ビジネスにソフトウェア開発の競争力の構築が必要な理由

by Amar Hanspal
- 2017年4月10日
ソフトウェア開発 競争力

現時点における自身のビジネスは、オートモーティブや建築、製造、エンジニアリングだと認識しているかもしれない。だが、すぐにソフトウェア事業にも関わることとなるだろう。

これは、コードを書いたり、モバイル アプリをリリースしたりするようになるという意味ではない。建設や精密機械の分野にいても、今後はどの事業にも、ある程度はソフトウェア開発の技能が必要となる。全てがデジタル化されつつあり、読者だけでなく、だれもが同じ苦境に立たされている。

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読者のビジネスは、デジタルや IoT 製品から (今のところは) 最も遠いところにあるかもしれないが、競争上の優位性を維持したいのであれば、自社とカスタマーやサプライヤーとの交流や製品開発、メンテナンス プロセスのうち、どの部分のデジタル化に意味があるかを検討する必要がある。

特殊なソリューションの構築
クリス・アンダーソン氏の著書「ロングテール」をお読みになった方は多いだろう。その中でアンダーソン氏は、これまで企業各社が市場に多様なソリューションを提供できていなかったのは、物理的な製造や流通、販促活動が法外に高価だったからだと説明している。だがインターネットの到来により、流通とマーケティングの限界費用は劇的に低下。その結果として企業は、人々のニーズに応える特殊なソリューションや製品を構築できるようになった。

アンダーソン氏の例に倣って、対象が限定的な映画を考えてみよう。例えば実存主義的でアヴァンギャルドな、ニワトリについての映画だ (この種の映画は大抵モノクロで、間違いなく字幕付きだ)。レンタル店チェーンの場合、この映画の DVD を各店に置くことは無駄になるだろうが、インターネットであれば、アヴァンギャルドなニワトリ映画を心から愛する 4 人を探し出す手段を提供してくれる。プラットフォームとしてのインターネットにより、こうした特殊な興味を持つ人々を単一の環境に統合することが可能で、それが活気ある強力なコミュニティを形成する。

製品の製造を行う会社を例にとれば、カスタマーや従業員から技術管理、出荷、受領、工場生産まで、この種の企業が成功を収めるための要素の多くは、競合する製造会社にも共通している。この会社は恐らく、こうした職務に対処でき、一般的な製造ニーズの約 70% を満たすような、市販されている何らかの自動化ソリューション パッケージ製品 (CRM、ERP などを想像するといい) を使用しているだろう。

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プラットフォーム ソリューションの活用
その一方、この製造会社には、そのビジネスを唯一無二の存在にできる要素も 30 % 残されている。例えば、この会社が靴メーカーだとしよう。靴メーカーには、バイヤーへカスタマイズのオプションを提供する能力が必要だ。例えば購入者の足をスキャンし、素材の選択肢を提供して高品質のビジュアライゼーションを実現し、コストや入荷予定をルアルタイムで予測できる販売店向けアプリの利用が考えられる。だが、上記のアヴァンギャルド映画の場合と同様、このメーカーが靴の構成設定を行えるアプリケーションを作れるソフトウェア会社を、簡単に見つけられるとは考えにくい。つまり、この靴メーカーには、独自のソリューションを構築して対処する必要がある。

この状況こそ、ソフトウェア開発能力が必要とされる場面だ。ものづくりの未来において企業が競争力を維持するには、例えばオイル タンカー運転用のユーザー インターフェースや、原価見積システムなど、独自の生産やカスタマイゼーション、サプライチェーンのニーズに応えられる、カスタマイズされたデジタル ソリューションが必要となる。だが、それはカスタムメイドによる独自のソフトウェアを構築するために、多数のソフトウェア開発者を雇用する必要があるということではない。

現在、既に Amazonや Salesforce などの企業が、ビジネス支援を行うデジタル プラットフォーム ソリューションを提供している。それにより、カスタム ソリューション構築に伴う追加費用を最初から極めて低く抑えることが可能だ。こういったクラウドベースのプラットフォームが機能しているのは、簡単かつ柔軟に使用でき、どんな企業も独自のソリューションを構築できるためだ。例えば、Amazon Web Services を使用して、Saas やモバイル アプリケーション用のソフトウェアを記述している企業は数多くある。このプラットフォームは非常にパワフルだが、物理的な世界は全く理解しない。

ものづくりの未来に必要なプラットフォーム
建築や建設、インフラ、製造、自動車などの業界の、ものづくりの未来に深く関わる企業は、物理的なものを描写し、その妥当性を確認し、製作や構築を行う機能を提供するプラットフォームを求めている。

先ほどの架空の靴メーカーの例と同様、ある自動車業界の大企業は、クランクシャフト供給業者専用のカスタム アプリケーションを必要としていた。そのアプリは 1 社のためだけのものだが、クランクシャフトのデザインを納入前に確認するプロセスをデジタル化する、重要なツールだった。この自動車メーカーは、そのソリューションを Autodesk Forge プラットフォームを使って作成した。

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また、ある構造エンジアリング企業は、音響やサウンド、振動、応力といった特性のマルチフィジックス解析の実行を必要としている。そのため、デザイン検証用に長年にわたって開発してきた自社製アルゴリズムをサポートする、独自のエンジニアリング ソフトウェアを書く必要がある。ものづくりの未来のために構築されたプラットフォームであれば、各企業のビジネスの独自の部分をデジタル化することが可能だ。

朗報なのは、ひとつのプラットフォームが、全ての企業の全ての役割を担う必要はないということだ。プラットフォームは、互いに連携するようデザインされている。例えばたとえば、Sonos ホームオーディオ システムを所有していれば、Sonos に Spotify アカウントと Pandora アカウントを伝えればいい。Sonos は、曲再生のために全曲を保管しておく必要はない。Web サービスを使用して、ユーザーのさまざまなアカウントにコネクトできる。Forge は、例えば製造と機械加工用に Proto Labs と、クラウドストレージ用に Amazon と、それぞれ連携できる。インターネットを介して人間同士がコラボレーションできるように、プラットフォーム同士もコネクトして連携できる。これは、以前は不可能だったことだ。

独自のソフトウェアを開発する能力を伸ばし、ビジネスを独自の存在にしている 30% に取り組むことは、企業のデジタルの未来を保証することになる。あらゆる業界におけるモノの製造と提供、販売手法を含む、ビジネスのエコシステムが完全に変わりつつあることに、もうお気づきだろう。競争力を維持するには、この流れに合わせて首尾良く変革し、今すぐデジタル化の能力について検討していくべきなのだ。それを競合他社が始める前に。

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