建設からマネジメントまで: 建設後段階でのコラボレーションという新たなモデル

by Angus W. Stocking, L.S.
- 2017年10月3日
建設後段階 IMCO Construction
IMCO Construction はオーナーとのパートナーシップを運用・管理の段階へと拡張する新たな手段を模索中 [提供: Will Austin]

IMCO General Construction は、建設会社とオーナーの関係を崩壊させたり、逆転したりする意図を持っていたわけではない。ワシントン州ファーンデールを拠点とするこの会社は、お互いのメリットを約束するオーナーたちとの間で、「建設後段階」でのコラボレーションとでも呼べるような新たなコラボレーションの手段を模索している。

IMCO は、この新たなモデルで、施設の建設で得られた設計と専門知識を持続的かつ長期的な機会へと活用する、運用・保守契約 (O&M 契約) を請け負う。オーナー側には、新たに建設される施設の、最高レベルの管理業務が提供される。

IMCO が関わった、僻地での抗廃水処理施設の建設という大型プロジェクトは、2/3 まで進んだあたりで、そのコラボレーションが転換し始めた。このプロジェクトは、ワシントン州中北部のシュラン湖近郊にある、廃坑となった銅山の改善努力 (英文資料) の一環だった。IMCO シニア プロジェクト マネージャーのフレッド・シモンズ氏は「オーナーから処理施設の運用に関する提案を持ちかけられました」と話す。「長期にわたる選定のプロセスで、特に建設時のパフォーマンスにより、オーナーの信頼を得ることができました」。

建設会社の選定が長期的な運用契約で行われるのは珍しいが、今後はもっと一般的なものになるだろう。新たな時代においては、建設会社はデザインプロセスに統合され、デザイン、建設可能性、実施、引き渡し、最後は運用段階という、ビルディング インフォメーション モデリング (BIM) によるライフサイクル管理の論理的な延長だと見なされるようになる。

建設後段階 抗廃水処理施設
この抗廃水処理施設は人里離れた場所にあり、都市部からの移動には丸 1 日が必要 [提供: Will Austin]

IMCO はこうした機会に向け準備を整えていた。「弊社はこのような施設を 30 年以上にわたって建設し、折に触れて運用スタッフを養成してきました」と、シモンズ氏。「処理施設の運用と保守は、理に適ったステップであり、探し求めていた機会でもありました。このプロジェクトで、それらが全て一体になったのです」。

この抗廃水処理施設は人里離れた場所にあり、フェリーも含めると、都市部からの移動には丸 1 日かかる。運用に際して、IMCO は処理施設を常時稼働させられるよう、当番制で勤務する常勤職員を雇用した。新たに雇用されたこの IMCO 職員たちは、現地に IMCO が建設したロッジで生活し、常勤の医療スタッフと調理スタッフからサポートを受ける。

運用スタッフは、処理施設の稼働前に雇用されて現地に入り、主要部分が完成すると徐々に業務を引き継いでいった。「非常にスムーズに進んでいます」と、シモンズ氏。「採用した職員は非常に優秀で、うまく業務を行っています」。

だが彼は、これほどのレベルでの成功は簡単なことではなく、必ず保証されるものでもないと指摘する。O&M 契約が IMCO とオーナーの両方にとって実行可能なものとなるには、さまざまな要因が関わってくるとシモンズ氏は感じているのだ。

post construction phase collaboration
この施設の運用と管理は、IMCO にとって理に適ったプロジェクトの次のステップだった [提供: Will Austin]

総合的な構想と雇用がもたらした成功
「処理施設のスタッフは IMCO の別部署ではなく、IMCO そのものです」と、シモンズ氏。「給与はすべて IMCO から支払われ、ほかの社員と同じ各種支援や福利厚生を受けています。役割は独特であっても、家族経営である我が社に完全に統合したいのです」。

成功を収めた建設会社の統合に関しては、IMCO 内部にも社の新方針に対する意見の相違はない。「社内における、この契約の支持は一致しています」と、シモンズ氏。「それは処理施設のオーナーにしっかり伝わりましたし、決定要因のひとつにもなりました」。

シモンズ氏は、優秀な人材の重要性を強調する。「スタッフは皆、専門分野のエキスパートで、処理施設や産業用施設の豊富な経験を有しています。この契約のために選ばれた人材です」と、シモンズ氏。

優秀な人材を雇用するには、優秀な採用担当者が必要だ。IMCO は雇用プロセスに数カ月をかけ、ヘッドハンターは利用しなかった。その代わりに、優良なネットワークを開拓してきた現社員、さらには元従業員の力を借りている。

post construction phase data
IMCO はワシントン州にある廃坑となった銅山の改善努力の一環として抗廃水処理施設を建設 [提供: IMCO]

「建設管理者になるため退社した元社員が新天地を探していると耳にしたので、すぐにコンタクトを取りました」と、シモンズ氏。「それによって、すべてがうまく収まることになりました。彼の経験をもとに、多数の有能なスタッフを迅速に採用できました」。

もちろん、単に採用するだけでは十分ではない。IMCO は新規採用者の研修、養成に十分な時間をかけた。このプロセスには、処理施設の稼働前の現場における、数カ月間の実習も含まれていた。

オーナーを理解し、プロジェクトを理解する
オーナーと IMCO は、長期にわたる綿密な選定プロセスを経て、着工前に互いをよく知る間柄となった。そして実際の建設作業が進むにつれ、強い信頼関係が構築されていった。BIM の大規模な活用も、その一因を担っている。

「百聞は一見にしかずと言いますが、このプロジェクトにおいて、モデリングが非常に優れたツールであることが証明されました」と、シモンズ氏。「オーナーの目の前にモデルを提示し、干渉部分を指摘して、先を見越した問題解決を行うよう連携することができました。また、建設中の現況のレーザー スキャン結果を基にモデルを更新していきました。これによって 極めて迅速な建設が実現し、18 カ月のスケジュールをわずか 8 カ月に短縮できました (英文資料)。それが、建設中の施設の運用を弊社に任せたことが正しい選択だったというオーナーからの信頼につながりました」。

post construction phase 3D model of water treatment project
IMCO の抗廃水処理計画プロジェクトの 3D モデル [提供: IMCO]

O&M 契約の未来は?
この抗廃水処理施設の建設と運用は、プロジェクトをより良いものとする、フィードバックの好循環をもたらした。新たに雇用された運用スタッフの言葉に応えて建設の最終段階に変更が行われ、また処理施設の稼働後、請負に精通したスタッフにより、さらに効果的な運用を行う追加変更も提案された。

この経験を基に、今後 IMCO はこうした O&M 契約の獲得を進めるつもりだろうか? 「こういうバックグラウンドと経験を手にしたからには、もちろん同様の契約の獲得に努めていくつもりです」と、シモンズ氏。「特に、この処理施設のような抗廃水処理施設や遠隔地にある施設を念頭に置いています。ただし、あらゆる種類の処理施設で弊社が必然的に最適な選択肢になるとは思いません。全てはプロジェクトとオーナー次第であり、弊社の実績がオーナーのニーズにどう合致するかです」。

そしてもちろん、それは適切な人材を発掘し、確保することにかかっている。

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