バーチャル リアリティのトレンド: VR、AR、MR で未来が垣間見えるストーリー 9 選

virtual reality trends

VR や AR、MR (仮想現実、拡張現実、複合現実) のテクノロジーは、どれも黎明期ではあるが、既に未来の発展の方向性を示している。

デザイナーとクライアントのコミュニケーションにもたらす大変革から、建設現場のパフォーマンスの向上まで。VR のトレンドは、複雑なデータと、より正確さ (と鮮明度) を増すビジュアライゼーションの、業界を根本的に変革するような方法による組み合わせになっている。この記事では「創造の未来」の見方を変えるような、ここ最近の VR、AR、MR に関する 9 つのストーリーを紹介しよう。[各タイトルのクリックでフルストーリーを表示]

VR ヘッドセット 建築デザイン 測量
Image composite: Micke Tong

#1: ビッグ データと VR で実現する建築デザインの大幅な向上
オートデスク フェローであるフィル・バーンスタイン氏が予測するように、VR とビッグデータは、建築デザインの発展に大きな役割を果たすようになるだろう。没入型の VR により、建築家はコンクリートが流し込まれる前に、データに基づいた決断を行えるようになる。また行動モデリングは、建物が実際にはどう使用されるのかに関する豊富な情報をもたらす。病院から大学のキャンパスに至るまでの、建物の効率性の向上や、建設費と管理コストの削減、そして関係者の満足を実現可能だ。

#2: スターバックス コーヒー ジャパンが BIM と VR でのデザインを通じて追求する新たな体験
日本進出から 20 年を迎えたスターバックスは、それぞれの地域の雰囲気と文化に合わせて順次各店舗をリモデルし、日本ならではのテイストを持つ魅力的なサードプレイスを生み出している。スターバックスの設計部は、関係者に対して極めて正確な VR モデルを提示することで、より迅速でコスト効率の高い設計を実行。店舗設計部部長の高島真由氏は「これまでは建設部やオペレーション担当などデザインの理解が必要な部署には、仕上がりを想像してもらいながら説得していた部分がありました」と述べている。「今後は VR を使うことで、リアルなイメージを共有しながら合意形成できるのではないかと期待しています」。

#3: MR、VR、AR により、人間と機械が労働力として一体化
MR、VR、AR は、人間とテクノロジーのギャップを埋め、より優れた効率性と生産性をもたらすようになるのだろうか? オートデスクで最先端テクノロジーの担当ディレクターを務めるブライアン・ペーンによれば、さらに小型かつパワフルなデバイスが登場してきており、デザイナーがより理解しやすい 3D モデルを採用するにつれ、紙を使った 2D デザインと物理的なプロトタイプは過去のものとなる。こうした進展は、人間と機械がデジタル情報を建設環境とコネクトするのに役立ち、デザイナーの仕事への取り組み方や、現場で働く労働者の建設プロセスへのアプローチ方法を転換させるようになるだろう。

#4: フリーダムアーキテクツの BIM を活用した住宅設計が VR 体験でさらに進化
年間約 400 棟の注文住宅を手がけるフリーダムアーキテクツデザイン株式会社は、施主との打ち合わせに VR (バーチャルリアリティ) を活用することで、2D デザインでは不可能なモデルルーム体験を提供している。ビルディング インフォメーション モデリング (BIM) データの使用は、デザインの外観や雰囲気、機能の絞り込みに役立つ。同社事業開発部部長の長澤信氏は「これまで建築家には、自分が設計したものが現場で出来上がることで、初めて実感する部分がありました」と話す。「実際に目にすることで、必ず“ああしておけばよかった”という反省が出てきます。でも VR であれば半日もかからずに、自分が設計したものの中に入り込むことができるんです」。

バーチャル ショールーム フリーダムアーキテクツデザイン
[画像提供: フリーダムアーキテクツデザイン]

#5: ノルウェーの鉄道プロジェクトが没入型デザインの導入で実現した公共関与と共感獲得
国有の鉄道会社 Bane NOR (エンジニアリング企業 Sweco と Rambøll のコラボレーションと連携) は、ノルウェー・モス市に 10 km にわたる路線、2 本のトンネル、乗換用新駅の建設を予定している。2019 年とされている着工の前にデザイナーや関係者が信号システムやその他の環境上の問題箇所を推測するには、ヘッドセットを必要としない 180 度に広がった VR シアターの体験が役立つ。モス市民は、当面は没入型デザインの世界で乗車体験のシミュレーションが可能で、そのフィードバックを提供し、プロジェクトがコミュニティに与える影響を理解する機会が提供される。

#6: ヘルスケア分野における VR で受け入れる医療の現実
VR、AR、MR のパワーを探求している分野は、建築と土木だけに留まらない。医療分野では、こうしたツールが医療従事者の教育を向上させるために使用されている。人体の 3D モデルから外科手術のシミュレーターまで、VR は次世代の医療プロフェッショナルの養成に役立つ。ヘルスケア分野における VR は、教育やリハビリ、患者の治療の向上において、さらに重要な役割を担うようになるだろう。

AR 建設現場
[提供: DAQRI]

#7: 建設現場での AR 活用で壁の向こう側を透視
あのクリプトン星からやって来た超人であれば壁を透視できるかもしれないが、それ以外の人間には AR が必要だ。DAQRI Smart Helmet を使用することで、現場の作業員は壁の向こう側を「透視」し、空間の関係をより正確に判断して、MEP (機械・電気・配管) の干渉やエラーを低減させることができる。その姿はジェダイ修業時代のルーク・スカイウォーカーのかぶり物を思い起こさせるが、建築業者やエンジニア、デザイナーが BIM モデルを建設現場に持ち出し、ヘルメットを装着すれば、その BIM モデルをフルスケールで没入できる 3D 環境として体験可能だ。

#8: パールハーバーを記憶に留める: 米国博物館における VR の活用
戦艦アリゾナは 75 年以上にわたって、フランクリン・D・ルーズヴェルトが「屈辱の日」と語った 1941 年 12 月 7 日の真珠湾攻撃の辛い経験を記憶に留める役割を果たしてきた。来館者は年間約 180 万人に上るが、観光客や退役軍人は、今や VR のおかげで、攻撃を受ける前の戦艦アリゾナの様子や、戦艦の現在の状態を詳しく知るバーチャル ツアーに参加できる。

#9: VR によって医者や看護師、スタッフをバーチャル建設の味方に
医療施設の建設分野では、デザインがうまく機能するかどうかを医療関係者とその患者たちが判断するのに、長い間物理的なモックアップが使用されてきた。だが、こうしたモデルをビジュアライゼーションの目的で使うには、莫大なコストと長い時間がかかる。その代わりに VR モックアップを使用することで、医師や看護師が着工前にリアルなデザインを体験でき、時間とコストを節約できる。

#AR - #VR

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