Revitをデータベースとして作成する上で重要な理解_パラメータの各役割について

Autodesk Support

2021年1月18日


Revit使用者にとってパラメータの理解は必要な情報をモデルに正しく割り当て活用する上で大変重要になります。
以下のパラメータの種類を理解し、必要に応じた使い分けをお勧めいたします。
 

  • システムファミリに設定された組み込みパラメータ システム定義(タイプまたはインスタンス)
    これらは Revit ソフトウェアにハードコードされたプロパティです。
    これらのプロパティは、通常、集計表で使用可能です。タグに使用可能な場合もありますが、常にではありません。
    例:システムファミリ(壁、床、天井、階段、手すりなど、プロジェクト情報、ビューとシート、エリア、部屋、スペース等のカテゴリ特有のパラメータ
     
  • ロード可能なファミリに設定するファミリパラメータ  ユーザー定義(タイプまたはインスタンス)
    ファミリ内にのみ存在し、ユーザーが定義します。
    これらのプロパティは、通常、集計表及びタグでは使用できません。
     
  • ロード可能なファミリに設定されたファミリの組み込みパラメータ  システム定義(タイプまたはインスタンス)
    これらは Revit ソフトウェアにハードコードされたプロパティです。
    これらのプロパティは、通常、集計表で使用可能です。タグに使用可能な場合もありますが、常にではありません。
    例:構造フレーム、構造柱、構造基礎、照明カテゴリ等のカテゴリ特有のパラメータ
     
  • プロジェクトパラメータ  ユーザー定義(タイプまたはインスタンス)
    プロジェクト内にのみ存在し、ユーザーが定義します。
    集計表で使用可能ですが、タグには設定できません。
     
  • 共有パラメータ ユーザー定義(タイプまたはインスタンス)
    外部に保存したテキストデータを通して管理・編集・設定します。
    ロード可能なファミリやプロジェクトで選択したカテゴリに割り当てることができるパラメータです。
    グローバルやシステム定義の組み込みのパラメータには使用できません。
    テキストデータには、GUIDと呼ばれる唯一無二のIDが振られます。テキストデータをファミリやプロジェクトで共通利用することによって、
    プロジェクト間やファミリ間で同様のパラメータとして集計表に表示させたり、ビューでタグ付けすることができます。
    ※同じテキストファイルに同名の共有パラメータを作成することはできませんが、別のテキストファイルに同名の共有パラメータが存在し、誤って同名の共有パラメータを取り込んでしまった場合、プロジェクトで2つの同名共有パラメータが違うGUIDで存在してしまう危険があります。そのため、1プロジェクトには1つのテキストファイルから共有パラメータを付加するよう徹底し、かつ取り込むファミリに対しても指定のテキストファイルから割り当てた共有パラメータの徹底をお勧めします。
     
  • グローバルパラメータ ユーザー定義(タイプまたはインスタンス)
    プロジェクト内に存在し、ユーザーが定義します。
    システムファミリに存在する組み込みパラメータまたはロード可能なファミリに付加されたパラメータに対し、プロジェクト内でグローバルパラメータに紐付けしたり、計算式を割り当てることが可能です。
    プロジェクト内で設定した寸法に対して、グローバルパラメータを紐付けすることも可能です。

​その他上記パラメータを活用したパラメータの種類

  • レポートパラメータ
    モデルから厚み、長さや角度を抽出し、ファミリ内の計算やプロジェクト内のグローバルパラメータで関連付けて使用します。
    例:ファミリ内 窓・ドアファミリでは予め用意されているホストとして壁が存在します。ここでは壁の厚みに寸法を設定し、レポートパラメータとして読み取ることができます。例えば、枠見込み=枠ちり⁺壁の厚みなどの計算に利用できます。
    例:プロジェクト内 レベルに対して寸法を充て、レポートパラメータした場合、グローバルパラメータ、天井高=レベル-構造フレーム梁成-100㎜などと計算式に利用することができます。
     
  • 計算値
    Revit2017より利用可能です。
    スケジュールやタグファミリ内で作成されたプロパティで、実パラメータではありません。
    式を含めたり、他の式やスケジューリングで使用するための静的な値として使用できます。
     
  • 集計キーパラメータ
    プロジェクト内で、ルックアップテーブルのように動作する特殊なスケジュールを作成することができます。 ユーザーが作成した集計キーパラメータは、キー名から各要素に呼び出すことができます。また、Revit2021より集計キー内で共有パラメータを使用できるようになりました。
    例:部屋の種別に対して仕上げに関する集計キーを作成した場合、部屋のプロパティ部屋種別による他の設定パラメータを呼び出すことができます。
     
    適用範囲     パラメータの種類     作成者    プロパティ表示タグ表示   集計 共有パラメータへ変更計算式の追加
    ファミリ   システムパラメータ (組み込み)   システム  可      ときどき  ほとんど   不可         不可     
    ファミリファミリパラメータユーザ不可不可
    ファミリ共有パラメータユーザ
    プロジェクト  システムパラメータ (組み込み)  システムときどき ほとんど 不可不可
    プロジェクトプロジェクトパラメータユーザ不可不可
    プロジェクト共有パラメータユーザ不可
    プロジェクトグローバルパラメータ          ユーザ関連付け要不可不可不可
    集計表計算値ユーザ不可不可不可
    タグ計算値ユーザ不可不可不可

共有パラメータ設定についての補足

  • 共有パラメータを使用するか否かは、タグや図面枠にパラメータを表示させたいか、また、集計表に値を表示させたいかで決まります。必要に応じて、プロジェクトパラメータやファミリパラメータを共有パラメータとして書き出します。共有パラメータは、プロジェクト側から、ファミリ側から追加することができますが、プロジェクト側から追加した場合には選択したカテゴリの要素全てにパラメータが表示されます。よって、追加方法は以下のように使い分けます。​
  • プロジェクト側からつける共有パラメータ
    基本プロジェクト全体に関わる内容やプロジェクト側で決まる物事、システムファミリ関連
    例:プロジェクト情報と図枠を繋げたい、部屋、スペース情報をタグで出したい、システムファミリ(配管ダクトもろもろ)にタグをつけたいなどの場合
    カテゴリ毎につく内容が該当します。
     
  • ファミリ側からつける共有パラメータ
    一方で、ファミリとは現場に搬送される建物要素です。必要なパラメータだけ出したい場合、カテゴリ毎でパラメータが表示されたり、集計されてしまうとかえって操作がしずらくなるため、ファミリ側から該当するファミリに対して、共有パラメータを付加します。
    例:建具ファミリでも、外部ドアとシャッター関連で集計したい内容は異なる場合があります。

    注意①:共有パラメータはテキストデータとして外部保存されます。このテキストデータを複数作った場合、その管理に注意します。例えば、2つの異なるテキストデータに同じ命名でパラメータを追加した場合、書き出しの際に自動的に配布されるGUIDは異なり、集計表で正しく集計することができません。
    注意②:プロジェクト側に既に設定されている共有パラメータがある場合、ファミリ側から共有パラメータを編集しても、その変更が反映されない場合があります。これは、プロジェクト側ですでに認識された同名の共有パラメータがあるためです。例えば、パラメータタイプなど、プロジェクトに既に認識された共有パラメータがあると、ファミリ側から編集し再ロードしても反映されません。
    注意③:テキストデータを直接編集することは推奨していません。
     

​その他参考



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