建設業界の新たなテクノロジー: 2014 年の 10 大イノベーション

by Curt Moreno
- 2015年1月5日
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Van Gogh-Roosegaarde Cycle Path. Courtesy Studio Roosegaarde.

2015 年が始まったところで、昨年を振り返ってみることにしよう。2014 年度は、建築・建設や土木業界のテクノロジーが大きく進歩した年だった。

2014 年には、測量方法から建築技術まで、注目すべき画期的なことが数多くあった。建設業界で 2014 年のニュースとなったトレンドや新たなテクノロジーを紹介しよう。

リアリティ キャプチャ テクノロジー
建築や建設、土木の作業の前に、必ず測量が必要だ。それを考えれば、2014 年に、その基礎的な業界に幾つかの興味深い進歩が見られたのも当然だろう

1. Pegasus Two
測量が基本であることは誰もが理解している。だが、測量にはかなり時間がかかるのも事実だ。高精度な測量を行う技術と機材があっても、大規模なプロジェクトでは測量にかなりの時間が費やされてしまう。測量を、もっと短時間で行えないものだろうか? それを実現する車両搭載型 HDS スキャンシステムが Leica Geosystem Pegasus:Two は、360 度の測量を時速 80 km 以上で実行できる。

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Leica Pegasus:Two [提供: Leica Geosystems]

2. ドローン測量
2014 年はドローンと呼ばれる、小型で遠隔操作できる無人航空機の技術の年でもあった。この多才なデバイスにより、法執行から商業まで制限なく実行できる。このドローンが建築・土木業界にも導入され、測量の革命が期待されている。高精度のデジタルカメラと先進的なソフトウェアにより、この小型飛行体で測量が新たな高みへ到達しようとしている。

建築テクノロジー
建築は、人間の基本的な行動のひとつだ。単純な小屋から現代の高層ビルまで、人間は何世紀にも渡って構造物を創造してきた。建設テクノロジーとその実践は継続的に進化を続けており、2014 年も例外ではない。

3. 3D コンクリート プリント
エジプト人が石灰や石膏のモルタルで石材を張り付ける実験をして以来、コンクリートは大規模な建設プロジェクトへ世界中で使われてきた。そして複雑な建物の形を作るため、3D プリント テクノロジーが統合され始めている。この組み合わせは、こうしたコンポーネントの製造に必要な時間を、週単位から時間単位へと大幅に削減できる可能性を持つ。

4. スマート ハイウェイ
2014 年、オランダで最初の Smart Highway プロジェクトがオープン。特別な発光ペイントによる路面標示が行われているが、自動車向けだけではない。自転車道には、フィンセント・ファン・ゴッホにインスパイアされた暗闇で光る石を使用。将来的な目標のひとつが、温度に反応してドライバーへ気象警報を提供するロードペイントだ。

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Smart Highway [提供: Studio Roosegaarde]

環境テクノロジー
環境意識は、もはや一部の団体が持つ危機感ではない。2014 年においては、環境問題は最前線にあり、建築・土木プロジェクトを必要とする場合も多くなった。幸運なことに、建築・土木の世界にも素晴らしい進化が増えている。

5. キネティック ロード
生態系の理解が深まるにつれ、サステナブルで生態系にやさしいエネルギーを創造する方法が、さらに探し求められている。イタリアの Underground Power という会社は、自動車のブレーキで放出される運動エネルギーをキャプチャする方法を開発した。このデバイスは、年間で石油 19 t (!) に相当するパワーを生み出すポテンシャルを持っている。

6. ソーラー ロード
不活性な通路をエネルギーを生成する存在へ変える方法は、運動学以外にもある。スコット & ジュリー・ブルソー氏は2009年から、道路用の組み合わせ式ソーラー タイルのシステムを開発し続けている。このソーラー タイルは太陽光で発電でいるだけでなく、最大 125 t の荷重に対応。最終的には、合計 31,250.86 平方マイル (約 80,940 平方 km/九州全体の 2 倍以上) もの米国の道路や駐車場、私道、遊び場、自転車道、歩道を世界最大の電力ネットワークにできるかもしれない。

7. タイニーハウス ムーブメント
1997 年にサラ・スザンカ氏が「タイニーハウス」ムーブメントを始めて以来、世界中で小さな家のメリットを見出す人が増えている。その 1,000 平方フィート (約 93 平方 m) 以下の家は、空間を最大限に活用するための、あらゆる建築手法を採用。この小さな動きは、2014 年にニュージャージー州選出の上院議員が貧困層やホームレスのサポートにタイニーハウスを検討し始めると、一挙に注目を集めた。

どこでも BIM
ビルディング インフォメーション モデリング (BIM) は建築・インフラの分野では比較的新しいコンセプトだが、急速に浸透してきている。非常に革新的なソフトウェアやハードウェアを含む、様々なテクノロジーが、その成長に拍車をかけている。

8. ビジュアライゼーション、仮想化
2014 年には、Oculus Rift などのデバイスを含むソリューションが多数発表された。さまざまな価格帯のシステムが発売され、没入感を持つVR (バーチャル リアリティ) の先進的なテクノロジーを、あらゆる建築・土木会社が入手可能になった。先進的なソフトウェアとデュアルディスプレイを組み合わせたシステムにより、デザイナーやクライアントがビルディング インフォーメーションに生命を注ぎ込めるようになったのだ。

最新テクノロジー 建設業界 Oculus Rift
Oculus Rift Stereoscopic 3D view [提供: Courtesy Oculus]

9. Project Tango
Google の Project Tango は、ハンドセットやタブレットを使い、デバイスにマウントされたカメラで記録された空間データを簡単にキャプチャ、分析できるユニークなシステム。2014 年、Trimbleがアナウンスしたコンセプト アプリケーションでは、BIM データを活用し、デバイス上で編集可能な 3D モデルを簡単にキャプチャできる。Project Tango は現在も開発段階にあるが、このテクノロジーが建築・土木の世界へもたらすものを、前述のアプリケーションで垣間見ることができる。

10. クラウドで BIM
ビッグ データ、クラウド コンピューティングが一般に知られるようになったのは 2013 年だが、BIM ツールとしての地位を築いたのは 2014 年だ。今ではこのテクノロジーが、従来は不可能だった世界中の建築・土木業界のプロたちのコラボレーションに役立っている。このコラボレーションにより、施工ミスや手戻り、コストが減る一方でデザインは加速している。

建築・土木業界における新しく成長するテクノロジーにおいて、2014 年は間違いなく重要な年だった。スマート ロードからクラウド コンピューティングまで、テクノロジーは設計と建設の成長をあらゆる面でサポートしている。そのため、一年を振り返って10大イノベーションを選ぶのは、非常に難しい作業だった。

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