雇用、手頃な住宅の供給、健全な環境など、より幅広い経済目標を実現する開発。
  • チーム: 公共、民間のインフラ投資を解放し、ビッグデータを活用してインフラの性能を追跡する、政府の全レベルにわたって機能するコラボレーティブな取り組み。
  • 洞察: プロジェクトの計画開始時に全員をつなぐことで、都市の計画や機能、成長に大改革をもたらし、経済を成長させる新たなテクノロジー。
  • 結果: 経済目標を達成するため、都市計画/ビジネスケース評価に合致する、費用便益分析を使用するプロジェクト。

都市計画の未来は 3D

ビルディング インフォメーション モデリング (BIM) は、建築家やエンジニア、都市住民、意思決定者が利用できる膨大な量の情報へ意味を与える。高度な 3D モデリングによって、体系と資産を付き合わせたレベルでのリスクや問題を含む、複雑な情報の分析が実現可能だ。これは、インフラシステム全体が成し遂げようとしていることと、システムに含まれた個々の構成要素の目的との対比を考える、ということを意味している。この情報は、建築家やエンジニアがデザインを向上させ、個人、企業、都市がそれぞれの「スマートな」つながる目標を達成し、近隣都市を一体化するのに役立つ。

シミュレーション ソフトウェアと組み合わせ、3D のインコンテクスト モデル (状況モデル) を一貫して使用することにより、実際のインフラの性能について、仮定ではあるが現実的なシナリオを作成可能。3D で具体的な構想を行い、全員が理解できる目標と性能評価を議論する状況を整えることができる。

3D BIM プロセスの使用が、未来のメガシティの適切なインフラ構築に決定的に重要なスキル セットとなる。

テクノロジーによって左右の目を同時を使い、全体像と奥行きの両方が得られる。どちらか一方では、全体像は得られても、奥行きを感じることはできないのだ。この奥行きは、テクノロジーを通じて流れ込む情報がもたらす。情報を豊富に含んだモデルは、デザイン段階や建設段階を通して、インフラ投資を拡大させるのに役立つ。

絶え間なく変化する 3D の世界で 2D のデザインを使用するという手は、いずれ機能しなくなるだろう。3D BIM プロセスの使用が、未来のメガシティの適切なインフラ構築に決定的に重要なスキル セットとなる。

スマートな基盤を共に生み出す

都市がビッグデータに圧倒されて、その情報を実用価値のあるものへ変える能力に欠ける、ということは多々ある。BIM の利点は、複雑な都市デザインのプロジェクトに有益な全データ間のつながりを、ミクロからマクロまであらゆるレベルで管理できることだ。

未来のインフラ デザインに対する市民の理解は、イマーシブな協調で深められるだろう。バーチャルを利用してインフラへ実際に足を踏み入れ、そのインフラ内を歩き回るという手法は一般的になりつつある。これはデザインコンセプトの迅速な作成、評価、承認を支援し、利害関係者からの抵抗も抑えることができる。

人為的なシステム、自然なシステムの計画やデザイン、管理のインフラを情報が形作る、この「コネクテッドBIM」の時代の目標は、レジリエンスの高い、統合されたインフラを生み出すことだ。それにより、都市は自然災害や人的災害に耐え、より迅速に復興できるようになる。そして、都市の未来を支えるため成長できるのだ。

より多くの情報を収集して分析することで、土木技師たちは、橋や道路などのインフラ資産を管理し、寿命を延ばすために必要なことを、より正確に予測できるようになる。人口が増加し、インフラ需要が高まるにつれ、未来に備えた資産は、その真のライフサイクル コストを考慮に入れる必要が出てくる。

個人、コミュニティ、都市圏、さらには国レベルでの、テクノロジーによって支えられたスマート インフラのつながりは、管理と評価の機能を提供する。データ フィードバックの分析は、(その手段が人間の行為、機械によるアクションを問わず) 問題への取り組みに前向きな一歩を生み出す。

つながる 2050 年の都市では、エネルギー、水、交通機関、建物、ガバナンスなど、あらゆる種類のインフラが互いに「コミュニケーション」を行い、ニーズの優先順位の検討、性能の最適化を行って、エネルギーの消費を最小限に抑え、都市への居住や都市間の往来を行う人々の生活を、より楽しく生産的なものにするだろう。

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