新たな製造の仕事に必要なのは、新たな製造スキル

by Lisa Campbell
- 2017年7月11日
新たな製造スキル アセンブリ デザイン

交換部品の生産は、技術革命の出発点とは言えないと思うかもしれない。だが、この「交換」という概念は、業界を一変させる変化のために製造業の全労働人口が奮起する際に、特別な響きを持つようになる。

先日私は産業機械メーカーの工場でマネージャーたちと、かつての安定していた状況が今や破壊的な変化に直面していることについて議論を行った。3D プリントやその他のデジタル製造へ、よりアクセスしやすくなることで、こうしたメーカーのビジネスが奪い去られてしまうのだろうか。金属の 3D プリントやロボットにより、交換部品の大規模製造に携わる労働者たちは時代遅れの存在になるのだろうか?

波は到来しつつあり、その波に一掃されてしまうのではないかと、多くの労働者が感じている。新たな製造テクノロジーが、数々の職を脅かしている。これは避けることのできない、イノベーションの副産物とも思える変化だ。とりわけ、反復が多く、高い技術を必要としない (オートメーションにより最も絶滅の危機に瀕している) 仕事を行う人々にとっては、無理もない感情だ。だがこれが積層造形やオートメーション、その他の発展の可能性に関する、全てのストーリーを反映しているわけではない。

新たな製造スキル 波

人類の歴史を通じて登場してきた他の技術開発同様、製造業の発展も、創造重要なのは、新たな製造スキルに板挟みになった人たちへ、この過渡期に着実に前進するために必要な訓練を提供することだ。

第 4 次産業革命と名付けられたこの動きは遠い先の予測などではなく、今すぐにでも取り入れて理解すべき、産業界の状況の転換なのだ。適切な教育と企業家精神、国が抱えるブルーカラー労働者に新たな技能を習得させる政策により、ビジネスはこうした新たな機会を追求し、労働者は新しくやりがいのある仕事を見つけることができる。

オートメーションは、恐らくは労働者が最も怖れる変化であり、その影響は広範囲に渡る。雇用減少の主な原因として、その罪が対外貿易政策に着せられることが多いが、産業コミュニティへより大きな影響を与えているのは、調査結果によるとオートメーションだ。有名なボール州立大学の研究によると、21 世紀に失われた製造業関連の約 500 万のポジションのうち、貿易拡大によるものは、そのわずか 13 %だった。オートメーションこそが雇用減少の元凶であり、特に「退屈で、汚く、危険な」仕事がその対象となると、Association for Advancing Automation のボブ・ドイル氏は述べている。危険にさらされているのは、生活していけるだけの賃金と満足な住居、家族のための安定した生活を提供していた、こういった仕事なのだ。

迫り来るこの波は今や津波の勢いだが、先行するイノベーションの高まり同様、この転換は最終的にはそれが消失させる雇用よりもはるかに多くの機会を生み出す可能性がある。雇用減少との闘いは、前進を止めることを意味するわけではない。それは、失業した何千もの工場労働者がテクノロジーによって追いやられることのないよう、機会を受けて再び労働力として取り込まれ、育成されるよう、この転換を利用することを意味する。オートメーションは、こうした懸念にもかかわらず、低価格が高需要につながる領域でのコスト削減に非常に効果的だと実証されている。企業は労働者数を据え置いたまま生産を増大させることができるからだ。

複合材料を用いたパーツの作成から 3D プリンターのトラブルシューティングまで、雇用主が必要としている新たなスキルは、その登場があまりに急速だったため、正規の教育システムは足並みを揃えられていない。それに追いつくことは特に困難だ。なぜなら、新しい小型の製造ツールと共有経済の実践は、小企業にも再教育の予算を持つ大手企業と同じ (あるいはそれ以上の) 最先端技術が必要となることを意味するからだ。

新たな製造スキル 教育

状況をしっかり把握するためにも、現在の課題に対しては政府と産業界、個人、教育機関の間での連携と責任の共有が必要だ。まず、国と地方自治体の政府は、ますますペースを速めている労働市場に対して適応力のある職業技能を開発するためのさらなる機会を現在、未来の労働者に提供するためのインセンティブと政策を推し進める必要がある。先進的な製造スキルを推進する研修プログラムは重要だ。このままのペースで行くと、 米国の製造メーカーの労働力不足は 2025 年までに200 万人に達する。企業は競争力を保つためにも、このギャップを埋めるのに役立つプログラムを制定する政策立案者が必要だ。

米国のビジネスを後押しする政策を基盤として発展させるには、業界と政府が戦略を共有し、連携する必要がある。その一例が AmericaMakes で、アディティブ マニュファクチャリング (積層造形) に携わる企業をまとめ、政策を周知させつつイノベーションと研究を育成する組織だ。Digital Manufacturing and Design Innovation Institute (DMDII) は、工場に先進のツール、ソフトウェア、専門知識を提供することで米国の製造業の転換に取り組む公民連携。National Skills Coalition は、カリキュラムと「ミドルスキル」(不足している専門技能で、先進製造業に必要となる) 労働者向けのトレーニングの開発に意欲的な利益団体だ。

より小規模で焦点を定めたグループはまた、企業家同士をつなぎ、ネットワーク作りを奨励し、アイデアをビジネスへと転換する手助けを行うことで、こういった取り組みを支援することができる。機器製造メーカー ShopBot が発足させた 100kGarages などの組織は、デジタル製造に対するギグエコノミー (非正規労働で一回ごとに仕事を請け負う形態の労働市場) 的アプローチを促進している。これは、メイカーを短期かつ稼働時間の短い仕事 (ギグ) とつなぎ、「米国全土に広がる 10 万軒のガレージ規模の小工場」で今すぐに仕事に取りかからせる取り組みだ。また MakeTime は、パーツを必要とする人々と、稼働中でないマシンを持っている人々をつなぐことで、製造における CNC (コンピューター数値制御) 部分を単純化している。

新たな製造スキル ガレージ

教育的パートナーシップは、こういったグループの結束を支援し、人材とアイデア、新規労働者を新たな仕事や機会へダイレクトに結び付ける開発センターを生み出している。テクノロジーや教育について考える場合、従来はスタンフォードやカーネギーメロンなどの有名大学がまず頭に浮かんだ。だが、オハイオ州のヤングスタウン州立大学の Center for Innovation in Additive Manufacturing などといった地方の教育機関も、特定の地域のニーズに重要な役割を果たし、政府投資と企業、教育の機会をつなぐネットワークとなることができる。地元企業が提供する情報に基づいた需要主導型のトレーニングを推進することで、こうした教育機関が労働者と製造の技能、仕事をつなぐミッシング リンクとなるのだ。

産業界と製造におけるこの大きな変化は、適切なストラテジーを用いることでポジティブなものとなり、米国とその労働人口がより無駄の少ない効率的なものになるのに役立つかもしれない。新たなテクノロジーは、製造をより低価格なものとし、小型部品のビジネスの範囲を拡大して、大企業と競争するチャンスをスタートアップに与えるようになるだろう。メイカーも活動家も、興奮し、活気付いていることだろう。新技術の習得、教育、トレーニングにフォーカスすれば、テクノロジーによって製造業の労働力がコントロールされることはなくなる。代わりに、業界とそのパートナーが、より多くの労働者に未来への民主的なアクセスを提供するようになるのだ。

関連記事

Success!

ご登録ありがとうございました

「創造の未来」のストーリーを紹介中!

日本版ニュースレターの配信登録