もうひとつのニューヨーク: 「Never Built」プロジェクトがビッグ アップルにやって来る

by ArchDaily
- 2017年8月31日
Buckminster Fuller Dome, 1961.
バックミンスター・フラーのドーム (1961 年) [画像提供: Metropolis Books]

“Never Built”シリーズとして、これまでに「Never Built Los Angeles」の書籍展覧会、「Never Built New York」の書籍が存在してきた。Queens Museum は「Never Built New York」展の計画を含めた Kickstarter キャンペーンで (目標額を 15,000 ドル以上も上回る形で) 50,000 ドルを調達。ニューヨークを、さらに探索しようとしている。

サム・ルーベル氏とグレッグ・ゴールディン氏がキュレーション、クリスチャン・ヴァスマン氏がデザインを行うこの展覧会では、過去 200 年間に生まれた、現在のニューヨークの姿を大きく変えたかもしれない突飛な構想とアンビルト プロジェクトが紹介されることになっている。

Frank Gehry, Guggenheim Museum, 2000.
フランク・ゲーリーのグッゲンハイム美術館 (2000 年) [提供: Metropolis Books]

クラウドソーシングにより実現した、2017 年 9 月開催の展覧会には、オリジナルの図面や新たに作成されたモデル、3D ビジュアライゼーションなどをフィーチャー。Kickstarter キャンペーンのサポーターには、リターンとして展示用に作成された印刷物、展覧会への特別参加、さらには 3D プリント製モデルなどが用意される。彼らが提供した資金は、美術館の「Panorama of the City of New York」展示に組み込まれる 70 以上ものモデルを含む、めったに見る機会のないモデルや図面、スケッチなど、ギャラリーの設置の支援に使われることになっている。

展覧会の参加者は、現実のものになっていたかもしれないニューヨークの姿をビジュアルとして目にすることで、ニューヨークが現在の姿となった理由を学ぶことが可能。ニューヨークに対する最も洞察力に優れ革新的なコンセプトの数々は、アイデアを生み出したクリエイターたちのデザイン プロセスへの洞察も来訪者に提供する。実現されなかったデザインの多くは、社会が持つ最大の緊急課題が建築環境に大いに関係するものであるという事実を浮き上がらせる。常軌を逸しているように思われる構想の一部は、当時認識されていた社会問題に応える形で生まれたものであり、そうした問題は現在にも当てはまるものだ。Queens Museum は、Kickstarter キャンペーンの成功が、こういった問題へのイノベーティブな手法による対処についてのコミュニティの対話のきっかけとなることを願っている。

左から: ジョージ・ハウとウィリアム・レスケーズの MoMA、ルーファス・ヘンリー・ギルバートの高架鉄道、SHoP のスタジアム (2013 年)、チャールズ・ローリンソン・ラムの斜線道路計画 (1904 年) [提供: Metropolis Books]

この Kickstarter キャンペーンと展示は、サポーターやその他の来訪者に、実現することのなかった世界に居住する機会を提供する。これは、なじみの場所でありながらなじみのない環境へと自らを連れ出す旅なのだ。来訪者が、マンハッタンを覆うガラスのドームをイメージすることなどできるだろうか? バックミンスター・フラーには、それが可能だった。彼は年中快適な気候を生み出すドームを構想したのだ。高架の 6 番街線が、ゴシック様式のアーチとコリント様式の支柱からなる大気圧鉄道になっていたとしたら? エリス島も、国家歴史登録財にならなければ、全く違うものになっていたかもしれない。フランク・ロイド・ライトは、空調管理されたドームと動く歩道を装備した完全自給自足型の都市としてニューヨークの未来を思い描いていた。

この展示会は、ひとときの間、来訪者をニューヨークの現実から解き放ち、過去 2 世紀の間に活躍したビジョンと独創性を持つ思想家たちと過ごす広大な白昼夢へと誘うだろう。

Article by Megan Fowler. A version of this article appeared on ArchDaily.

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