Robo Challenge が芸術性とエンジニアリングでクラス最高のボットを構築

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Robo Challenge のクモ型ロボット Attacknid の一群 [提供: Robo Challenge]

ロボットで遊ぶ子供が多いことはもちろん、ロボットが多くの大人たちの中に棲む「子供」を呼び覚ますのもまた明白だ。そうでなければ、映画「トランスフォーマー」シリーズの成功や、火星探索車に対する高い関心、米国の「Battlebots」や英国の「Robot Wars」といったテレビ番組の人気は説明できない。

ロボットに神秘性を与えているのは、選ばれし幸運な者だけがロボット製造で生計を立てることができるという、妬ましくもうらやましい真実だ。だが、イギリス・バーミンガムを拠点に活動する Robo Challenge にとって、これは家族の問題だ。ジェームズとグラントのクーパー兄弟と彼らの父親は、あらゆる種類のロボットを製造しており、その作品が多大なる注目を集めている。

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Robo Challenge が手掛けた「Robot Wars」用ロボットとグラント・クーパー氏 [提供: Robo Challenge]

ロボット設計者の大半は、探査や医療、製造など、その機能が唯一の要件となる分野で学び、それを実践する。だが Robo Challenge は、クリエイティブなエンジニアリング コンサルタント会社という独自の立ち位置にいる。

それが意味するところは? Robo Challenge にとって、それはかつてない最高にクールなロボット工学プロジェクトを生み出すことだ。クーパー兄弟は、テレビ番組でバトルを繰り広げる“ボット”を製造。サムスンがローンチする新しい携帯電話サービス用には、ユーザーがコントロールできるカメラを搭載したローバーを作った。販売促進のためにホットなニュース作りが必要だった玩具メーカー Wow! Stuff には高さ 1.5 m のクモ型ロボットを大量に製作。これはリモコン制御可能な Wow! Stuff 製のおもちゃ Attacknid の特大サイズ版だ。

そして、こうしたメーカーや BBC、キャドバリー、コンバース、マイクロソフト、サムスン、シリーズ番組「Stan Lee’s Superhumans」、さらにはアブダビの王族まで幅広いクライアントが、Robo Challenge に不可能はないと理解するに至った。

その絶賛をよそに、共同設立者のジェームズ・クーパー氏は、彼が単なるエンジニアではないという我々の評価に謙遜してみせた。クールな外観であると同時に正しく機能するモノを作るという目標を持つクーパー兄弟は、アーティストでもあると言える。「世間にはもっと有能なエンジニアがいます。私たちはエンジニアリングの知識を持ち、創造力豊かですが、エンジニアリングこそ、私たちの業種における目的を遂行可能な唯一の手段です」。

従来のエンジニアリングには特定の思考過程が要求される、とクーパー氏は話す。だが、クライアントが Robo Challenge へと足を運び、「こういったことができれば嬉しいが、実現可能だろうか?」と尋ねると、クーパーは笑顔で必ず「はい」と答える。その後、彼は 約束を実行に移すプロセスで、Robo Challenge のクライアントに「十分な時間と予算さえあれば、不可能はありません」と説明する。そのことは、マイクロソフトに尋ねてみるといい。クーパー兄弟は Autodesk Fusion 360 を活用してエンジニアリングの創造力を発揮し、Xbox 用ゲーム「ReCode」の犬型ロボット Mack の実物大レプリカを構築するという、並外れた難問に対処した。

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Mack the dogbot [提供: Robo Challenge]

ロボットと共に成長
現在の Robo Challenge の在りようは、事実上、テレビの登場と共にスタートしたと言える。「学校向けの科学やテクノロジーに関する教育ワークショップへの参加、そして開催を行うことで我々の名が知られるようになり、作品を目にしたテレビ番組から連絡を受けるようになりました」と、クーパー氏は話す。クーパー兄弟と友人たちは既にリモート制御の自動車の世界に没頭しており、独自の改造車を製作していた。これはバーミンガム中心部にある、父親が経営するキャスター、車輪の製造会社を利用できたおかげだ。

クーパー兄弟は、10 年ほど前にテレビ番組「Robot Wars」の英国版にすっかり夢中になって (結果としてこの番組の製作を行うようになった)、英国内の他のテレビ番組で定期的に仕事をするようになり、Robo Challenge はその名を国外でも本格的に知られるようになった。

制作会社から広告代理店、ゲームや消費財メーカー、公共事業に至るまで、あらゆる規模と種類のプロジェクトに参加依頼が寄せられるようになった。構築方法について聞かれた後で、各プロジェクトの可能性を考察する段階が一番楽しいと、クーパー氏は話す。

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「Robot Wars」の Dead Metal とジェームズ・クーパー氏 [提供: Robo Challenge]

現在、Robo Challenge はロボット研究所として、そしてアート スタジオとして、その名に相応しい存在となった。「我々が生み出すのは単なる小道具ではありません。全ては機能面でも万全である必要があります」。つまり、大抵のほとんどのロボット設計者とは異なり、デザインの全段階に機能と外観の両方が組み込まれている必要がある。

Robo Challenge には独特の強みがある。クライアントとの関係が重要であり、それは最高のアイデアを閃かせる上でプロジェクト自体が重要な役割を果たす。クーパー氏はこれを、コラボレーティブな開発の進行中に生じる進化的プロセスと呼んでいる。

新たな未来
多くの製造メーカーやデザイン会社同様、Robo Challenge も 3D プリントや CNC (コンピューター数値制御) 機械加工、3D デザインなどのテクノロジーを用いて、そのワークフローを変容させてきた。クーパー氏は、全てを弓のこやハンドベンドで加工していた日々を覚えている。全てをスケッチから起こしていたため調整には長い時間がかかり、それにより製造プロセスはさらに時間のかかるものとなっていた。

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Robo Challenge は、 BBC の子供向け番組「Blue Peter」と、募金を呼びかける Sport Relief 2016 大会へのこの番組の参加用に Wave Runner を製作 [提供: Robo Challenge]

「ジェットエンジンを搭載した自転車の製造記録を持っていますが、デザインと製作にたっぷり 1 カ月かかりました」と、クーパー氏。「今なら製造開始に先だって数日で製図やシミュレーション、開発を行うことができます」。

また彼は、デジタル ツールがプロセスをさらに効率良く迅速なものにするだけでなく、最終製品を向上させてもいると付け加える。Robo Challenge のエンジニアたちは、製造段階で何とか「ほぼ満足できるもの」にするのでなく、完璧なデザインを仕上げることに多くの時間を使うことができる。

だが、 Robo Challenge を支えるテクノロジーや技術、工具に変化はあっても、クーパー兄弟のロボットへの情熱は失われていない。単なるデザイン&ビルドの事業者とは異なり、Robo Challenge が行っていることは単なるロボットの製作だけではない。それはそのまま、Robo Challenge が生み出す作品が体験することに直接つながっているのだ。

「Robot Wars に初めて参加したときは、単なる家庭用ロボットを製作するという選択肢もありました」と、クーパー氏。「しかしあのとき、私たちがロボットを実際に動かし、撮影やその他諸々の活動に参加しなかったのであれば、私たちを取り巻く状況は今と同じではなかったでしょう。熱意を共有することが、本当に重要です」。

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