Team4Tech: デザイン思考とテクノロジーにより発展途上国により良い世界を実現

by Dana Goldberg
- 2016年4月17日
提供: Team4Tech

門外漢にとって、「デザイン思考」という言葉はぴんとこないかもしれない。デザイナーやエンジニア、建築家であれば、より優れた製品 (あるいは、必要以上に多いボタンでユーザーをイライラさせることのない) を作るための反復という概念だと理解できるだろうか。

Team4Techは、発展途上国や十分な資金設備のない地域におけるデジタル リテラシーとテクノロジーの促進を目指してボランティアを派遣する、世界をよりよい場所にすることに注力したスタートアップだ。彼らによる革新的な一般参加型プロジェクトは、全てデザイン思考に深く根差したものとなっており、コンセプト全体を一歩先に進めたものだ。

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ベトナムで学ぶTeam4Techの生徒達 [提供: Team4Tech]

Team4Tech のプログラム・マネージャー、マリア・ポーザ氏は各ボランティア プロジェクトの、デザイン思考の面の方向付けを担当している。「デザイン思考とは、簡単に言うと、問題解決のフレームワークです。あるユーザーについて研究し、ユーザーが直面する問題を識別して素晴らしい解決策が得られるまで検証を繰り返す方法論を指しています」。

こうしたソリューションには、「デザイン」という語から連想されるような人目を引く美的側面も含まれる。だがほとんどの場合、その目的はユーザーの問題を解決してニーズを満たすことにある。国際的開発に関連するデザイン思考の可能性として、よく知られた例が Embrace Warmer だ。これは安価で持ち運び可能な、おくるみ型の早生児用保温器で、先進国の病院にある保育器の役目を果たす。

IDEO や Frog Design などの企業は製品開発にデザイン思考を活用しているが、Team4Tech のミッションにおいては、デザイン思考モデルは主に「4 つの C」(クリエイティビティ、コラボレーション、コミュニケーション、クリティカル・シンキング)の発展に使われている。

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カヤマンディ タウンシップの学生達

「デザイン思考のプロセスを経る行為は、そうしたスキルの開発に役立ちます」と、ポーザ氏は話している。「ボランティアには、ソリューション志向の行動態度、特に制約の多い状況における、そうした行動態度が育まれます。これは例えば、タンザニアで粘着テープや段ボール、結束バンドだけで教室にプロジェクターを設置する必要がある場合などに役立ちます」。

昨夏南アフリカ・ステレンボッシュ近郊のカヤマンディ タウンシップで、7名のオートデスクのボランティアが 2 週間に渡って Team4Tech とパートナーシップを組み、教師と学校管理者にデジタル リテラシーと 21 世紀の教育方法に関するトレーニングを提供した。ボランティア達は寄贈された 3D プリンター数台と、Tinkercad やその他の Autodesk ツールを搭載した 35 台のラップトップを持参したのに加えて、活力溢れる地元の教育者と共に、従来の「レクチャー式」の教育方法を超えて生徒達の関心を引く役割を担った。

南アフリカへと出発する前のオリエンテーションの一環として、ボランティア達は Team4Tech のデザイン思考ワークショップに参加し、ニーズの特定とプロトタイプの開発、ソリューションの反復のプロセスについて学んだ。「各ワークショップはそれぞれのプロジェクトに合わせて用意されており、ボランティアがその国で使用できるスキルに焦点を合わせ、トレーニングの提供対象である教師を育成できるよう考慮されています」と、ポーザは話す。

Team4Tech のボランティア・プロジェクトにおけるデザイン思考の使用は、このプロジェクト全体を全く新しいレベルに引き上げることとなった。プログラム・ディレクターのノエル・デュラン氏は、南アフリカでそれを目の当たりにしたと話す。「(オートデスクの)チームは、このデザイン環境とデザイン サイクルに慣れており、翌日のプロセスを改善するというスタイルにすぐに馴染むことができました。毎日、毎晩のペースでデザイン サイクルを実施したのです」。

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カヤマンディ タウンシップの学生達

「プロジェクトが終わる頃には、非常に洗練され、的の絞られた結果が得られました」と、デュラン氏は続ける。「教師達からは、これまでにない体験だったとの感想が聞けました」。

デザイン思考の使用の利点を示す好例として、別の Team4Tech プロジェクトでは (自転車が重要な移動手段となっている) ベトナムのボランティア達が、より優れたサドルを製作するという挑戦に立ち向かった。だが、このプロジェクトは児童養護施設を拠点としており、自転車を持っている子供はひとりもいなかった。

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Team4Tech とオートデスクによるトレーニングを受けるカヤマンディ タウンシップの教師達

ここでボランティア達は方向転換をする。風の強い時期であり、精巧な凧を売る屋台があちこちに出店していた。デザイン思考のパーフェクトな可能性が示された。チームは、挑戦対象を凧のデザインへと切り替えたのだ。

ポーザによると、ここでの教訓は、デザイン思考は非常に機敏で、どこにでも適用可能なものであるということだ。「妥当性は重要です」とポーザ。「人々が使用できないものをデザインする意味など、ありません。わずかな創造性と問題解決の精神で、かなりのことが実行可能です」。

デザイン思考のメリットと、発展途上国とそのコミュニティに対する Team4Tech の取り組みのメリットには疑う余地がないが、実際に活動を行っているボランティアのメリットはどうだろう? 彼らは感動のストーリー以上のものを持ち帰っている。

「技術系従業員にとっては、優れたリーダーシップ養成プログラムとなっています」と、ポーザ。「ボランティアは「4 つの C」以上の技能を開発しています。グローバルな物の見方を得るようにもなっています。私達は彼らを安全地帯から押し出して、彼らが目の前の課題を理解し、非常に複雑な問題に対処しながら異質な環境の中でチームとして密接に働くことを望んでいます」

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カヤマンディ タウンシップの学生達

慣れ親しんだ役割や期待、階層からの逸脱に居心地の悪さを感じることもあるだろうが、世界を変えるのは簡単ではない。帰国後、Team4Tech ボランティアはこういった新しい視点 (そして新しいデザイン思考のスキル) を米国での業務の成就に生かしている。

同じように重要なのは、ボランティアが残した優れた仕事に、いつまでも好ましい効果が残るということだ。「これは非常に特別なプロジェクトでした」と、カヤマンディの大ステレンボッシュ開発信託のハネス・ファン・ツィル氏は話す。「(オートデスクの)チームはここを訪れ、最大限の専門的技術を用いて長い時間を費やしました。彼らの尽力、革新、チームワークには大いに刺激を受けました。ファシリテーターや教師、子供達が皆、次は何をやるの?と尋ねるのです。子供達のためのコンピューター・クラブを開設しなくてはいけませんね」。

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