妥協に甘んじない: 製造業の女性を増やす3つの方法

by Lisa Campbell
- 2016年3月25日

労働力の総人口に対する女性の比率が 47% であるのに対して、製造業ではわずか 27% に過ぎない。これは驚きの統計値だ。

この分野における女性の登用に対する業界の取り組みが、十分とは言えないのは明白だ。製造業コミュニティには、もっとできることがある。ただし、それはは製造業者だけの問題ではない。製造業におけるジェンダー間のバランス実現に近づけるための、3 つの方法を挙げることにする。

1. まずは STEM 教育から
小学校や幼稚園という早い時期から STEM (科学、テクノロジー、工学、数学) への興味とその卓越を奨励することで、女児の興味をかき立てることが重要だ。こうした科目を女児に奨励し、彼女たちの達成度と向上を促進するということだ。自信は若いうちに養われる (英文 PDF) ものであり、奨励が熱意と粘り強さの確立に大きな役割を果たす。授業で作ったアート作品を自宅へ持ち帰った 1 年生を例に考えてみよう。作品を褒められたり認められたりすることがなければ、その子は自分に芸術の能力がないと考えたり、何か別のことに取り組んだ方がよいと考えたりするかもしれない。だが積極的に促すことで、それを変えることができる。

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親の側では、「自分の一番やりたいことをすればいい」と簡単に言うことができる。だが、よく考えてみて欲しい。もう、女の子なのだから消防士や軍人になるのは無理だという時代ではない。女性の STEM 分野での活躍、そして製造業における活躍についても同じことが言える筈だ。女の子にデザインや製造のポテンシャルを見せるべき時がやって来た。デザインや製造は楽しくエキサイティングで、さまざまなことを実現する力を持っているのだ。

そして奨励においては、親同様に教師が果たす役割も重要だ。若く感受性の強い女の子たちにとって、STEM 科目に取り組む際に「この分野の才能がある」と褒められることは大きな意味を持つ。何かを作ることへの興味を刺激するよう特別に計画された課題やプロジェクトに取り組む場合であれば、なおさらだ。スポーツに例えてみよう。水泳、バスケットボール、サッカーなどを始めたばかりの子供に対して、コーチは粘り強く練習を重ねるよう励ます。教育者は、それと同じことを STEM でも行うべきなのだ。

2. コミュニティを巻き込む
製造業における女性人口を増やすための道は、小学校や中学校で築かれる基盤が全てではない。女性の教育過程全体を通して、女児や若年女性を育成し続けることが重要だ。十代の若者は、高校 1 年生で大学進学について考え始め、3 年生で受験を体験することになる。志望する専攻が明確ではないが機械工学やインダストリアル・デザインに興味がある生徒には、その分野を支援するプログラムを開講している大学を探すべきだろう。

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実際にこういった大学に進学することは、また別の問題だ。一流のプログラムに参加する (そして学費を払う) というプレッシャーは、これまで以上に大きい。子供たちを学業の成就へと向かわせるひとつの方法に、高校で提供されるメンター・プログラムがある。仕事現場、オンライン、校内などで、製造業の現実をうかがい知ることができる機会を女子生徒に提供することは、一流大学を志願する彼女たちのモチベーションとなる。

そうしたメンターは、どこにいるのだろう? もちろん地元の製造業メーカーや企業団体を含むコミュニティだ。Women in ManufacturingSociety of Women Engineers といった団体は、女性による次の大きな波を業界に導く上で極めて大きな役割を果たしている。こうしたメンター・プログラムは、母親や父親、教師ではなく実際に製造業で成功を収めている女性から助言が提供されるため、より強い説得力を持っている。メンターは、10 年や 20 年もの経験を分かち合い、業界に関する質問に答えることができる。これこそが、まさに手本だ。

こうしたメンターシップは、製造業コミュニティへ女性を結集させる、ひとつの方法に過ぎない。業界団体は、学校や地方支部での教育セッション、その地域の製造業者を巡るガイド ツアー、インダストリアル デザインや生産管理についての講演会の主催を行うこともできるだろう。また団体や民間企業がデザイン コンペやミートアップ、ハッカソンを通じて、あらゆる年齢層の女性に、自らの手で何かを作り出す機会を提供することも可能だ。団体と民間企業の両方、業界が一丸となって、女性が参加できる情報やプロジェクトを発信するオンライン・サービスを作成することもできる筈だ。こうしたアイデアで重要なのは、楽しくインタラクティブで、有意義なものにするべきということだ。

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3. 業界の認識を変える
製造業においては、「烙印」と言っては語弊があるかもしれないが、この業界で成功を収められるのは男性のみであり、女性には安心できる魅力的な環境ではないとの共通認識 (英文 PDF)がある。こうした認識は誤りであり、業界はこの印象を変えるべく真摯に取り組む必要がある。印象が変われば、より現実的になるからだ。

自動車や産業機械など、昔から男性優位である一部の業種は、その業務の技術的側面やクリエイティブな側面の振興に努めることから始めるというのもよいだろう。機械の規模や現場に内在する危険が強調されることも多いが、重労働や危険な作業は、どんどんロボットが引き受けるようになっている。その代わりに製造業メーカーは、こうしたマシンを駆動しているテクノロジーの周知を図るべきだ。作業員の身長や体重、頑強さは、CNC マシンをプログラムする能力には関係ない。こういった仕事は誰にでも門戸が開かれている。また製造業における技術者不足 (英文 PDF)も、こうしたポジションに女性を引き寄せるよう、さらなる取り組みを行うべき理由となるだろう。

女性を製造業に取り込む上で、テクノロジーが巨大な推進力となることは間違いない。IoT や工業用積層造形からジェネレーティブ デザイン、先進材料に至るまで、産業界は進化を続けている。こういった変化は女性にとってもエキサイティングなものであり、女性も、現代に影響を与えているツールやテクノロジーを扱う仕事に就くことを望んでいる。

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それでも、製造業において新しい革新的なポジションを埋める女性人材を見つけるための協調努力をスタートさせるかどうかは、各企業にかかっている。製造現場を運営し、工場のレイアウトをデザインし、インダストリアル・デザイン部門や機械工学部門を管理し、製造および運営部門の責任者となる女性を採用する必要がある。だが、そこで終わりではない。製造業には、ゼネラル・モーターズの CEO を務めるメアリー・バーラや、ロッキード・マーティンの CEO であるマリリン・ヒューソンのようなリーダーが、もっと必要だ。

だが朗報は、こうした変化が実際に起こりつつあるということだ。それは大勢の若い女性がメイカーズ・ムーブメントに加わり、Goldieblox や K’NEX、Technology Will Save Us といった玩具メーカーが、若い女性に投資していることからも明らかだ。「製造業における女性」に関する議論が行われていること自体、正しい方向への意義ある前進と言えるだろう。業界がこの勢いに乗り、女性とその手腕に対する社会的態度を進化させられれば、27% という数値が取るに足らない昔話となるのも時間の問題だろう。

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