気候変動に対する世界各地でのアクション 7 例

BY KEN MICALLEF

4 月 22 日のアースデイ 2017 では、気候変動に焦点を合わせ、それに対する取り組みを行うことへの決意が、これまで以上に重要なものとなった。

ドナルド・トランプ大統領が発令した、規制撤廃に重点を置く大統領令は、オバマ大統領時代の環境政策の多くを剥ぎ取るものだ。これは、地球温暖化の破壊的影響を抑制するべく 2016 年 11 月に (米国を含む) 132 カ国が採択したパリ協定の精神に反するものでもある。

だが、米国政府が気候変動を否定するかどうかにかかわらず、機略に優れたスタートアップや世間に認知された企業、個人が、未来の環境問題に対処する新たな方法の模索を続けている。そして、テクノロジーとひらめき、イノベーションを用いて、変化する今後の世界の課題に対応しようとする試みが、米国だけでなく全世界で行われている。

以下に紹介する Redshift のストーリーは、気候変動問題の解決策を生み出すべく積極的に取り組んでいるメーカーや企業、団体を取り上げたものだ。彼らのアプローチに共通しているのは、気候変動の定義を発展させることに重点を置いていること。気候変動は、あらゆるものに影響を与える。彼らが示しているのは、誰もが気候変動の原因と影響の理解を通じて、その影響を緩和し、異なるパラダイムに順応するための行動を取れるということだ。

気候変動に適応したデザイン

このデザイン決定が、エネルギーに与える影響は? この選択はエネルギーと天然資源の生産性をどう向上させるのか? オートデスク サステナビリティ部門の統括責任者であり、オートデスク基金 (Autodesk Foundation) のプレジデント兼 CEO であるライネル・キャメロンによれば、これこそデザイナー (機械エンジニアから建築家までを含む) が必ず早い段階で、かつ頻繁に自問すべき問いだ。彼女は、プロジェクト着手時にデザイナーが環境問題について考察すべき (コストを抑えつつ価値を付加することにつながる) 5 つのアプローチについて説明している。この検討がクライアントやサプライヤー、協力会社、同業者へ、気候変動に影響する選択肢に関するアドバイスを与えることにもなる。全員の合意があれば、製品やプロジェクトのライフサイクルを考慮した長期的な決定が、より優れたサステナビリティ、そして事業経費の削減につながる。

より良い 2030 年に向けた建設

2030 Challenge とアメリカ建築家協会による支援イニシアチブ AIA 2030 Commitment は、共に化石燃料への依存度を下げ、2030 年までに建物、開発、大型改修の全てをカーボン ニュートラルにするためのフレームワークを提供する計画を作成している。そして素晴らしいことに、それを米国内の建築、エンジニアリング、プランニング分野のトップ 10 企業の 80%、トップ 20 の 65% と、米国やカナダ国内の多くの機関と地方自治体が採用している。この記事では、意欲的かつ緊急性の高い 2030 年の目標達成のため、公私企業と機関のプロフェッショナル 5 名が立てた計画を紹介している。

日課を気候変動に適応させる

日中は摂氏15 度まで上がることもあれば、夜はマイナス 9 度まで冷え込むこともあるニューヨーク市の冬の天候パターンを体験したことがあれば、気候変動が遠い未来の話ではなく、今日の深刻な懸念であると理解できるだろう。未来志向の企業各社は、洗濯機として動作するフィットネス マシンから水をリサイクルするシャワー システムまで、近未来の日課となり得る解決策をデザインしている。電力に関して重要なのは、移動体や太陽光発電から、歩行の運動エネルギーを取り込むことによる携帯電話の充電まで、ハイブリッドな形態だ。

海面上昇から都市を救い出す

気候科学の専門家の一部は、サンフランシスコ湾の水位はこの先数十年のうちに 90 cm以上も上昇すると予測している。地球規模の調査によると、世界人口の約 1/10 にあたる 6 億 3,400 万人が沿岸部の低地に居住し、海面上昇の影響が生み出す危険にさらされている。こうした憂慮すべき統計結果は、海岸工学にイノベーティブな設計手法を取り入れる必要性を示している。つまり、堤防や雨水排水、地下水面に関する新たな科学技術や実践方法の活用、高架道路や鉄道のデザイン、変化する FEMA 洪水マップに基づく敷地図のかさ上げ、より高度な風荷重抵抗を義務付ける新たな建築基準法の制定などだ。

ストーリーテリングで地球を救う

ジャック・クストー氏、ベルナール・モワテシエ氏、シルヴィア・アール氏らの語り手は、地球の海の運命について説明し、世界各地の人々が認識すべきことと、それに配慮すべき理由を提供してきた。現代の語り手たちも、テクノロジーで強化された手法を用いて海の物語を語り、同様の贈り物を授けることが可能だ。Hydrous は、オープンアクセスな海を作り出すことを最終目標に掲げ、絶滅の危機に瀕したサンゴ礁の高解像度 3D モデルをキャプチャしている非営利団体だ。ウッズホール海洋研究所のブレンダン・フォーリー博士は、最も重要な水中遺跡発掘現場と言えるアンティキティラの沈没船の研究を主導している。ここには、アルキメデスが設計したと考えられている古代の青銅製コンピューター、アンティキティラ島の機械がある。フォーリー博士とそのチームは今後の世代のために、沈没船の遺物の保存も行っている。

自然災害からクリーンなエネルギーを生成する

2011 年 3 月の東日本大震災に端を発した福島第一原発事故に大きなショックを受けたエンジニア、清水敦史氏は、壊滅的なダメージとも成り得る台風を有効なエネルギーに変換する画期的な発電機のプロトタイプを設計。その後チャレナジ―を設立し、災害をもたらすこともある嵐の強風にも耐えうる、プロペラを持たない風力タービンを生み出した。氏は「マグナス効果」(このタービンを実用可能とする物理現象) を応用して 2013 年に特許を取得。今後、このタービンが病院、学校、避難所で役立てられることを願っている。「台風やハリケーン、サイクロンのハザードマップが、10 年後には水素社会の一端を担うエネルギーマップになっているかもしれません」と、清水氏は述べている。

サステナビリティをオープンソースに

グローバルなメイカー コミュニティは、その未来を懸け、また時には自身が所有する知的所有権すらも投げ打って、気候変動と闘うためのオープンソースな新手法を生み出している。POC21 Innovation Camp (「未来をエコハックする」がキャッチフレーズ) は、オープンソースのサステナビリティと製品に全力を傾ける 100 名の DIY イノベーターによる会合だ。この集会はパリ郊外にある 16 世紀の城で 2015 年晩夏に開催され、化石燃料フリー、廃棄物ゼロのグローバル コミュニティという究極の目標をもとに実施された。メイカーたちは、政府や大企業の腰が重くても、個人にも DIY ソリューションを向上させることが可能であると主張し、それを実証している。

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